nakumelo’s blog

考えたことややってみたことをとにかく書いてみるブログ Twitterアカウント→@EtoileMelimelo

エンタメ新喜劇第五弾レポ 後編

レポ前編→
http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2017/03/22/204205

中編→http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2017/03/27/195707

  恐らく日本一遅いであろうエンタメ新喜劇レポ、やっと後半です!!これで最後だよ!!よかったらおつきあいくだされ!!


  ついに迎えたお祭りの日。様々な演し物が披露される予定で、そのなかにはえりかちゃんという和太鼓の名人がいました。えりかちゃんは太鼓部の顧問・太一郎先生となにやら深刻な顔で話し合っています。

 
「えりかちゃん、やっぱりちゃんとおばあちゃんと話し合おう。こんなチャンス逃しちゃいけない。きっとわかってもらえるように僕も説得するから」
「……でも、私、おばあちゃんを残してまで、行くことは…」

 

  その様子が気になって、声をかけてみるアキコさんたち。実はえりかちゃんは、その和太鼓の演奏技術の高さをアメリカの有名音楽レーベルに認められ、ぜひうちでアーティスト活動をしないかとスカウトされたとのこと。そしてその旅立ちの日がこのお祭りが終わった次の日なのです。
  しかしえりかちゃんには、亡き両親に替わってずっと育ててくれたみどりおばあちゃんがおり、このおばあちゃんは最近回復こそしたものの持病もあるため、ひとり残して渡米など出来ない。そしてその想いが強すぎて、まだみどりおばあちゃんには話せていないのでした。

  やっぱり無理です!!と走り出すえりかちゃんを、走っているようで実はその場でランニングしているようなマイムで追いかける太一郎先生。相変わらずすごいな…(笑)

 

  そうこうしながらもお祭り開催の時間が近づいた頃、あの由美社長と秘書高井たちがやって来ます。高井の手には市からの委託書があり、これによればこの広場の権利は完全にNGK建設が獲得し、そのため今すぐにでも取り壊し工事をすることが出来るとのこと。ただちに祭りを中止しろ!と命じてきます。

   これまでの健闘もついにここまでか……と絶望と諦めムードが漂うなか、「その必要はない!!」とやって来たのは、茂造!!そして、茂造の顔を見た瞬間、青ざめる由美社長…… 

 
  「あ、あなたは……茂造会長!!!!」


  実は茂造の正体は、由美社長よりもさらに上の役職である、NGK建設の会長。なかなかマンション建設に着手出来ないこの広場を自身のこの目で確かめようと、ただのジジィを装いやって来たのでした。

  「この広場は、祠の神様共々、みんなに愛され親しまれる大切な場所なんだ。それを壊してはいけない。ワシは数日間様子を見ていて感じた。だから建設計画は中止だ!!会長のワシが決めたんだ!!今すぐ、市役所へ中止の旨を説明してきなさい!!」

  毅然とした口調と態度で由美社長に命じる茂造会長。会長の命令ならと仕方なく撤退する建設会社一同。このときの茂造かっこよすぎて惚れ直しました
(゚ヽ゚*)ポッ♡←

 
  これで思いっきりお祭りが出来る!!と張り切る住民たち。まずは今やエンタメ名物となった酒屋と八百屋のモータルコンバットさん、そしてちびっ子たちのアクロバティックなブレイクダンス!全員が大きな大会で賞を受賞するほどの実力者のパフォーマンスを新喜劇と共に見れるコスパの良さもまた、エンタメ新喜劇の醍醐味です。

  次に大きな和太鼓がセットされ、袴姿に着替えたえりかちゃんが登場。みどりおばあちゃんはにこにこ笑いながら、孫娘に語りかけます。

 

「えりかの太鼓、楽しみだわ~!この祠の神様のおかげで、具合もすっかり良くなったし、えりかの夢も叶うし、本当によかった!!あっちでも、しっかりがんばるのよ。離れていても、私たちは家族なんだから…ね?」

  
その言葉に驚くえりかちゃんと太一郎先生。おばあちゃんは、ちゃんと孫の事情をわかっていたのでした。おばあちゃんの愛情を実感し、旅立ち前の晴れ姿を見せようと、えりかちゃんは張り切ります。
  ひとたびバチを握り、「ハァッ!!」という掛け声をかければ、その小柄な体のどこから溢れているんだ?と圧倒されるほど、ひとつひとつの音がビリビリと耳へ伝わってくる力強く太鼓の音色が奏でられていきます。演奏が終わると、太鼓の音色に負けないほど大きな拍手を受けながら、えりかちゃんは大好きなみどりおばあちゃんを抱き締めるのでした。


   「さあっ、お祭りはまだまだこれからよーー!!」


  あき恵ママの掛け声をきっかけに、さらにお祭りは盛り上がりを見せます。近畿大学チアリーディング部の方々は、アクロバティックな技を次々と披露!次々と回転や人間タワーなどの高度な技をこなしていきます。ちなみにチアリーディング自体に男女の区別はないようで、何人か男性のメンバーもいたのが印象的でした。

  次に出てきたのは少林寺拳法風のダンスを披露するチーム。ここではアキさんも合流。衣装が途中で変わる斬新な演出と、力強いダンスパフォーマンスで会場を圧倒します。

   ダンスパフォーマンスが終わると、「なぜか」ゼーハーしながらパフォーマンスタイムの時消えていたアキコさんも合流(笑)  広場の存続の話を聞き、安堵します。みんなで祠の神様にお礼を言いましょう!とその場にいた全員で手を合わせてお参り。すると、辺りが闇に包まれ、祠にはまばゆい光が射し、なんと扉が開いて誰かが出てきました!
そこから現れた長いお髭の人物は……冒頭でコイントレーを売っていたプリンス忠志!!なんと彼の正体はこの祠の神様なのでした!!

  神様忠志曰く、自分はあくまでコイントレーの如くみんなの「願いや祈り」を受け止めていただけだと。その願いや祈りが叶ったのは、そのためにそれぞれが積み重ねていった地道な努力や心掛けの結果であるということ。いわゆる……「小さなことから、コツコツと」。これやるときのプリンス忠志はほんとお父様そっくりです(笑) そしてそんな神様は「これからもコツコツがんばっていってくださいね」という言葉を残し、また祠の中へ帰っていきました。

神様を見送ったあと、「じゃ、私も、そろそろ戻りますね」となんとも意味深な言葉を放ち、祠の扉を開けるアキコさん。もしかしてアキコさんも祠の神様だった……!?

  と思いきや、すぐに出てきて扉から顔を出すアキコさん。ただ単に神様の真似をして中に入ってみたかっただけのようです。おどかすんじゃねーよ!と周りからは非難囂々。それを受けたアキコさんは……


  「わかりました!わかりました!私、謝ります。みなさん、わたし、
(思いっきり客席のほう見ながら)

あ や ま り ま す よ!!

(大きく頷いて)

いいですね!!

