nakumelo’s blog

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確かに存在する光(辻本新喜劇感想)

世間では吉本=闇というかなりネガティブでマイナスなイメージがはびこっている最中、辻本茂雄芸能生活32周年記念公演である「辻本新喜劇inNGK7days」に行って参りました。


世間のイメージもなんのその、勇退してもなお茂しゃんの人気は衰えず、見事全日完売で立ち見まで出るほど。
メンバーもいつものチーム辻本のお馴染み人気メンバーに加え、昼間の祇園公演を終えたしみけんさんや花ちゃんも駆け付け、さらに春の「覚悟」で存在感を見せてくれたきたぽよさんなども再登板!


舞台は旅館……ではなく花月病院。高井医院長が経営し、医院長には当病院で看護師として働く幸恵と高校生の景子という二人の娘がいます。花月病院にはこの他にベテラン看護師の花子、医師の北代、そして病院常設のカフェに大島、さらにそのカフェには事故の後遺症からか「自分は女性でこの身体は偽物!」と言い張り多重人格が疑われている訳ありなオネェ「ユリ」(永田ちゃん)が勤務しています。

そしてそのカフェにこの度やってくる新しいアルバイトが例のごとく遅刻していて……そこにやってくるみんな大好き茂造じいさん!!NGKの舞台に久々に戻って参りました!!拍手と歓声がとんでもなかった!!

ここからはこの花月病院で、まるで茂造の登場を待っていたかのように、次々とトラブルが舞い込んできます。しかもそれがうまーいこと繋がっているから面白い。


・景子が彼氏である翔太との間の子供を妊娠。しかも翔太の父である平山は経営コンサルタントのレイ・もりすけと組んでレジャーランド建設を企んでおり、建設反対運動代表の高井とはただでさえ対立しているのがますます関係が悪化

・入院患者の松本が多額の借金を抱えているため、病院に取り立て屋のヤクザが襲撃。アキ・森田が呼び出したのはあの白と黒のアーガイルスーツの兄貴・辻本!!そんな辻本兄貴が幸恵に一目惚れし、三人組はしばらく病院のアシスタントとして働くことに!!

・ユリの男性としての肉体の本当の名前は「リョウスケ」。リョウスケはサキという女性と将来を誓い合うほどの仲だったが、バスの事故に巻き込まれ、なんと本当に「ユリ」という女性と中身が入れ替わっていた!!ユリの体となったリョウスケ(谷川友梨ちゃん)、さらにサキの父でヤクザの親分である手島とその子分の吉田も、手島のケガをきっかけに病院へやって来て……

・ストレスによる胃潰瘍で緊急入院することになった清水。今はゆっくり静かに休むのがいちばんなのに、同室の患者はあのシゲオとアキコ夫婦!!案の定散々騒ぎ立てその度に清水は苛立ちながらツッコんでいき、なかなか安静にできず……


一人一人に個性を生かした見せ場があり、しかも「そう!!このネタ!!この掛け合い!!あぁ超久しぶり!!」と思える嬉しさと懐かしさ。そしてそれを自分以外の観客のほぼ全員が知っていて、待っていて、バーーンと笑いと拍手と歓声が巻き起こる。心地よい一体感でした。


実は観る前は、久々に行くNGKがあの世間のイメージで元気のない雰囲気になっていないか、そして私自身が春から宝塚に夢中になっていたため、心から楽しめるか自分で自分が不安になっていた部分も確かにあります。

でもそんな不安の雲は、劇場へ入り、周りのあのワクワクした雰囲気と、幕が開いてすぐ始まったあの懐かしく心踊る展開で、風と共に去っていきました。雲が去ったあとの舞台は青空や星空の如く、キラキラ眩しくあたたかい光が降り注ぎ、それは闇すら蹴散らしてくれました。


これまで茂しゃんと彼のチームの主要メンバーの皆様が取り組んできたことは、間違いではなかったんだ。こういう暗い影が射すときだからこそ、真の光が輝くんだ。舞台はその人の個性ややってきたことに嘘をつけないんだ。だから私はこの人の創る空間が大好きだったんだと再確認しました。


春の祇園公演「茂造の覚悟」の7000人動員に続き、今回の「辻本新喜劇」も6000人超えの驚異の動員記録を作ったそうです。さらに、この二公演のチケット半券を見せると貰えるプレゼントは在庫が間に合わず、急遽後日郵送の形を取ることになったとか……それだけ両公演に足を運んだお客様は多かったということですね。


改めて、私は、辻本茂雄というひとりの芸人・そして舞台人に出会えてよかった!知ることのできた自分を誇りに思います!