nakumelo’s blog

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つじたく 7月8日公演

  宅間孝行さん、またの名をサタケミキオさん。  役者であり脚本家であり演出家でもあり劇団主催でもあるオールマイティーに芝居関連をこなしてしまうすごい方。
  ジャニヲタ的にいえばサタケミキオさん名義で「花より男子」シリーズや「歌姫」(こちらは原案と舞台版の主演も担当)の脚本をしておられました。特に「歌姫」は忠義の連ドラ初出演作で当時私も見てました。 どこか懐かしくごちゃっとした雰囲気のなか、誰もが自分以外の誰かのために涙し決断をするという切ない優しさも持ち合わせていて、今でも記憶に残っています。
  そんな東の鬼才宅間孝行が、我らが吉本新喜劇座長茂しゃん(これは私が勝手に呼んでるんだけどね)こと辻本茂雄とタッグを組み、コント的要素も演劇的要素も組み込んだショートストーリーを4本もやっちゃう‼しかも場所はオシャレ&お金持ちタウンな六本木‼ これは観に行くしかねぇべと思い、8日行って参りました。

  場所はあの真っ青な顔で太鼓を叩くブルーマン乃木坂46のアンダーライブでお馴染みの「zeepブルーシアター六本木」なのですが、駅から少し離れてる&路地にあるややこしい場所にあり、なかなかたどりつけないうえに、開演30分前まで時間が迫ってるだの天気が見事にどしゃ降りで暗いだのの雰囲気も手伝って私、六本木の街で半ベソかきましたよ。でもなんとかたどり着けました。あぁよかった。ちなみにこのすぐ近くについ先日結成が発表された「鳥居坂46」の元になる鳥居坂はあります。登るのがかなりきっっいガチの坂ですよ。

  宅間さん、主演のはずなのに、開演直前までステージのはしっこで座ってお客さんのパンフレットにサインしたりいっしょに写真撮ってたりしました。これはタクフェスではお馴染みの「触れ合い」というイベントで、出演者の方とお話したりサインしてもらったり握手したり写真撮影出来たりという神タイムなんだそうです。ジャニーズではまずありえないし、AKBでもこんなに一人に長い時間はかけられないでしょうね。ドルヲタ出身の身としてはカルチャーショックでした。そしてこの「触れ合い」に並ぶ人数の多さから、宅間さんの演劇界でのカリスマ性がうかがえました。


本公演は4つのショートストーリーで構成され、「つじたく」こと茂しゃん宅間さんは全ストーリーに出ます。そしてひとつお話が終わると着替えやメイク直しをしなければならないので、その間のつなぎはダンサーさんやハレルヤシスターズという宅間さん曰く「太ったデブ」というふくよかすぎる体型の(笑)女性二人組シンガーさんがショーを見せてくれます。これがまたセクシーかつパワフルで、レベルがものすごく高いんです! いいものを見せてもらえました。

肝心の4つの演目はこんな感じ⬇


①新幹線B席
   茂しゃんが書いたコント要素の強い作品。新喜劇の「茂造の情熱屋台で会いましょう」という作品の冒頭で行われたあのコントがほぼそのままの形で六本木に上陸。あのとき吉田裕さんが演じた「運悪くB席に座って公務員コンビのはちゃめちゃな掛け合いに巻き込まれて寝れない乗客」役を宅間さんが演じ、公務員コンビはオリジナル通り茂しゃんと横顔新幹線伊賀さんが演じます。
   少しアレンジされていたのは茂しゃんが今回かぶっていたのは茂造のあのふわもこ白髪ヘアのヅラではなく、バーコードハゲのヅラだったことと、「窓から見えるものしりとり」のくだりが「佐村河内」から「澤穂希」に変わっていたこと。「銀メダルかけてしょんぼりしてたけど私が心の中で“よくやったぞー‼”て言ったら笑ってくれたよ」と言い張ってました(笑)
あと伊賀さん、ゲップが上手く出来ず「ぁい」ていう中途半端な声しか出なくて、茂しゃんに「お前がんばれよー‼」てやり直しさせれてたけどダメでしたwww


②初恋レストラン
  とあるレストランに、アイドルあがりの落ち目の女優「風間凛」こと神保サチ(佐藤めぐみさん)がひとりでいる。そこへトイレを借りに店に飛び込んできたトラック運転手の山野タツオ(宅間さん)が現れる。実は二人は地元長崎の幼馴染みで、かつてはお互いに想いを寄せあっていた関係でもあった。  ウェイター(茂しゃん)曰く、「ここは“会いたい”と願った人と出会える不思議なレストラン」とのことで……

  お互い惹かれあっていたのに、思春期特有の小さなこだわり(嫁に入れば「山の幸」、婿入りすれば「チ〇ポタツオ」になってしまうという……)やサチを取り巻く大人の陰謀で離れてしまった事実。でもお互い今でも想い続けている。そしてサチは女優としての限界を感じていて……でもほんとうに、このまま自分と結婚すれば、彼女は幸せになれる?そんなタツオの葛藤が切なかったです。
  どんなに辛くてもほんの数人でも、なんならたった一人でも自分を見守っていてくれる人がいるはずだから、それを信じてがんばる。わかりやすく結婚とかの形式にこだわらなくても、そういう恋もありなのかな?と思いました。