『すいませーーん!!』」


  当然のように返ってくる客席からの「いーいーよぉー!!」の大合唱。それを聞いて満足そうに頷くアキコさん、というところで公演は終了。


  カーテンコールでは劇中にあった「小さなことからコツコツと」になぞらえて、始めは一日限りのイベントだったエンタメ新喜劇が、アキさんの人気上昇と共に今やチケット争奪戦や追加決定もあり得る一大イベントになり、本当に続けてきてよかったね、と茂しゃんと共に話していました。
  コント・ダンス・殺陣など、これまでアキさんがひとつひとつをきちんと全力で取り組んできたことが、今こうして確かな実力となって舞台で花開いている。それが間違いない「小さなことからコツコツと」の証明なのだと思います。

  そしてこれからも「座長」という夢のためのコツコツのひとつとして、既に9月の次回公演が決まっていました。そしてやはり前売りチケットを買った人はアキさんと写真が撮れる特典付き。前日に先行抽選に当たり発券済みなのでその列に並んで待つことに。
 
  なんと今回は撮影アシスタントは劇場スタッフではなく、現役座員である大島さん・もりすけさん・前園さん・高関さんが行っていました!大島さんは明るく気さくに、そしててきぱきと誘導してくださり、もりすけさんは縦横どちらもばっちり撮ってくださいました!途中で「もりすけーー頭皮が光っちゃってるぞ!!」といじられていました(笑)
   
  大島さんは握手していただいたとき「僕よりメインがあちらにいるのに~」と謙遜されていましたが、さりげなく後輩のフォローをしていたり、ファンひとりひとりに温かく声をかけているその姿はまるでお母さん!もりすけさんは普段のハゲいじりもあるのか、出てきた瞬間ワーーッと歓声が起きていました!
  前園さん・高関さんに関してはまだどちらかといえば大人しめな感じでしたが、顔とお名前を覚えておきますね!と約束してきました。励みにしてくれたらいいな。

  そしてその横では森にぃが「きょうと新喜劇」の手売りをしており、完売に向けてがんばっていました。私も本当はチケットを買いたかったのですが、この時点で既に宿も取れず仕事のスケジュールもずらせないことも確定してたので、必死で我慢しました……ちなみにこれを書いている2日前にきょうと新喜劇本番は行われたのですが、見事完売の大盛況で、8月に次回開催も決定したそうです!おめでとうございます!

   アキさんも、森にぃも、茂しゃんも、他の座員さんも……みんながコツコツと積み重ねてがんばっている舞台が、新喜劇です。

  私も多忙によりレポが遅れることがこれからも多々あると思いますが、必ず完成させますので、どうかお付き合いお願いいたします‼
 
 

 


 

 
 

 

 

 

エンタメ新喜劇第五弾レポ 中編

  前編はこちら→http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2017/03/22/204205

   遅くなって大変すみません!!では中編のレポです!!
  
  さて、ここまで楽しく盛り沢山のエンタメ新喜劇ですが、私の中には一抹の不安が……


  アイツが……まだ出てない……


  だんだんハラハラしながら見守っていると、市役所へ交渉へ行ったアキコさんが戻ってきました。すでに市と建設会社で契約が成立しており、やはり計画中止はできないとのこと。暗雲が立ち込めます。


  そんなとき、屋台では、どこかで見たことがある肩掛けバッグの落とし物が……さらに、冒頭のカップルが忘れていった大きな旅行カバンも、おもむろに中央に置くゆたか大将……フラグが立ちました……!!


  そして……!!


「わーーー!!えらいこっちゃぁぁーー!!」と絶叫して飛び出してきたのは、待ってました、茂造!!!

なかなか出てこないから今回は出演ないのかなって不安になっちゃいました(  ;∀;)ヨカッター  当然旅行カバンは思いきり蹴り飛ばされ、見事喫茶店を越えていきましたwww

  お散歩途中で紛失した肩掛けバッグを無事取り戻した茂造。この広場に来るのは初めてだということ。祠のことを聞くと「ワシもお願い事しよーっと♪」とパンパンと手を叩き、お祈り。さて、そのお願い事とは…


  「髪の毛が生えてきますよーに!……(サイドの毛を触り) もう叶った!!」 はやっ!! (゚ヽ゚)


  さて、祠には奇跡を求めるべく、悩める人々が次々に訪れます。

  一人目はサラリーマンの森にぃ。ヘビースモーカーらしくたばこを今すぐにでも吸いたいのですが、火を点けるためのライターが無いとのこと。近くにいたゆたか大将もライターは持っておらず「これじゃたばこが吸えないよ~」と途方に暮れます。そこへ……


   「元気を、出して~~!!」

 
どこからかこんな声が聞こえると、「ビビデ・バビデ・ブー」のユーロビートが流れ、冒頭に登場したチアリーダー・ちあきちゃんとその仲間たちがやって来ました。そして森にぃを励まします。

  「これをきっかけにたばこを止めたらいいのよ!たばこは肺癌になるリスクも高いのよ!健康のために、禁煙しましょ!」

  励ましの言葉をかけると音楽にのって帰っていくちあきダンサーズ。すると……

  「わたしぃ~~タバコ、好きでしょお~~?好きなんですねぇ~~、はぁ~い。でもぉ~~ガンが怖いし~~もう、やめるんですねぇ~~はぁ~い」

  そう言って、タバコを箱ごと捨てて去っていく森にぃ。「わたしぃ~〇〇でしょお~?」と「はぁ~~い」のあの口調は最近では本公演でもすっかりお馴染みになったこともあり、拍手喝采でした。

  その後もちあきちゃんたちは事あるごとにやって来て、「友達が遠くへ引っ越すことになっちゃったの」というちびっ子たちには「昔は茶色い封筒と黒電話しかなかったけど、今はメールだってLINEだって色んなつながりがある!」と励まし、「大会でミスをして入賞を逃した上、ケガをしてしまったからチアリーディングチームをやめる」というチームメイトの女の子には「大会では精一杯パフォーマンスしたんだから、私たちはあなたのミスを責めたりしない!だからケガが治ったらまたいっしょにがんばりましょ!」とエールを送ります。 

それを傍で見ていたゆたか大将、自分も応援してもらいたくなって「俺にも元気になる応援してーー!!」と叫びますが……出てきたのはポンポンが二つだけ。「自分で何とかしなさい」と冷たくあしらわれ、仕方なくそのポンポンで「フレッ、フレッ、ゆたか♪」と自分で自分を応援するゆたか大将。その様子を見た建設会社の由美社長と秘書高井からは敵でありながら「…救急車、呼ぶ?」と心配されました(笑)

   アキコさんやあき恵ママの反対運動を目障りに思った建設会社は、ついに強硬手段としてヤクザを雇い、脅しをかけます。ゆたか大将があたふたしていると、どこからか「まてーーっ!!」という声が!!

  そこに現れたのは、黄色のスーツにオールバック、ちょび髭、そして黄色のマントというアキさん扮する巷で噂の正義のヒーロー「キャプテン・イエロー」!!見事な刀さばきで、ヤクザたちを一網打尽にしていきます。
  ヤクザを蹴散らしたあと、「困ったときはいつでも私を呼んでくれ!」と言って去っていくキャプテン・イエロー。しかしホッとしたのもつかの間、一度は退散したヤクザたちが「テメェよくもあんな用心棒雇いやがったな!!!」と怒って戻ってきて、ゆたか大将を囲んでしまいます!!

