nakumelo’s blog

考えたことややってみたことをとにかく書いてみるブログ Twitterアカウント→@EtoileMelimelo

佐藤太一郎企画「お母さんいません」レポ①

佐藤太一郎企画久々の新作「お母さんいません」のルミネ公演に行って参りました。


時間潰しの買い物中、なんとなく気分がだるくて頭痛までしてくる体調不良に襲われたり(今思うと気象病とか熱中症だったのかも?)、なんとかたどり着いたルミネよしもとでの買い物中盛大に小銭をばら蒔いてしまう(拾ってくださったみなさんありがとうございました)ハプニングを乗り越え、観劇へ。なんと最前ドセンター席を取れました。


舞台はとある年季の入った家のリビング。小さい子供でもいるのか、あちこちにおもちゃがおいてあります。そして注目すべきは壁に貼られた白と黒を貴重とした、紙の花や輪っかなどのお誕生日会のような飾り。さらには「七回忌」の文字も……上手側には仏壇もありました。


そこにやってきたナギコ(辻凪子さん)と白髪の中年男性タナカ(田中尚樹さん)。明るくモノマネが好きなナギコと腰痛持ちでおっとりしたタナカ。どうやらここへはお呼ばれしてやって来たようです。


「そういえば、タイチロウくんは起きていますかね?」


二人がある部屋のドアを開けようとすると、そこから勢いよく飛び出してくるパジャマ姿の男性!!ここの家の住人のタイチロウ(太一郎さん)なのですが、なんだか違和感が……


「エヘヘ、びっくりさせようとしましたーー!!」


無邪気な笑顔でこう話すタイチロウ。クローゼットを全開にして「おつかれさまでぇす!」と絶叫したり、七回忌を「思い出す会」と呼んだりする5~6歳児のような子供っぽい言動、着ているパジャマにもやたらかわいらしい刺繍。さらにくまのぬいぐるみを離さない………

そこへ中学生のマイカ(中島舞香さん)が帰宅。マイカはおもちゃが散らかり放題な状態なのとタイチロウが未だパジャマ姿なのを見て激怒。早く着替えてきて!と厳しく叱責し、しょんぼりするタイチロウ。これではどちらが大人なのかわかりません。

イカが仏壇に「お母さん、ただいま」と手を合わせて仏具の鐘を鳴らすと、その後ろで手を合わせて「わかりました!わかりました!わかりました!」と三回絶叫するタイチロウ。この流れは度々見かけることになります。


ここまでの4人の会話の流れからわかったことは

・仏壇に納められているのはサワという女性で、タイチロウの妻でマイカの母→つまりタイチロウとマイカは父娘

・タナカとナギコはタイチロウが通う「作業所」の職員


そしてタイチロウの年相応とは思えない言動の数々から、劇中明言こそされませんでしたが、このタイチロウはいわゆる「知的障がい」があることが伝わってきます。


イカとタイチロウは着替えるためそれぞれ自室へ。リビングにはタナカとナギコの二人だけに。


すると突然意識が遠のいていくタナカとナギコ。そのままフラフラと床へ倒れてしまう二人。しばらくして起き上がると……



「あ、あれ!?誰これ!?どこここ!?………わーー!!あんた、誰!?」


二人揃って自分の体にも今いるお互いの存在にも違和感しかない様子。しかもタナカに至っては明らかに態度も口調もチャラついたものになり、別人のように!!手元は癖なのか「フレミングの法則」のようなポーズをやたら出してきます。


大混乱の中、着替えを終えたタイチロウが登場。七回忌なのにまるでフランス貴族のような格好のそのタイチロウを見て、二人は驚きます。


「……たいちゃん!?」

「タイチロウ!?」


それまで二人は「タイチロウくん」と呼んでいたのに、その呼び方までも変わっています。そして二人はそれぞれこう主張するのです。


「私よ、私!サワ!!あなたの奥さん!!」

「俺はオチ!!サワと同じボランティアサークルやったオチや!!」



なんとナギコにはサワの、タナカにはオチの魂が、それぞれ入り込んでしまったのです!!


何度もタイチロウにそれを説明しても「サワいません。ナギコさんとタナカさんです」を繰り返すのみ。やがて着替えを終えてやってきたマイカにもそれを伝えますが、よりによってナギコのモノマネ好きというキャラによって「このあと見せる出し物ですか~?めっちゃ似てるー!!」と流される始末。

果たして七回忌は無事に行われるのでしょうか?