nakumelo’s blog

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悲しみの忘れ方~joy!joy!エンタメ新喜劇第四弾公演レポ 後編~

  前編はこちら→ http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2016/12/07/200258

  景子ちゃんにナイフを突き付け、人質に取る森にぃ・もりすけさん・太一郎さんの銀行強盗三人組。彼らに対し、アキコさんにはある疑問が沸いていました。

  「あなたたち三人とも、悪い人には見えない。きっとほんとはものすごく優しい心を持っているんだと思うの。なんでこんなことしちゃったの?過去に何があったの?」

  臆することなく三人に語りかけていくアキコさん。やがて一人ずつ、心を開き、過去を話していきます。

  このときの演出がなかなか面白く、雷のような激しい光に包まれながら、舞台には薄いスクリーンが降りてきます。そしてそこにそれぞれメインとなる強盗のなんともいえない表情の顔がアップになり、スクリーンが上がると場面転換され、それぞれのトラウマとなった過去が明かされます。

  一人目は、もりすけさん。元は世界大会を目指すダンサーでした。
あるとき、ボランティアで大島さんとアキコさん……によく似た女性ヘルパーさんが運営する老人ホームを尋ね、そこにいるおじいちゃんたちとその孫たちにダンスを教えることになったのです。
 
最初こそ背中は曲がってるわ前に進めないわおんなじことを何回も聞き返すわを繰り返していたおじいちゃん集団ですが、音楽が鳴った途端、キレッキレのアクロバティックなダンスを披露!!さらに孫たちも負けじとレベルの高いストリートダンスを躍り、とどめが車イスのおじいちゃんが美しいバレエを披露という光景を目の当たりにし、すっかり自信を無くし、性格も歪んでしまったのでした。


  二人目は森にぃ。彼は高校生の頃、初めてお付き合いした女の子(葛原亜衣ちゃん)とのデートで、記念すべきファーストキスをしようとモジモジしている純朴な青年でした。

そこへやってきた暴走族4人組(もじゃさん・藍ちゃん・伊賀さん・平山さん)に絡まれ、危機一髪というそのときに現れたのが、この近所に住むチャキチャキな江戸っ子の割烹着姿のアキさん、その名も「ふとん叩きのハツエ」!! 愛用するふとん叩きの中に警棒を仕込んでいたハツエは、見事な立ち回りで暴走族連中に立ち向かいます。
 
このとき暴走族連中の体には異変が。もじゃさんにハツエが警棒を向けると、そのアフロヘアーからはかわいい小鳥が。伊賀さんの体に警棒が当たると、「♪タンタンタンタタン」や「プシュー!」という新幹線でよく聞く音が。そして藍ちゃんのお腹が警棒を弾き飛ばせば「私、人間ですねん」というお馴染みのギャグフレーズが流れるという個性を活かした演出。
 
見事に暴走族連中を成敗したハツエですが、同時に体がよろめき、森にぃが咄嗟に「だいじょうぶですか!?」と支えたその瞬間、なんと興奮状態のハツエが森にぃにキス!!これ、なんと本当に唇と唇をくっつけていました (゚ε゚*)ワォ!
  大事なファーストキスをよく知らないオバハンに奪われたショックで逃げ出す森にぃ。追いかける亜衣ちゃん。これがトラウマとなって歪んでしまったのでした。
 
そして残された暴走族連中は「そういや平山の体は触ると何が起きるんだ?」と試してみると、なんとラジオの電波を受信することが判明!!たまに雑音で入ってくることでお馴染みの某隣国の音声やら懐かしい某コーヒーミルクメーカーの時報が聞こえてきました。

 
  三人目はリーダー格の太一郎さん。彼は幼少期、まさにこの公園でサッカーをしていたときのこと。

今と同じように、ラーメン屋台があり、そこの大将の信濃さんがせっせと働いていると「バンッ!!バンッ!!」という壁を叩く音がどこからか聞こえてきます。なんとそれはSPゲストの間寛平さん演じるおじいさん!!杖でとにかく壁をめちゃめちゃに叩きながらやって来ました。

  かつて明治座で見たこの寛平じぃさんが茂造ですら敵わないほどの自由奔放じぃさんなのは承知でしたが、今回もとんでもないめちゃくちゃぶり。
信濃「ご注文は?」
寛平「チャーシュー麺をひとつ」
信濃「あ~ごめんなさい!チャーシューがついさっき無くなっちゃって」
寛平「なんでや?」
信濃「さっき団体のお客さんが一斉にチャーシュー麺頼んじゃって…」
寛平「そうかぁ~」
信濃「他のなら出来るんですけどね。何にしますか?」
寛平「チャーシュー麺」
信濃「いや、あの、だからね!」