  「ちがうんです…ちがうんです……ううっ……たすけてーー!!キャプテン・イエローーーー!!」


  ゆたか大将が助けを求め大声をあげると、どこからかキャプテン・イエローの声が……


  「キャプテン・イエローは、残念ながら今は重要任務のため、助けに行けない!!その重要任務とは!!TSUTAYAに借りていたDVDを返しに行くことだ!!キャプテン・イエローにとって一番恐ろしいことは、延滞料金だ!!」


  そこそこ高めな設定のレンタル延滞料金を優先されたが故、助けてもらえず、フルボッコにされてしまうゆたか大将。こうして話し合いは平行線のまま、お祭りの日が近づいて来るのですが……


  レポは後編に続きます!!!あとすこし!!がんばる!!


 









 

エンタメ新喜劇第五弾レポ 前編

  エンタメ新喜劇第五弾が、この度開催され、初日の15日公演へ行って参りました!

  オープニングではチアリーダーのお姉さんたちがポンポン片手に見事なダンスを披露。このチアリーダーのキャプテンが、アキさん演じる「ちあき」ちゃん! チア+アキ=ちあきだそうですなるほど。

  ちあきちゃんはみんなが楽しく手拍子しているなか、客席にどうもイマイチ乗りきれていないおじさまを発見。舞台上へ引っ張りあげると、向かいのドンキで売っているような、赤いモールや「あんたが主役」と書かれたたすき、さらには吹くと紙が飛び出すカチューシャなどのパーティーグッズを身に付けさせ、気持ちを高まらせます。ちなみにこのおじさま、閉幕後ロビーで見かけたときもそのまんまの格好で次回公演チケット販売列に並んでいたので、まんざらでもなかったらしいです(笑)

  このちあきちゃんはこのあとも何度か出てきますので、それはまた後ほど……

  舞台はとある片田舎の広場。ここにはゆたか大将が亡き父から受け継いだラーメン屋台、あき恵ママが経営する喫茶店「FLOWER」、そして、お願い事をすれば必ず神様が叶えてくれるという「奇跡の祠」なるものがありました。

  ラーメン屋台に来た、「千と千尋」に出てくる蛙そっくりな瀧見さんと、日舞をたしなむ美人でありながら、奇妙なポーズのダンスも躊躇なく踊ってしまう癖を持つ真希ちゃんというカップルの接客をゆたか大将がしていると、あき恵ママから「そういえば今度、ここに新しい屋台が出来るらしいわね」との情報が。

  そこにやってくる一人の女性と、荷台を運ぶ台車!!アキコさんです!!台車には高々と積み上げられたいくつかの段ボール!それを運びながらみんなを追いかけまわすアキコさん!たちまち広場は大騒ぎに!!
  途中客席に向かって段ボールが傾き、崩れ落ちてくるか!?とハラハラしましたが、ちゃんと落ちないように固定がされていました(笑)

  このアキコさんこそ、新たにこの広場で屋台を経営しようとしていた人物でした。そして、その商売内容とは……

  「えーーでんちーーでんちーーーたんさんでんち、いかがですか~」

  リヤカーに大量に積まれた単3電池を売る「単3電池専門店」なるものを開業したアキコさん。そんなピンポイント過ぎる商品売れるわけねーだろ、とゆたか大将は指摘しますが、これが意外や意外、どんどん売れて繁盛していくのです!確かに単3って何気にいちばんよく使われる電池だもんね。
  311の直後、各地で停電しまくりで、これまであまり使われなかったラジオや懐中電灯を起動させるために、あちこちのお店から電池が売り切れた光景を目にしている者としては、こういう風な商売があったらすごく助かったかもなぁとぼんやり思ったりしました。電池大事よ。

  そこへやって来る、どこかの大御所師匠芸人にそっくりな「お金を受けとる皿専門店」なる商売をしている吉本の貴公子・忠志さん。こちらもなかなか売れ行きが好調のよう。ちなみにあのお皿は正式名称は「コイントレー」といいます。

  祠の神様の言い伝えもあるためか、色々な人が集まってくるこの広場。
もうすぐこの祠の神様に感謝する毎年恒例の春のお祭りも控えているのですが、マンション建設計画が持ち上がっており、間もなく取り壊しが行われるということで、建設を請け負っている建設会社の社員たち(由美姉さんと高井さん)と、それに反対するあき恵ママをはじめとする八百屋さんや酒屋さん(モータルコンバットのお二人)たち地元住民とのバトルが毎日のように繰り広げられていました。
 
  あき恵ママたちの、広場と祠に対する愛情とそれを守るための熱意に感銘を受けたアキコさんは、「市役所に掛け合ってみるわ!!」と走り出しました。

  あき恵ママにはもうひとつ悩みがありました。それは、娘の直子ちゃんがホストに入れ揚げていること。この日もまた大金を持ってホストクラブへ行こうとする直子ちゃんと、それを引き留めようとするあき恵ママのケンカが始まります。
  と、そこへかかってくる一本の電話。なんと直子ちゃんお気に入りのホストが仲間たちと供にすぐ近くまでやってきているというのです!

  直子ちゃんのお気に入りホストは、光輝く頭皮が自慢のライム(もりすけさん)、そしてまさとさん・大島さん・伊賀さんが演じるホストクラブの仲間たち。それぞれにかっこいい源氏名がついているのですが特に伊賀さんはその特徴を生かして「東海道のぞみ」という名前で、しかも青いスーツでした(笑)余談ですがこの日の新幹線は静岡辺りの停電発生で大幅な遅延があり駅は大混雑だったんですよ……
  さらに彼らのリーダー的存在で、人気ナンバーワンのホスト、アキさんの演じる「龍ヶ崎翔」も登場!細身に白スーツをその見事な華麗さに会場からは女性の黄色い歓声の嵐!2016年のお正月SPで出演したとき、一気に多くの女性ファンを獲得した幻のイケメンキャラがこの度大復活しました!!

  そんな翔さま、近くにいたゆたか大将に、ナンバーワンホストになり得る逸材の可能性を見出だし、試しになにかかっこいい一言を言ってみてくれ!とむちゃブリを仕掛けてきます。周りのホストからも煽られ、ゆたか大将がどうにか考えたフレーズは……

  「世界中の女が、俺の恋人さ」

  客席からはザワザワとした笑い声とそれを冷やかすホストたち。「これでも一生懸命考えたんだぞ!!」とぶちギレるゆたか大将。かっこいいフレーズって難しいね!