③誘拐犯の憂鬱
  とある廃倉庫に、京香(佐藤さん)が巌先輩(茂しゃん)と友男(宅間さん)の二人組に拉致され気絶、監禁される。巌先輩が買い出しに行く間の見張りを命令された友男と、目を覚ました京香。そして顔を見合せ驚く二人。実はこの二人、恋人同士だった!
  なんとか巌先輩にバレないように京香を解放しようとする友男。しかし話が展開するうちに、京香は金持ちのオッサンの愛人であることや偽名を使っていることが明るみになる。さらに、巌先輩と友男の関係性にも、友男自身すら知らなかった秘密があって……
  これぞ演劇‼というような、登場人物の関係性の秘密がどんどん明るみになっていく展開が続いた作品。そのうちに何がほんとで何が嘘かまでもがわからなくなってくるような、点と点が線で繋がりそうで繋がらない複雑さがおもしろかった!
  そう考えると茂しゃんが新喜劇でお得意の「他人同士だと思ってた登場人物たちが、実は元恋人とか親子だった」みたいな「ほんとは全員顔見知り同士」という展開も、これに似ている気がしました。


④DUET
  横浜の山下公園のベンチで、サキ(佐藤さん)とシロー(伊賀さん)が和やかにデートをしている。シローはサキにプロポーズしようと決意している。それにいちいち茶々をいれたり嫉妬している、シローの先輩でありサキの元恋人でもある隆介(宅間さん)。 
  サキとシローには隆介の姿は見えないし、声も聞こえない。隆介は一年前に事故死した、いわば「幽霊」だから。でもサキのそばを離れられず、未だに成仏出来ていない。
  そんな隆介の前に現れたのは、全身白タイツ、背中に羽、頭に輪っか的なものをつけた恐ろしくインパクト大な天使(茂しゃん)! 天使は隆介を天界へ連れていく役目を任され説得する。
  Facebookで羽を付けた茂しゃんの姿を見ていたので、天使的な役なのかなーとは思ってましたが、まさか全身タイツとはwww ぽっこりしたお腹とかパンツのラインとかあとこれのひとつ前の「誘拐犯の憂鬱」でのワンシーンの影響で乳首が立っててなんか妙にセクシーでしたよ(笑)

  最初こそ天使が隆介に無茶ぶりしたりサキとシローの写真に「心霊写真」として写りこんだり(このとき撮った写真はカーテンコールで抽選でお客さんにプレゼントされました)、ソフトクリームをシローの服にこぼすよう仕向けたり(本物のソフトクリームなので伊賀さんのスーツがベットベトになった)とキャハキャハした雰囲気でしたが、やがて、彼女には幸せになってほしいけど、シローとサキが両想いなのはもう充分わかってるけど、サキが心配で愛しくて離れたくないと隆介は涙を流しながら吐露します。タイトルになっている「デュエット」とは、隆介がサキとのデートで行った「カラオケでサキの好きな歌を入れて、いっしょにデュエットした」という思い出から来ていました。でもそんなささやかな幸せも今の幽霊の自分には叶えられない。
隆介は「幽霊」から「キューピット=天使」になるかのように、決心して、シローに憑依して告白したり、立ち去ったシローを追いかけるべくそっとサキの背中を押し、二人を結ばせると、それらを静かに見守っていた天使と共に満足したように天界へ召されるのでした。
  「自分以外の誰かのために流す涙」という点では「歌姫」にも通ずるものがありますが、なおかつこの作品には「遺していく者・遺された者それぞれの旅立ち」という点が丁寧に描かれていました。遺していく者がときどきそっと背中を押してくれながら見守り、遺された者が旅立った故人の思い出を胸に前へ進む。シンプルで普遍的なテーマですがそれだけに胸にグッとくるものがありました。涙しているお客さんもたくさんいました。

  ラストは出演者全員でハレルヤシスターズの歌に合わせてダンス‼茂しゃん、天使の格好のままがんばって踊ってましたよー(笑)
  そして私の入った回はオーラスということもあってか、お客さんのノリがよくアンコールがあり、もう一度ダンスタイム。ここで!私に!奇跡が!
  今回私が座った席は一列目でなおかつステージにある梯子の丁度真横の席でした。なんとここからキャストさんたちが降りてきたのです!駆け抜けるとき宅間さん&伊賀さんとハイタッチに成功!
茂しゃんは反対側の列に行ってしまったから無理かなーと思ってたら、なんと後ろから来てくれました!すぐさま手を差し出した私。そして……ハイタッチ成功‼・゜・(つД`)・゜・ウワァァァ
  このとき茂しゃんの後ろからスポットライトが当たっていて、しかも天使の格好だったから、なんか余計に神々しく見えました。お腹が出てても乳首が立ってても坊主頭でもついでに顎がしゃくれてても私にとってあの方は間違いなく天使です‼

  今回はスケジュールの関係で平日2日の3ステージだけということで、日程調整がつかず泣く泣く諦めた方も多いと思います。そして運よく観れた身から言わせていただくなら、こんなに自由で楽しくてあたたかい空間がこの一回こっきりなのはとってもとってももったいない‼だからこそアンケートにも宅間さんのTwitterにも書かせていただきましたが、ここでももう一度かかせていただきます。

  「つじたくvol.2の開催を、期待します‼」