というやり取りを3回ぐらい繰り返したとき、信濃さんが腹痛でトイレに駆け込むことに。寛平じぃさんがぼーっと待っていると、そこへやって来たのは、ピチピチのTシャツとスパッツに身を包んだ、ちょっとオカマ風のアキさん。
 
「……リモコン、貸してほしいんやわ、全体的に」というなかなか変わったお願いをこの寛平じぃさんにしてしまったもんだからさぁ大変。奇才と奇才のぶつかり合いの始まりです。

二人は夜中にどこからか聞こえる猫の喧嘩のような唸り声をあげお互いを威嚇し、やがて屋台にあるお玉やらお箸やらをそれぞれ自分のスパッツや股引きにぶちこんでパンパンにしていきます。なにがしたいのそれ!!信濃さん早く帰ってきてーー!!  (゚皿゚)  と思いながら、しかし涙が出るほど笑っていました。
  そんな珍妙な現場に居合わせてしまった太一郎少年は、恐怖のあまり性格が歪んでしまったとのこと。

  回想が終わる直前、このピチピチスパッツのオカマ風アキさんが「プロフェッショナル」的な番組にインタビューされている映像が流れました。なんでもこのオカマ風アキさんにとってスパッツは「実家」なんだとか……

  それぞれのトラウマの回想を聞いたアキコさんたち。端から見れば些細だったりおかしかったりするような思い出も、彼らにとっては苦しくつらい、今でも心に巣食う記憶なのです。

  「それでも……こんなことしちゃダメよ!あなたたち絶対優しい子なのに!!人生はつらいことも悲しいこともたくさんあるけど、楽しいことを探してまたがんばっていくのよ!!こんなこと今すぐやめてやり直してまた楽しいこと探しなさいよ!!」


  この台詞のとき、私の胸にあったモヤモヤが一瞬にしてブワッと消えて無くなっていきました。つらいことや悲しいことを乗り越えられる「楽しいこと」を探す……楽しいことなら、私はもう見つけてる。ここにある!!だいじょうぶ!!と。アキさんにものすごく力強く肯定してもらえた気がしました。

  そこへちょうどタイミングよく出前から帰ってきた一の介マスターと茂造。景子ちゃんが人質に取られているのを見ると茂造がいつものあの肩掛けかばんから取り出したのは……「さっきワシがたっぷりチビったアテント」という恐ろしいアイテム!!そしてそれを強盗目掛けて蹴りあげる!!強盗たちがその汚物に恐れおののく間に景子ちゃんは脱出し、見事強盗たちは逮捕!!でも皆さんはチビったオムツを取っておくなんてことはなさらないように!!

  逮捕されても、どこかスッキリしたような表情の強盗たち。罪を償ったら、今度は楽しいことを探してまたがんばると約束しました。そんな彼らを応援するかのように、アキコさんのダンスタイムがスタート!!OPに出ていたダンサーの方々が再登場し、アキコさんとパワフルなダンスを披露。そしてエンタメ恒例の新喜劇座員によるダンスソロもありました。なかには茂造や一の介マスター、和子おばあちゃんなど、ダンスな苦手なメンバーもいましたが、そのぎこちなさもまたほほえましく感じました。

  そんなアキコさんに背中を押され、ゆたか大将もついに景子ちゃんに告白!結果は見事OK!!大喜びするゆたか大将を見て、和子おばあちゃんは言います。

  「ゆたか、本当によかったね!おばあちゃんもうれしいわ。でもね、“あの方”のおかげでもあるということを忘れたらだめよ……みんなでお礼を言いましょうね……神様……神様~!!」

ツィゴイネルワイゼン」が流れ、神様に孫の幸せを感謝するおばあちゃん。そして、神様におばあちゃんが伝えたいことは、もうひとつ。

  「ここにいるアキは、芝居も、躍りも、本当に素晴らしい!!すごいエンターテイナーです。きっと、これからの新喜劇を引っ張っていってくれる……座長になってくれるでしょう!!」

   これは「お墨付き」といい、新喜劇の重鎮である桑原レジェンドから「時期座長に相応しい人材である」と認められることであり、現在の5座長は全員通ってきた儀礼なのです。アキさんの座長就任の夢が現実味を一気に帯びた瞬間でありました。