  そしてライムは真っ赤な薔薇の花束を直子ちゃんへ手渡し、彼女のお誕生日をお祝いします。ライムがお金を貯めて独立したら結婚の約束をしているため、直子ちゃんはそのためにライムに入れ揚げているのです。
しかしそこへ奈臣実ちゃんもやって来て、やはり同じようにライムに「俺が独立したら結婚していっしょに店をやろう」と持ちかけられていました。つまりライムは二股をかけていたのです。これに怒り狂った直子ちゃんはライムをビンタし、二度とホストクラブには行かないと喚いて自宅である喫茶店へと帰っていきました。
  「確かに女性に夢を見せるのが俺達の仕事だ。でも、嘘をついて利用してはダメだな」と翔さまはライムを嗜め、また一から勉強だ、とホスト集団は店へと去っていきました。

  一段落したな~とゆたか大将が再び屋台のお仕事を始めると、すっかりエンタメ名物になった、ピチピチTシャツとスパッツ、そしてオカマ風の濃いメイクが特徴のアキさん演じる「スパッツおっさん」がやって来ます。相変わらずリモコンを全体的に無くして貸してほしいと訪ねてきます。
  このおっさんのスパッツ、本人曰く「裏切らない」ほどかなり伸びが良くて、屋台に置いてあるコショウやらお盆やらコップやらを次々にスパッツに入れていきます。この様子をSNSの写真や動画を載せたらとんでもないことになりそうだな (゚ヽ゚)
  このスパッツの良さを伝えるべくおっさんは「スパッツ専門学校」なる場所で講師をしており、さらに生徒を召集し、「スパッツ体操」なるものを披露!!パワーアップしてます。

  さらに今回、幕間に映像が流れるのですが、タイトルはずばり「スパッツおっさんのリモコン探しの旅」!!
  千日前や日本橋界隈を中心に、リモコン探しのロケを敢行!!おしゃれなレストランやホテルのフロント、果ては卒業式帰りの女子大生集団にまでとにかく「リモコン貸してくれへん?」と尋ねまくります。途中立ち寄った外人さんが営むケバブ屋さんは、私も日本橋アニメイトへ行くときよく見かけていたのでびっくりしました。
  さらにスパッツおっさん、八百屋さんでお買い物をしたのですが、エコにも気を使っているため、袋は断り、買った野菜はすべてあの裏切らない伸びのスパッツへ投入。さすがにミニトマトは潰れたり足先へこぼれていかないか心配でした。


  レポはこのあとも続きます!筆が遅くてすみません~!!



  

 

 

 


 


 

 


 

きっかけ


  「茨城在住で元々はジャニヲタの新喜劇ファン」と自己紹介するとかなり驚かれます。一体何があったんだと。そういえばそもそもの「きっかけ」をしっかり書いたことがなかったな、と思い、今回はそのお話です。

  新喜劇ファンになった2014年、今思うととても運命的な出来事がありました。2012年にスマホデビューと共に始めたTwitterで、ジャニヲタ繋がりで仲良くなったフォロワーさんが何人か出来て、この頃になると「実際に会ってお話がしてみたい」と思うようになり、2月下旬に、私は大阪へ行くことになったのです。そこで、大阪在住の女の子2人と会うことに。

  しかし当日、ちょっとしたハプニングが。
  二人のうち一人(仮にAちゃんとします)が体調不良で欠席せざるを得なくなり、さらにもう一人は午前中予定があり、午後にならないと会えないとのこと。この時朝10時だったため、私はろくに知らない大阪の街でひとりでしばらく時間を潰さなくてはならないことに。

  落ち込みながらも、実は行ってみたいと密かに思っていた場所があり、そこへ思いきって行ってみることに。それが、なんばグランド花月でした。行ってみたかった理由なんて特にこれといってなく、なんとなく「大阪といえばお笑いで、吉本の有名な劇場だし、行っておこうかな。生きている間に一回ぐらい新喜劇見れたらいいな」ぐらいの気持ちでした。

  そこに、運命を変える人物がいたのです。正確に言えば、その人物の「影武者」のようなものに。

  NGKでは芸人さんを模した着ぐるみが何体かいて、交替でお客さんを呼び込みます。そのときにいた着ぐるみは2体。1体はさすがの私でも知っていた大御所・西川きよし師匠の着ぐるみ。そしてもう1体が……

 

「誰だよ、このジジィ」


 
それが茂造を生まれて初めて見た私の当時の正直な感想でした。
青いジャージにちゃんちゃんこ、サイドがやけにモコモコで中央は禿げている……見るからに「こいつなんかやらかすんだろうな」みたいなじいさんの着ぐるみがいました。

  せっかく来たんだし写真でも、と口上師さんに撮影をお願いすると、当然のようにきよし師匠着ぐるみと「やらかしそうなジジィ」の着ぐるみが両サイドに入ってきました。この写真を見るたびに、このときから私は運命が変わっていったんだな、と思い返すのです。


  NGKの館内に入って驚いたのは、この「やらかしそうなジジィ」がやたらフィーチャーされていたこと。あちこちにパネルやらイラストやらグッズやらが並んでいたのです。当時「新喜劇といえば小籔さん」くらいにしか知らなかった私には衝撃的な光景でした。

  その後、合流した友人や心配してLINEをくれたAちゃんに「このジジィは何者なんだい?」と聞き、そのキャラクターが「茂造」という新喜劇でも1・2を争う人気であるということ、そして演じているのが「辻本茂雄」さんという、小籔さんと同じ新喜劇座長のポジションにいる方なのだと知りました(このときまで新喜劇の座長は小籔さんひとりだと本気で思い込んでいました)。関東人の私と関西文化である新喜劇の、もしかしたら人生で一度も交わらないこともありえる点と点が、一センチくらい近づいた日でもありました。

  それから一ヶ月ほど経ったある日、さらにこの点と点が急接近する出来事が起こります。Aちゃんから「関東でしかやらないジャニーズの番組が見たいからダビングをして送ってほしい」とお願いされました。了承すると、Aちゃんからこんな返事が。

 
  「お礼に、関西でやってる番組をダビングして送るよ。なにがいいかな?」


  そのとき私の頭に浮かんでいたのは、大阪で見かけたあの「なにかやらかしそうな、やたらフィーチャーされてるジジィ」のこと。あれだけ人気なら、さぞ、おもしろいんだろうか? それなら、見てみようかな。私はこう返信しました。

 
「新喜劇が見たい!あの茂造ってやつが出てるのがいいな」


  そして送られてきた「茂造の思い出旅館アイラブベイビー」が、一気に点と点の距離を縮めていきました。そのへんのくだりは以前も書いたので参照していただければ→http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2015/04/24/002503

  一気に茂造、そして辻本茂雄のファンになった私は、その年の11月には生観劇デビューを果たし(http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2015/06/11/143641)、翌年4月にはついにご本人と直接対面という(http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2015/05/07/185234)ところにまで辿り着きました。そのへんのエピソードはリンク先をご覧ください。このあたりの行動力はやはしジャニヲタ時代で鍛えられたんだと思います。

  こうしてわずか一年足らずで私にとっての「なにかやらかしそうなジジィ」は「大好きな“茂しゃん”」になりました。

「きっかけは理屈ではなく胸の衝動から」という歌詞の歌がありますが、まさにその通りでした。あの日の「なんとなく」を信じて良かった!











