nakumelo’s blog

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まさじさんのこと

  新喜劇座員の安井まさじさんが、6月26日の特別公演をもって新喜劇を退団、そして今後は故郷である熊本で芸人活動をしていくと発表がありました。

  正直、ものすごく寂しいです。

まさじさんは私が贔屓にしているチーム辻本公演にも頻繁に出演されていました。体を張ったり奇声を発したりする一発ギャグも、ほのぼのとした優しい雰囲気も、明るい笑顔も、気づけば私は好きになっていました。演技や回しもキレがあり、ご自身が座長となって行われた「新喜劇2026」でも熊本弁を使った新キャラで大変盛り上がったと聞いています。間違いなく、10年後の新喜劇を支えることが大きく期待された優秀で人気のある座員さんでした。

  まさじさんが退団してまで故郷で活動することを決めた理由は、まだご本人からの詳しい発言はありませんが、やはり4月の熊本の震災が大きく関わっていると思います。まさじさんのご実家やご家族は無事だったそうですが、これを期に「なにかあったときにすぐ家族のそばにいられるように」と思ったのではないかな、と私は推測しました。実際、311の震災のとき、万一に備えてもっと家族のそばにいられるようにと転職や引っ越しを決断した人もたくさんいました。
  まさじさんの熊本愛も前々から知っていました。熊本弁を活かした新キャラだけでなく、くまモンとのコラボ新喜劇や、熊本での特別公演のときはいつも以上にイキイキしていました。震災が起きたあとも、共演している座員さんに協力を仰ぎ、NGK入口で募金活動を行っていました。   
ふるさとのために、家族のために、自分が今出来ることはなんだろう?それを一ヶ月の間に何度も何度も迷い悩んだ末にまさじさんなりに決めた答えなんだと信じています。


  Twitterでは彼の名前を検索すると、退団を惜しみ悲しむ声がたくさん挙がっていました。私も寂しくて寂しくて、あらゆる卒業ソングがまさじさんのことを歌っているように聞こえてしまうほど……
NGK祇園へ行けばいつだって会える。そんな安心できる距離感があと一ヶ月弱でなくなってしまう。
 
  様々な事情で新喜劇を辞めていかれる座員さんは多いと聞きますが、その大半がいつのまにか出なくなってフェードアウトしてしまうなか、多くの人気・ベテラン座員も出演しなおかつファンに改めて旅立ちの挨拶が出来て、見送ってもらえる場所と時間を作ってもらえたあたりからも、まさじさんがたくさんの人に愛されたことや彼もまた新喜劇を愛し真剣に取り組んでいたことが伺えます。


  希望の光は、地元熊本に帰ったあとはピンの芸人さんとして活動されるということ。吉本はその土地のローカル番組やイベントを中心に活動していく地域密着型の「都道府県住みます芸人」という制度もあるほどなので、熊本及び九州地方でも活躍の場はたくさんあると思います。
新喜劇で学んだことを活かして、傷ついたふるさとで、ひとりでも多くの方の笑顔を取り戻す。それが新しいまさじさんの夢であり使命なのかもしれません。そして、彼ならそれを叶えることは不可能ではないとさえ確信出来ます。

   元々、NGK祇園にも頻繁に行けない関東在住の私ですが、関西よりもっともっと遠い熊本へ渡るまさじさんとこれでお別れとは思っていません。必ず、また、どこかで、まさじさんが笑顔で頑張っている姿を見られると、そして、直に会えると信じています。そのときはまたたくさんたくさん笑わせてもらいます。

 
  きっとまた、あの声が聞ける日が来るはず。


  「キョエェェーー!!」