nakumelo’s blog

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美しき謎 個人的ツボシーン(※ネタバレ注意)

    「美しき謎」ここからは個人的にツボだった部分、感動した場面なんかをガガーっと書いていこうと思います。やはりこちらもネタバレ含まれていますので、それでもだいじょうぶという方のみご覧ください。




かつて「茂造の孫役オーディション」でその座を射止め、その後本格的に役者として活動しているという玉山詩くん。 私は動画で「茂造の孫と過ごした最後の夏」という彼がやはり孫役で出ている、レギュラー新喜劇にしては珍しい人情もの路線の作品を見たことあるのですが、おじぃちゃんである茂造を一途に慕う演技が素晴らしかった!
 
舞台の宣伝で4月前半に茂しゃんが様々なメディアにでまくったのですが、その際必ずと言っていいほど詩くんを絶賛していました。そして、彼は見事その期待に応えていました。
 
詩くんが演じたのは、茂造が里親として引き取った少年・ユウタ。二幕前半に養護施設からやって来ます。
男子の肉体でありながら精神は女子という性同一性障害があり、それ故に学校でも家庭でも冷たい目で見られて居場所が持てず、両親と離れて養護施設で暮らしていたのでした。
  茂造の計らいで、「素敵な笑顔でいられるように」という意味を込めて「笑(エミ)」という女性名をもらい、学校へはセーラー服で通えるようになり、友達や先生にも理解を得られ、ユウタ改めエミは本来の笑顔を取り戻していきます。

しかし様子を見に来たエミの両親はセーラー服を着て過ごしている息子を見て激昂。家に連れ戻して本来の「男の子」として教育し直す、と腕を引っ張るのですが、それを振り払うエミ。 茂造やファミーユのメンバーのおかげで自分が今どれだけ幸せかを説きますが、両親は聞く耳を持ちません。そんな両親に対し、エミはあまりにも悲しそうに、けれど真っ直ぐな瞳で両親を見つめて語るのです。
 
「わかってもらえないなら、私はお父さんとお母さんの子供をやめます。もう私のことなんか忘れてください」
 
私のいるあたりがちょうど詩くんが真正面に見える角度だからか、もうほんとにその目力に引き込まれてしまって……茂しゃんが大絶賛してるのはこういうところなんだろうなってわかりました。その後の茂造に抱きついて泣きじゃくる場面もお見事でした。
 
なお、このエミの両親、後に理解を示し、再び会いに来るのですが、息子の気持ちを少しでもわかろうと彼らなりに努力をしたのでしょう、なんとお父さんはセーラー服、お母さんは学ランを着ていたのです‼

このシーンを見たとき、私の頭の中にあったのは、エイトメンバーの錦戸亮くんが出ていた「ごめんね青春」でした。あのドラマにはコスメと呼ばれるやはり性同一性障害の生徒がいて、女子の制服を着て女子生徒として受け入れられながらみんなと楽しく過ごしていたのに、  理事長である父親の理解が得られず悩んでいました。そしてその父親は父親なりに理解しようと、女装してマックスバリュに行ってみるという仰天行動に出ていました。

そういえば茂しゃんは少しでも新喜劇のネタになるよう、ドラマは全部録画していると聞いています。もしかしたら「ごめ青」も見ていて、その影響を受けたのかもしれません。私もあのドラマは大好きだったので、大好きな茂しゃんが同じドラマ、しかもこれまた大好きなエイトメンバーが出ているドラマを見ていて、心に残っていたかもしれないというのは、単純に嬉しくてひとりで興奮していました(笑)


チーム辻本に欠かせないメンバーのお一人、ヨウスケ役の横顔新幹線こと伊賀さん。ヨウスケは弁護士志望ということで、彼には今回大変な課題が待っていました。

ファミーユで乱闘騒ぎがあったとき、チンピラをなだめるために、「このままだとあなたは刑法〇〇条の〇〇に該当してこういう罰を受けて」みたいな長く難しい法律用語をガーーッと話していくのです。それも一度も噛まずに‼ 私が覚えているのは銃刀法違反の「8cmのナイフ」だか「6cmのナイフ」ぐらいです(笑)そんくらい長いし難題な用語がずらずら出てくるんです‼でも言い切ったんです‼言い終わったあと拍手起きました‼
 
カーテンコールのあと茂しゃんは「もう彼はだいぶノイローゼになりかけてました。(茂造が出演してるローカルCMの関連のイベントで)一緒に熊本へ営業行ったときもずーっと法律用語をブツブツブツブツ言っていて…でもほんとそこまで自分を追い込んでまで頑張ってくれました」と絶賛していました。



そしてやはしいちばんは茂しゃんの“役者魂”  を感じたことです。普段の新喜劇では見られない表情がいっぱい見れました。
 
アスカが手紙を読んでいるときの、はにかんだり、そわそわと落ち着かない感じで目を見開いたり鼻をかいたり、やたら合いの手を入れてくるんて仕草や表情が、嬉しさと気恥ずかしさを表していました。
 
高山に脅されたときの絶望に満ちた目や、人質であるアスカを解放するよう懇願する姿には気迫に満ちていました。アスカに謎を話すときの眉間に皺を寄せ、うっすら瞳に涙を浮かべ震える声で真実と変わらぬ愛を伝えた場面が、ものすごく胸を締め付けられました。

茂しゃん自身が現実にアスカと同い年の娘さんがおられるので、頭の片隅で演技とはわかっていても、余計にリアルに聞こえるし、見える。 「座長」とはまた違う「お父さん」の姿も垣間見えたのが大きな収穫でした。


最後には出演者全員で歌うオリジナルテーマソングがあり、そこで「過去は振り返らず前を見て」て歌詞があるんですが、その「前を」てときに茂しゃんが客席に向かって指を真っ直ぐ伸ばして「前=未来」を表していたのが、もうほんとうに感動しました。私のいる席のほんの数センチ上にあの方の指があって、「君にも大きな未来が待ってるんだよ」て言ってもらえてる気がして……
 
私もこの人みたいになりたい。こんな風に「なにかを心に与えれるもの」がつくりたい。やっぱしあの夢を叶えたい。そう思えました。その夢の一歩のため、このブログもやっているのですけれどね。

  他にもたくさんの役者さんが、全身全霊をかけて「美しき謎」を盛り上げ彩ってくれています。5月のGW明けの公演はまだ余裕があるようなので、お時間があり興味のある方はぜひ観劇して、ご自身の目と耳と心でその感動を味わってください‼