  
 

 

佐藤太一郎企画その18「闘う男」レポ②

  第1作のレポはこちら→http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2017/03/05/104435


10分間の休憩の後に始まったのは、「I’m Only Sleeping~赤垣源蔵本人による解説付き~」というお話。タイトルにある「赤垣源蔵」という方の名前は歴史好きな方ならピンと来るでしょう。そう、あの「忠臣蔵」の四十七士のおひとりです。
 
  しかし私自身は高校時代に日本史に関してはほぼ毎回のテストで赤点→追試というバカの王道を突っ走っていた歴史音痴のため、正直忠臣蔵に関してもほとんど知らないという無知にも程がある状態。「こういうお話やるよー」という太一郎さんのツイートを見て慌ててWikipediaやらYouTubeやらで基本情報を叩き込んで挑んだ次第でした。


  幕が開くと赤い布が敷かれた台座と、その後ろに金屏風。さらに太鼓の出囃子という、なんだか落語でも始まるのかい?という雰囲気。そこに現れたのは黒の羽織とグレーの袴というこれぞ和!というような格好の太一郎さん演じる赤垣源蔵。

  タイトルにもあるように、今はすでに故人で幽霊である赤垣本人が、討ち入り前後の出来事を語ります。赤い台座から降りているときは現在の、台座にいるときは当時を生きている赤垣という演出。

  歴史的なあの討ち入りは一年以上の水面下での準備を進めてゲリラ攻撃を仕掛けた為、当然当日まで赤垣をはじめ赤穂浪士たちは身内にすら討ち入りの計画は話していませんでした。そのため世間からは「忠誠を誓った藩主様があんなことになったのにフラフラしている頼りない奴等」と冷ややかに見られていた部分もあったようです。赤垣にとって、義理の姉がその対象でした。
  赤垣には昔から可愛がってくれている兄がいて、度々実家に顔を出して会いに行こうと試みていましたが、いつも不自然にすれ違ってばかり。というのも兄の妻である義理の姉が「大人になってもなお兄に甘えてくる弟は如何なものか」と、赤垣が兄に会わないよう家の者にきつく命令していたためでした。
 
  討ち入りのエックスデーが近づくにつれ、不安で眠れない日々が続き、澄んだ瞳の兄に一目会いたいと思う気持ちが高まっていく赤垣。討ち入りを目前に、どうにか会える機会を作ってもらおうとしますが、願いは叶わず。それならせめて兄の羽織を貸してほしいと仲の良い使用人に頼み、部屋に二人きりにしてもらいます。
  衣紋掛けに羽織を掛け、それを兄と見立て、持参した酒を注ぎ、赤垣は語りかけます。


  「なぁ兄さん、俺は、ちゃんと、誇れることをしているのかな?もっと噛み砕いて言えば……正しいことを、してるのかな?兄さんの眼を見れば、話してみれば、なにかがわかるかなって、思ったんだが……」

 
  討ち入りは、藩主への忠義の名の元に行われるとはいえ、結局やっていることは住居侵入と殺人という犯罪。その場で相手に斬られ絶命する可能性はもちろん、成功したとしても犯罪者として裁かれ、死罪になる運命にありました。四十七士のなかには、赤垣のように、葛藤を抱えながらその日まで訓練と準備をしてきた者も、きっといたのでしょう。

なにかこれといって明確な「答え」をもらえなかったとしても、兄の澄んだ眼差しを見れば、そのまっすぐな声を聞けば、心が晴れると一縷の望みを抱いていたのでした。
 
  徳利の中の酒を飲み干し、「それじゃあな」と羽織の奥に自分にだけ見える兄に別れを告げ、それが最後の「兄弟の会話」となりました。これは本家「忠臣蔵」でも「徳利の別れ」という有名なエピソードのひとつなんだとか。

   そしてついに訪れる運命の12月14日。赤垣たち四十七士は懸命に闘い抜き、ついに最大の敵である吉良上野介の殺害に成功。さらに赤垣に至っては吉良邸を引き上げる直前に消火活動までする律儀ぶりも発揮し、仲間たちと共に一列に整列して吉良邸を出て、忠義を誓った藩主・浅野氏の眠る寺へ仇討ちの報告へ。


   その後の四十七士を待っていたのは、やはり当然のように、切腹による死刑。あれだけ眠れない夜をすごしていたのに、これからはずーーっと眠り続けるんだな、と笑う赤垣。

  
「物語のなかでは、四十七士は潔く、そして美しく、忠義の名の元に、死んでいく。

でも、もう今なら……本当のことを言って、いいよね。

俺は、生きたい。生きたい。生きたい………生きたいっ……!!」
 
 

  笑顔が段々と消え、最後は涙を堪えるように絞り出す声。英雄と讃えられるより、家に名誉を残すより、叶えたい心からの願い。そしてそれはきっと、この世に生きる誰もが持つ本能。

  そしてやってくる運命の瞬間。紙吹雪が舞う中、赤垣は台座中央できちんと正座をし、扇子を刀と見立て、ゆっくり自分の腹部へ近づけます。刺し込む手前でふっとやわらかく微笑むと、次の瞬間扇子の刀がぐいっと入り込み、目が大きく見開いたところで暗転し、2作目は終了。

後から調べたところ、このラストシーンのときに流れていた曲が、このお話のタイトルにもなっている「I’m Only Sleeping」というビートルズの楽曲だったようです。直訳すると「私は寝ているだけ」という意味ですが、このお話においては「俺は今は長い長い“眠り”についているだけなんだ。死んでいない。生きているんだ」という赤垣の意地の表れなのかな、と考えたりもしました。

 
  二つのお話は、天使と幽霊というという「人間ではないもの」の存在から、人間が持つ本質、そして本能である「生きること」とは、恐れや見得といった自身の弱さ、残酷な現実や運命にも立ち向かって闘っていくこと、どんなにあがいてもがいて何度傷ついて倒れても逃げないで前へ進むことなのかな、と思いました。だからこそ、命は、人生は、美しく素晴らしいものなのではないか、と。
 
  終演後、アンケートを書いて帰ろうとすると出入り口で太一郎さんが出てきてくれました。先程熱演を終えたばかりなのに、このあとも夜公演が待っているのに、疲れも見せず、笑顔で観客一人一人と握手や言葉を交わしていました。私もその列に並び、写真撮影をお願いしました。「スタッフさんへ紅茶の差し入れをお願いしたのでぜひ召し上がってほしい」と緊張でしどろもどろになりながら話して、そんな私の言葉も「わー!ありがとー!喉乾いてるからうれしいわぁ♪」と笑顔で応えてくださって、まだ熱の冷めやらぬあたたかい両手で包んで握手してくださり、「今日はほんとにありがとう!」と本当に丁寧に接してくださる神対応ぶりでした。

  太一郎さんの企画するお芝居には「情熱」という言葉がよく似合う必死さがあって、でもそれは押し付けがましい暑苦しさではなく、見たあとに灯火のようなほっとして、そしてまた頑張ろうと思えるあたたかさをくれるものなのだなと思います。今回は完全なるソロ公演ということで、不安もあったかもしれませんが、そんな彼の情熱を知るたくさんの方たちが駆け付けて、感動を分かち合った素敵な公演でした。
  

 
  

佐藤太一郎企画その18「闘う男」レポ①

  久々の佐藤太一郎企画。今回はなんと完全なる太一郎さんのみ出演のソロ舞台!ふたつのお話を10分の休憩を挟んで行います。

  場所は梅田の、赤い観覧車で有名なHEPビル内にあるシアター。入口にはこれまでの佐藤太一郎企画のポスターや舞台の様子を写した写真が飾られており、ちょっとしたギャラリーになっていました。また、太一郎さんとレディーシュガー佐藤のパネルもありました。

  ステージには灰皿と、昔懐かしの黒電話、そして飲みかけのアイスコーヒーがふたつ置かれたガラスのテーブルとソファーが設置されていました。照明が暗くなり、OPで過去の作品の映像が流れ、再び舞台が明るくなると、第1作がスタート!!


