nakumelo’s blog

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つじもとがたり

吉本新喜劇。関西のお昼の定番ですね。あれを幼い頃から見て関ジャニ∞も育ち、その影響もあって後に堤監督による映画としても発展するライブの定番コント「エイトレンジャー」は生まれたのです。

関東生まれ関東育ち、しかも県独自のTV局がない茨城県で20数年現在進行形で過ごしている私には、つい一年前までは「お昼の定番」どころか、「異国の文化」でした。

そんな私に新喜劇の魅力をたった一年足らずで見せつけ、虜にした、辻本茂雄座長。エイトですらしなかった関西への遠征をしてまでも、関西の友人たちに何度も頭を下げてダビングをお願いしてでも、彼をもっと見たい、知りたいと切望している自分が気づけばいました。

私が彼にこんなにドハマりした3つの魅力を、ここでは語ろうと思います。

[1 茂造]

やはりまずは辻本座長の代名詞的キャラ「茂造」に夢中になりました。関西の友人にダビングしてもらって初めて見た新喜劇も、茂造回でした。
これまで見たお笑いのなかでいちばん「ハチャメチャ」という言葉が似合うほど、とにかくパワフル。鞄を蹴り飛ばして壁を超え、気に入らない相手が階段を上れば杖を叩いてスロープに変えて引きずり下ろす。秘密の話をすれば壁がガタンと落ちてニヤリと笑っている。 緊迫した画面にはどこからか聞こえる音楽でキャストが一斉にそれに合わせて踊ったりスローテンポになったり……かと思ったら「もしもし?」と、それは茂造の着メロ‼そして全員ずっこける‼
何よりあのハゲ面とわたあめみたいな真っ白な髪、シワとシミだらけの色黒の肌。いつも同じ青いジャージという「こいつ絶対なんかしでかすな」みたいなルックス。注目せずにはいられないオーラがそこにはありました。

[2 ヤクザの兄貴分]

その一ヶ月ほどしたあと、新喜劇に歴史的な出来事が起きました。5人目のリーダー、すっちー座長が誕生したのです。新喜劇の座長という存在がめったに生まれない貴重な存在だということもこのとき学びました。
そのときの新喜劇はお祝いということで先輩の4座長も出演しました。当然、辻本座長も。
辻本座長が登場したのは物語後半。すち子が撃退したヤクザふたりが仕返しのために呼んできた兄貴分役。颯爽と舞台にやってきたその姿は、グレーのスーツに身を包み、坊主頭に睨み付けるような鋭い眼光。そして低い声。 茂造とはまったく違うクールかつ威圧感のあるキャラクター。

茂造のイメージが頭のなかにあった私は、この「ギャップ」にすっかりやられてしまうのです。
「えっ!?これ茂造と同じ人だよね!?こんな渋い感じの役もできちゃうの!?かっこよくない!?」て。
大人の凛々しさ、みたいなものを感じて、気づけば何度も何度もそのシーンを見返してました。


[3 美しい涙]
とどめを刺したのは、GWに祇園花月で上演された「茂造の決意」のレポート写真でした。
そこに写っていたのは、どこか遠くを見つめ、苦しげな表情の若き日の茂造。その瞳には、涙が浮かんでいました。その涙が、なんだか妙に透き通っていてきらっと光っているように見えたのです。
もうそれを見た瞬間から、ズキッと胸が痛んでしまいました。なんでこんなに悲しそうなの?どうして泣いてるの?ぎゅっと抱き締めて私もいっしょに泣きたい‼ストーリーもなにも知らないのに、一度見ただけでそこまで思わせる、それだけ美しく切ない涙だったのです。
新喜劇座長とは、芸人であり、リーダーであり、そして役者であるのだな、と実感しました。

そして素直に心から思えたのです。私は、もっとこの人を見てみたい!この人のことを知りたい‼ と。

こうして私は辻本担へとなっていったのでした。


……ところで私、普段は辻本座長をある呼び方で呼んでいます。 「茂しゃん」です。
これは、「クローバー」という映画で忠義演じる「柘植(つげ)」が、部下であり恋人でもある武井咲ちゃん演じる沙耶ちゃんから「つげしゃん」と呼ばれていたのがかわいらしくて、「つげ」と「しげ」で一文字違いということで真似して呼んでいるのです。この説明文書いてて、自覚はあったけど改めてなんて痛いことをしてるんだろうなワシってって思ってます。でも呼んじゃいます。

さて、そんな茂しゃんは今月28日から5月11日まで、祇園花月特別公演「茂造の美しき謎」を上演します。ダンスあり・女装あり・笑いあり・涙ありというもう聞いてるだけでドキドキしちゃうようなお芝居のようです。
4月生まれの自分への茂造からの誕生日プレゼントだと勝手に信じて、初日・最前列・センターという神席で、奇跡の目撃者になってまいります‼