  「アキ!!来年辺り、座長になってくれるか!?」と尋ねる桑原レジェンド。涙を流し、しかし笑顔で「はい!なります!!絶対、なりまーーす!!」と力強く宣言してくれたアキさん。「いやそこは“いーいーよぉー”やろー!」とツッコむ茂しゃんも、どこか嬉しそうにアキさんが自分の背中へまた一歩追い付いた瞬間を見守っていました。


  終演後は、すでに3月に決定している第五弾公演の先行チケット販売が開始され、それに並ぶことにしました。そこに、数日前までTwitterで相談に乗っていただいていたアキさんファンの知り合いの方を見かけて、ご挨拶。
  「あの、私、アキさんの“楽しいことは自分で見つけて探すの”って台詞聞いて……」と話していると、こらえきれずに涙がボロボロ出てきてしまい、本来笑いのための劇場なのに泣いてしまいました。アキさんが「あなたがしていることはずるいことでも逃げでもない。またがんばるために自分で探して見つけた“楽しいこと”なんだから、思いきり笑って楽しめばいいんだよ」と肯定してくれて、舞台から「悲しみの忘れ方」を教えてくれたように思いました。

  涙を拭い、チケットを買い、特典であるアキさんとの写真撮影へ。いつもは緊張して「お疲れ様でした」という挨拶ぐらいしかできないし、後もつかえてるからあまり話せないけど、絶対今日は一言でもお礼を言わなきゃ、とドキドキしながら列へ並びました。
  ダンスパフォーマンスのときの衣装のまま、一人一人と丁寧に握手と言葉を交わし、撮影に応じているアキさん。私の番になり、スタッフさんにスマホを渡し、写真を撮り、アキさんから手を差し伸べてくださり、握手を交わしました。そのときに、「後ろの方、ごめんなさい!少しだけ、待ってて!」と思いながら思いきって言いました。
  「あの、私、悩みがあったんですけど、元気になれました。ありがとうございます!」
  アキさんはそんな私のたどたどしい言葉も、「うん、うん、そうやったんや」と聞いてくださり、「でも、よかった。また来てね!」と微笑んでくださいました。
 
  同じ場所では森にぃも写真撮影に応じており、こちらは少し長めにお話が出来るようでした。実は一週間前に私はホンワカパッパー隊で森にぃに張り付いて彼のアップばかり撮っていたので、それをチラッと話したら「あぁ!あのときの!」と覚えていてくださいました。そして「これからもどんどん撮ってくださいよ~!」と了承していただけました。
ちなみに私のひとつ前のご婦人たちは森にぃの「てっぺんハゲ」を見せてもらい、拝んでいました(笑)

  ホテルに帰り、メイクを落としたりお風呂に入ったり、夜食を食べたり、TwitterやLINEをやりながら、私はある歌を繰り返し聞いて口ずさんでいました。それが、今回サブタイトルにもなっている乃木坂46の「悲しみの忘れ方」です。

  その歌のなかに、こんな歌詞があります。

  
  「悩んでたのは私だけじゃないんだ  そばにいつだって 誰かいる」

「思い通りに何も行かないけれど それでも誰もが前を向く」

「みんな同じだ 迷い悩み傷つく」


   これまで何度かエンタメレポでも書いていますが、一見華やかにかつ異例のスピードで座長候補にまで登り詰めたアキさんも、それまでの道は決してなだらかではありませんでした。でこぼこしていて、ぬかるみもあって、坂道のように険しく、日の光も射さず、前すら見えない道だった。そんなアキさんに、冷たい視線を送るような人や、耳を塞ぎたくなるような言葉で追い詰めた人も、きっといた。それでもいつしか茂しゃんをはじめ多くの人達と手を取り合い、前へ前へ進み、諦めないでここまで来てくれた。そんなアキさんに会えて、そんなアキさんだからこそ作れる舞台を見ることが出来て、本当に本当によかった。

   「悲しみの忘れ方」は元々は乃木坂46のドキュメンタリー映画のタイトル、そしてその映画の主題歌なので、秋元康さんは彼女たちのこれまでの道のりや表情を踏まえてこの歌詞を書いたことは重々承知しております。しかし、これまでと今回のエンタメ新喜劇を見て、私がアキさんに感じたこと、そして舞台を通じて教えてもらったことに一番しっくり来るのがこの曲だなと思い、乃木坂ファンの方の反応も気になりましたが、思いきってこれをサブタイトルとキーワードとして引用させていただきました。