【第1作  「捨てる紙あれば。」】
 
  そこには新喜劇でよく見かける赤い原色スーツに身を包み、ソファーに腰掛け、あの大きな瞳でギョロっとこちらを睨み付ける太一郎さんが!! どうやらここは喫茶店で、我々客席側のほうには「見えない誰か」がいるようで……

  「お前わかってんのか?とんでもないことしてもうたんやぞ!?……エッ!?『落ちますよ』って……!!なんでわかんねん……目ン玉が?元々こういう目なんや!!」

  ただでさえ大きな目をさらに剥き出しにしてギョロッと睨み付ける赤スーツ太一郎。かなりお怒りの様子。そこに鳴り響く黒電話のベル。渋々受話器を取ると、先程とはうって変わってものすごく腰が低くなって謝り倒してる赤スーツ太一郎。どうやら重要なクライアントも関わっているようです。私もお客さんや工場相手によくこういう電話するなぁ……つらいよなー……なんて思ったりして眺めてました。
  通話を終え、ぐったりとまたソファーに座り込む赤スーツ太一郎。

  「……天使も大変ですねって?そりゃどーも……ならわかるよな?なんで、なんで宝くじ捨てたん!?お前の買ったあれ、一等当選してんねんぞ!?」

  なんとこのチンピラみたいな赤スーツ太一郎の正体は「天使」。そして先程の電話の相手のクライアントは彼の上司にしてこの世界の全人類の全運命を決定する「神様」なのです。そして目の前にいる「見えないけれどそこに確かにいる“誰か”」は、その神様の決めた運命により宝くじの一等当選という最高の幸運を与えられたにも関わらず、その当選券を換金前に捨ててしまい、幸運を放棄してしまった。神様の決めた運命の軌道修正のため、天使は“誰か”の説得を命じられたのでした。

  この“誰か”こと「宝くじに当選した男」は世間一般でいうかなり「いい人」らしく、これまでの実績が天使の手元にあるデータファイルに記載されています。「お年寄りに席を譲る」や「卒業して数年経った今でも母校のOBとしてイベントに積極的に参加」や「初詣には私利私欲の願いではなく昨年の感謝と今年の抱負のみを神様に伝え、『始終ご縁がありますように』と祈りを込めて45円を賽銭箱に投入」、さらに「飲み会で自分のオーダーがきちんと通っているか店員さんに確認するときの、プレッシャーを与えない声のトーンは日本一」なんだとか。ただ天使曰く「卒業して何年も経っている先輩に来られても後輩だって気まずいし、あと45円=始終ご縁はあんまし効き目がない。知り合いの狛犬が言ってた」とのこと。 (゚ヽ゚)ナンダソレ

  とにかく、これまで清く正しく生きてきたお前に神様が与えてくださった当然の権利なんだからもらっておけ!と天使は説得しますが男の気持ちは変わらず。それならばこの宝くじ一等当選がどれだけ貴重な出来事なのか知らしめてやろうと、天使は様々な例えを出すのですが……

  交通事故に遭う確率と四葉のクローバーを見つける確率は同じ。それより高い→ピンとこないからわかんない
  もし宝くじを東京ドーム2個半分の面積に並べたとして、一等当選のくじはたった1枚→男は広島出身なので東京ドームに行ったことなくて広さがわかんない
  じゃあもし宝くじがトイレットペーパーだとして→なんでそんなことすんの?
  「うああああたとえさせろよぉぉぉぉ!!!!」と怒り狂う天使。 この天使には男の説得に失敗した場合、地獄に落とされるというペナルティが待っているため、必死なのです。

  そんな天使を見かねて、なぜこれほどまで頑なに当選賞金を受けとりたくないのかをポツリポツリと話す男。理由は主にふたつ。ひとつは、結婚を控えている彼女が、宝くじ当選を告げた途端、やたらと高価な服や靴や果ては月の土地(!)まで欲しがるほど物欲にまみれてしまっていること。そしてもうひとつが、

  「漫画家になってたくさんの人を感動させる漫画を描きたい。どうせ幸せになるなら宝くじでお金持ちになるよりその夢を叶えてなりたい」 ということ。

   「そんな夢は一握りの、それこそ宝くじ一等当選よりも低い確率の幸運で才能に恵まれた人間だけが叶えられるんだ」と呆れる天使。しかし、そんな男を見てなにか感じるものがあったのか、天使は自分自身のことを語り始めます。

  天使も元々は地上で人間として生きていて、かつては役者を目指していましたが、すぐに挫折し、やがてチンピラめいたことをしているうちに、喧嘩に巻き込まれて死んでしまいました。そして空の上で天国行きか地獄行きかの審判を待つ長い長い死者の列にいたところ、「天使専門学校」なる場所のパンフレットを渡され、軽い気持ちで2年間通い、こうして上司である神様にこき使われているというのです。
 
天使のお仕事のメインは、担当された人間の「運命」を、神様が世界を動かすバランスを考慮して決定した幸福や不幸の出来事が、それらが記されたデータファイル通りに動いているかの監視。9割方は見事に書かれた通りの出来事が起こっていくのに、ごく稀に、今回の男のように、運命に背いた行動をする者がいる。あくまでも自分自身で運命を決定したい者がいる。そういう奴は天使曰く「厄介ではある。でも正直なところどういう方向に転んでも見ていておもろい」んだそうで。

  「この世界には確かに運命に背いてでも夢をつかんだ奴もいる。そいつらの夢はそれぞれ違っても、唯一の共通点は『何度失敗してもあがいてもがいて努力しまくった』こと。とにかく闘ったんや、自分自身の葛藤に。他のやつらと『覚悟』が違うんや。
………俺は、ちょっと役者うまくいかんかったら簡単に諦めてもうたからな。他人と散々喧嘩しまくっても、自分自身と喧嘩する度胸はなかった……」


  天使が懐から、ベルを取り出します。このベルは天界のアイテムで、鳴らすと一度だけ「奇跡」が起きるとのこと。もし男がここで心変わりして宝くじの当選券を取り戻したいなら、一度だけチャンスがあるのですが……

「ほんまにお前に、この幸運はいらんのやな?何がなんでも夢をつかむために、闘う覚悟はあるんやな?」

  まっすぐ前を見据えて、男に問いかける天使。そして……

  「……よし、わかったわ。そんならこれで用は済んだ。帰ってええよ。……だいじょうぶ、まかしとき」

  男を見送り、ふと手元のデータファイルをまたパラパラとめくりだす天使。そこの最終ページでふと手が止まる。そこには衝撃的な運命の予告が。


   「男は宝くじ当選後、妻の散財により多額の借金を背負う。金の切れ目が縁の切れ目で妻とは貧乏が原因で離婚。その後はひとり寂しい余生を送る」

  最高の幸運であるはずの宝くじ当選を得たあとも、その幸せが継続されることはなく、結局それによる不幸がやってくる。これが世界を動かすための、幸せと不幸のバランス配偶。神が定めた運命。  結局男が幸せになれる確証的な選択などはじめからなかったのです。
  この残酷な真実の意味を噛み締めた天使は真上に向かって大声で叫びます。


   「神様……おいおっさん!!聞こえてんねやろ!?これがお前の決めた結末か!運命か!バランスか!!……このベル、一回だけ鳴らしてええねんな?そしたら、一回だけ奇跡が起こんねんな!?そんなら、その奇跡でこっから覚悟持って闘う男の生き様、見ておけや!!」


  ベルを高々と掲げ、神様に見えるようにチリリーン!と鳴らす天使。

   「闘う男に!幸せが訪れますように!!」


  祈りの言葉を口にし、どっかりとソファーに座る天使。次の瞬間、


   「……あ!いやあの、オーダーじゃないんです!ハハッ、ごめんなさいねぇ~……え?俺がこの店がオープンして一万人目の客?へぇ~……え?記念に全部タダ?ほんま!?ありがとう!!」

  笑顔で再び着席する天使。一瞬考え込んで


  「……いや『闘う男』て俺のことちゃうねん!! (゚皿゚)」

  神に喧嘩を売ったこの男は果たしてどんな運命が待ち受けているのか……というところで1作目は終了。


  第2作のことは改めてレポートします!









 



 

 

 



 



 
  

 

 
 

  

悲しみの忘れ方~joy!joy!エンタメ新喜劇第四弾公演レポ 後編~

  前編はこちら→ http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2016/12/07/200258

  景子ちゃんにナイフを突き付け、人質に取る森にぃ・もりすけさん・太一郎さんの銀行強盗三人組。彼らに対し、アキコさんにはある疑問が沸いていました。

  「あなたたち三人とも、悪い人には見えない。きっとほんとはものすごく優しい心を持っているんだと思うの。なんでこんなことしちゃったの?過去に何があったの?」

  臆することなく三人に語りかけていくアキコさん。やがて一人ずつ、心を開き、過去を話していきます。

  このときの演出がなかなか面白く、雷のような激しい光に包まれながら、舞台には薄いスクリーンが降りてきます。そしてそこにそれぞれメインとなる強盗のなんともいえない表情の顔がアップになり、スクリーンが上がると場面転換され、それぞれのトラウマとなった過去が明かされます。

  一人目は、もりすけさん。元は世界大会を目指すダンサーでした。
あるとき、ボランティアで大島さんとアキコさん……によく似た女性ヘルパーさんが運営する老人ホームを尋ね、そこにいるおじいちゃんたちとその孫たちにダンスを教えることになったのです。
 
最初こそ背中は曲がってるわ前に進めないわおんなじことを何回も聞き返すわを繰り返していたおじいちゃん集団ですが、音楽が鳴った途端、キレッキレのアクロバティックなダンスを披露!!さらに孫たちも負けじとレベルの高いストリートダンスを躍り、とどめが車イスのおじいちゃんが美しいバレエを披露という光景を目の当たりにし、すっかり自信を無くし、性格も歪んでしまったのでした。


  二人目は森にぃ。彼は高校生の頃、初めてお付き合いした女の子(葛原亜衣ちゃん)とのデートで、記念すべきファーストキスをしようとモジモジしている純朴な青年でした。

そこへやってきた暴走族4人組(もじゃさん・藍ちゃん・伊賀さん・平山さん)に絡まれ、危機一髪というそのときに現れたのが、この近所に住むチャキチャキな江戸っ子の割烹着姿のアキさん、その名も「ふとん叩きのハツエ」!! 愛用するふとん叩きの中に警棒を仕込んでいたハツエは、見事な立ち回りで暴走族連中に立ち向かいます。
 
このとき暴走族連中の体には異変が。もじゃさんにハツエが警棒を向けると、そのアフロヘアーからはかわいい小鳥が。伊賀さんの体に警棒が当たると、「♪タンタンタンタタン」や「プシュー!」という新幹線でよく聞く音が。そして藍ちゃんのお腹が警棒を弾き飛ばせば「私、人間ですねん」というお馴染みのギャグフレーズが流れるという個性を活かした演出。
 
見事に暴走族連中を成敗したハツエですが、同時に体がよろめき、森にぃが咄嗟に「だいじょうぶですか!?」と支えたその瞬間、なんと興奮状態のハツエが森にぃにキス!!これ、なんと本当に唇と唇をくっつけていました (゚ε゚*)ワォ!
  大事なファーストキスをよく知らないオバハンに奪われたショックで逃げ出す森にぃ。追いかける亜衣ちゃん。これがトラウマとなって歪んでしまったのでした。
 
そして残された暴走族連中は「そういや平山の体は触ると何が起きるんだ?」と試してみると、なんとラジオの電波を受信することが判明!!たまに雑音で入ってくることでお馴染みの某隣国の音声やら懐かしい某コーヒーミルクメーカーの時報が聞こえてきました。

 
  三人目はリーダー格の太一郎さん。彼は幼少期、まさにこの公園でサッカーをしていたときのこと。

今と同じように、ラーメン屋台があり、そこの大将の信濃さんがせっせと働いていると「バンッ!!バンッ!!」という壁を叩く音がどこからか聞こえてきます。なんとそれはSPゲストの間寛平さん演じるおじいさん!!杖でとにかく壁をめちゃめちゃに叩きながらやって来ました。

  かつて明治座で見たこの寛平じぃさんが茂造ですら敵わないほどの自由奔放じぃさんなのは承知でしたが、今回もとんでもないめちゃくちゃぶり。
信濃「ご注文は?」
寛平「チャーシュー麺をひとつ」
信濃「あ~ごめんなさい!チャーシューがついさっき無くなっちゃって」
寛平「なんでや?」
信濃「さっき団体のお客さんが一斉にチャーシュー麺頼んじゃって…」
寛平「そうかぁ~」
信濃「他のなら出来るんですけどね。何にしますか?」
寛平「チャーシュー麺」
信濃「いや、あの、だからね!」

というやり取りを3回ぐらい繰り返したとき、信濃さんが腹痛でトイレに駆け込むことに。寛平じぃさんがぼーっと待っていると、そこへやって来たのは、ピチピチのTシャツとスパッツに身を包んだ、ちょっとオカマ風のアキさん。
 
「……リモコン、貸してほしいんやわ、全体的に」というなかなか変わったお願いをこの寛平じぃさんにしてしまったもんだからさぁ大変。奇才と奇才のぶつかり合いの始まりです。

二人は夜中にどこからか聞こえる猫の喧嘩のような唸り声をあげお互いを威嚇し、やがて屋台にあるお玉やらお箸やらをそれぞれ自分のスパッツや股引きにぶちこんでパンパンにしていきます。なにがしたいのそれ!!信濃さん早く帰ってきてーー!!  (゚皿゚)  と思いながら、しかし涙が出るほど笑っていました。
  そんな珍妙な現場に居合わせてしまった太一郎少年は、恐怖のあまり性格が歪んでしまったとのこと。

  回想が終わる直前、このピチピチスパッツのオカマ風アキさんが「プロフェッショナル」的な番組にインタビューされている映像が流れました。なんでもこのオカマ風アキさんにとってスパッツは「実家」なんだとか……

  それぞれのトラウマの回想を聞いたアキコさんたち。端から見れば些細だったりおかしかったりするような思い出も、彼らにとっては苦しくつらい、今でも心に巣食う記憶なのです。

  「それでも……こんなことしちゃダメよ!あなたたち絶対優しい子なのに!!人生はつらいことも悲しいこともたくさんあるけど、楽しいことを探してまたがんばっていくのよ!!こんなこと今すぐやめてやり直してまた楽しいこと探しなさいよ!!」


  この台詞のとき、私の胸にあったモヤモヤが一瞬にしてブワッと消えて無くなっていきました。つらいことや悲しいことを乗り越えられる「楽しいこと」を探す……楽しいことなら、私はもう見つけてる。ここにある!!だいじょうぶ!!と。アキさんにものすごく力強く肯定してもらえた気がしました。

  そこへちょうどタイミングよく出前から帰ってきた一の介マスターと茂造。景子ちゃんが人質に取られているのを見ると茂造がいつものあの肩掛けかばんから取り出したのは……「さっきワシがたっぷりチビったアテント」という恐ろしいアイテム!!そしてそれを強盗目掛けて蹴りあげる!!強盗たちがその汚物に恐れおののく間に景子ちゃんは脱出し、見事強盗たちは逮捕!!でも皆さんはチビったオムツを取っておくなんてことはなさらないように!!

  逮捕されても、どこかスッキリしたような表情の強盗たち。罪を償ったら、今度は楽しいことを探してまたがんばると約束しました。そんな彼らを応援するかのように、アキコさんのダンスタイムがスタート!!OPに出ていたダンサーの方々が再登場し、アキコさんとパワフルなダンスを披露。そしてエンタメ恒例の新喜劇座員によるダンスソロもありました。なかには茂造や一の介マスター、和子おばあちゃんなど、ダンスな苦手なメンバーもいましたが、そのぎこちなさもまたほほえましく感じました。

  そんなアキコさんに背中を押され、ゆたか大将もついに景子ちゃんに告白!結果は見事OK!!大喜びするゆたか大将を見て、和子おばあちゃんは言います。

  「ゆたか、本当によかったね!おばあちゃんもうれしいわ。でもね、“あの方”のおかげでもあるということを忘れたらだめよ……みんなでお礼を言いましょうね……神様……神様~!!」

ツィゴイネルワイゼン」が流れ、神様に孫の幸せを感謝するおばあちゃん。そして、神様におばあちゃんが伝えたいことは、もうひとつ。

  「ここにいるアキは、芝居も、躍りも、本当に素晴らしい!!すごいエンターテイナーです。きっと、これからの新喜劇を引っ張っていってくれる……座長になってくれるでしょう!!」

   これは「お墨付き」といい、新喜劇の重鎮である桑原レジェンドから「時期座長に相応しい人材である」と認められることであり、現在の5座長は全員通ってきた儀礼なのです。アキさんの座長就任の夢が現実味を一気に帯びた瞬間でありました。

  「アキ!!来年辺り、座長になってくれるか!?」と尋ねる桑原レジェンド。涙を流し、しかし笑顔で「はい!なります!!絶対、なりまーーす!!」と力強く宣言してくれたアキさん。「いやそこは“いーいーよぉー”やろー!」とツッコむ茂しゃんも、どこか嬉しそうにアキさんが自分の背中へまた一歩追い付いた瞬間を見守っていました。


  終演後は、すでに3月に決定している第五弾公演の先行チケット販売が開始され、それに並ぶことにしました。そこに、数日前までTwitterで相談に乗っていただいていたアキさんファンの知り合いの方を見かけて、ご挨拶。
  「あの、私、アキさんの“楽しいことは自分で見つけて探すの”って台詞聞いて……」と話していると、こらえきれずに涙がボロボロ出てきてしまい、本来笑いのための劇場なのに泣いてしまいました。アキさんが「あなたがしていることはずるいことでも逃げでもない。またがんばるために自分で探して見つけた“楽しいこと”なんだから、思いきり笑って楽しめばいいんだよ」と肯定してくれて、舞台から「悲しみの忘れ方」を教えてくれたように思いました。

  涙を拭い、チケットを買い、特典であるアキさんとの写真撮影へ。いつもは緊張して「お疲れ様でした」という挨拶ぐらいしかできないし、後もつかえてるからあまり話せないけど、絶対今日は一言でもお礼を言わなきゃ、とドキドキしながら列へ並びました。
  ダンスパフォーマンスのときの衣装のまま、一人一人と丁寧に握手と言葉を交わし、撮影に応じているアキさん。私の番になり、スタッフさんにスマホを渡し、写真を撮り、アキさんから手を差し伸べてくださり、握手を交わしました。そのときに、「後ろの方、ごめんなさい!少しだけ、待ってて!」と思いながら思いきって言いました。
  「あの、私、悩みがあったんですけど、元気になれました。ありがとうございます!」
  アキさんはそんな私のたどたどしい言葉も、「うん、うん、そうやったんや」と聞いてくださり、「でも、よかった。また来てね!」と微笑んでくださいました。
 
  同じ場所では森にぃも写真撮影に応じており、こちらは少し長めにお話が出来るようでした。実は一週間前に私はホンワカパッパー隊で森にぃに張り付いて彼のアップばかり撮っていたので、それをチラッと話したら「あぁ!あのときの!」と覚えていてくださいました。そして「これからもどんどん撮ってくださいよ~!」と了承していただけました。
ちなみに私のひとつ前のご婦人たちは森にぃの「てっぺんハゲ」を見せてもらい、拝んでいました(笑)

  ホテルに帰り、メイクを落としたりお風呂に入ったり、夜食を食べたり、TwitterやLINEをやりながら、私はある歌を繰り返し聞いて口ずさんでいました。それが、今回サブタイトルにもなっている乃木坂46の「悲しみの忘れ方」です。

  その歌のなかに、こんな歌詞があります。

  
  「悩んでたのは私だけじゃないんだ  そばにいつだって 誰かいる」

「思い通りに何も行かないけれど それでも誰もが前を向く」

「みんな同じだ 迷い悩み傷つく」


   これまで何度かエンタメレポでも書いていますが、一見華やかにかつ異例のスピードで座長候補にまで登り詰めたアキさんも、それまでの道は決してなだらかではありませんでした。でこぼこしていて、ぬかるみもあって、坂道のように険しく、日の光も射さず、前すら見えない道だった。そんなアキさんに、冷たい視線を送るような人や、耳を塞ぎたくなるような言葉で追い詰めた人も、きっといた。それでもいつしか茂しゃんをはじめ多くの人達と手を取り合い、前へ前へ進み、諦めないでここまで来てくれた。そんなアキさんに会えて、そんなアキさんだからこそ作れる舞台を見ることが出来て、本当に本当によかった。

   「悲しみの忘れ方」は元々は乃木坂46のドキュメンタリー映画のタイトル、そしてその映画の主題歌なので、秋元康さんは彼女たちのこれまでの道のりや表情を踏まえてこの歌詞を書いたことは重々承知しております。しかし、これまでと今回のエンタメ新喜劇を見て、私がアキさんに感じたこと、そして舞台を通じて教えてもらったことに一番しっくり来るのがこの曲だなと思い、乃木坂ファンの方の反応も気になりましたが、思いきってこれをサブタイトルとキーワードとして引用させていただきました。