nakumelo’s blog

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転職して自分の弱さと向き合っている話

以前、「10年ちょっと続けた仕事を辞めた話」http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2021/03/19/214558?_ga=2.121416264.17023357.1623114842-1155651568.1605094546 を書きましたが、あれから約2ヶ月ちょっと。

ありがたいというか、運が良かったというか、無事新しい仕事が見つかり、5月中頃から働いております。


新しい仕事は「司書」___つまり図書館でのスタッフです。


私は元々本が好きなので、最近こそコロナ禍で遠慮していましたが、昔から図書館にはよく通っていましたし、中学生の頃には年上のいとこが見せてくれたアニメがきっかけで「図書館で働く人=司書」ということも知っていました。そして短大進学時、自分が希望する学科には司書課程の授業も取れると聞き、それを受講して司書資格を取得していたのです。とはいえ司書の募集は基本的に少なく、そんなわけで短大卒業後はこの春まで前職のクリーニング店にずっと勤めていたわけですが。

前職を辞めたお暇期間の4月にたまたまネットで「近隣の街 図書館 求人」となんとなくググったらパートではありますが司書募集のページを発見し、車で無理なく通える距離だし、接客は前職でやりなれてるし、司書資格があれば応募可という条件もクリアしてる。これはイケそうだ!!ずっとなりたかった司書になれるぞ!!ということで早速連絡して面接にこぎつけて、一週間ほど待って見事に採用していただけたのです!!

あのとき取っておいた資格が活かせるなんて……人生わからないものだなぁとつくづく思いました。家族や周りの方々も「司書ってかっこいいね!」「なくちゃんに合ってる気がする」とお祝いの言葉をたくさんいただけました。


で、ゴールデンウィーク明け辺りから働き始めて、10回くらいに分けた研修プログラムを終え、大体週三ペースで勤務しているのですが……




      し ん ど い





です。ぶっちゃけ。司書のお仕事舐めてました……


短大のときの司書課程の授業なんて、9割が座学で、実習はほんとに卒業間近にちょこっと1日やったぐらいでしたから。やはり実戦となると経験が物を言う状態です。基本中の基本である貸出や返却、配架(本棚の整理)はもちろん、予約やリクエスト本の管理やら新聞や雑誌の管理、基本スタッフしか行けない地下書庫にある本を探し出す作業、さらには利用者さんから寄せられる「こういう本が読みたいんだけど」というレファレンスの嵐………なにもかもが未体験で、想像以上に多彩で奥深いものばかりでした。
もちろん教わる度にメモはとりますが、いざとなるとメモのページがなかなか開けなくて、結局はその場に出くわさないとわからないことがほとんど……そもそもこの10年「お客様」と呼んでいたのを「利用者さん」と言い換えるのからしなくてはいけませんでした(一回うっかり「お客様」と呼んでしまって速攻で指摘された)。

あとここ10年ですっかりスマホに慣れてしまって、前職もレジがタッチパネル形式だったから、業務の大半を担うパソコン操作に慣れるのもほんとに苦戦してます。基本操作はもちろん、図書館業務のための独特のシステムもありまだまだ手をつけていない未知の領域がたくさんあります。

周りの先輩方はこの図書館で10年以上やそれに近い勤務経験があり、なかには他所の図書館や学校司書での勤務も合わせると司書歴20年以上という超人も揃っており、いちばん歴の近い方でも1年以上の差があります。もちろん皆さんフォローしてくださるし、教えてくださるし、私もわからないことはすぐさま相談したりするよう心がけてはいますが……

やっぱり、自分だけが、この中でいちばん実力不足なんだっていうのが、本当に心細い。みんなが5分で出来るところを倍の10分かけないと出来ないのが、情けない。失敗したり間違えたりするとフォローしてもらうのが、申し訳ない。逃げたくなるときもあります。これまでやってきたことはなんだったんだ?とも思ってしまうことも。
お休みの日も朝起きると「昨日やったあれは大丈夫だったかな?明日あのポジションならあれをやらなきゃいけないけど、上手く出来るかな?」と不安が押し寄せてきて、胸が苦しくなったり、お腹が痛くなることもあります。

そんなわけで、見事に「夢と現実のギャップ」にやられてしまいました。せっかく大好きな本に囲まれているのに……やりたかった仕事なのに……としょんぼりすることもしばしば……


「転職1ヶ月なんてまだまだそんなもの」
「未経験なのは承知で採用してもらえている」
「大体一年通して全体を学んで身に付けていくつもりでいればいい」
「慣れてくればわりと自分のペースで出来る仕事だから」


多くの転職経験者の方や司書の方のサイト、周りの人々、先輩方、さらには人事担当者の方も揃ってこう書かれていたり言葉を掛けてくれました。


それでもやっぱり焦ってしまうんです。こなせない私はここにいてはいけないんじゃないかとか、選択を誤ったのではないかとか、ふと考えてしまうのです。慣れるためには場数を踏むしかない→場数を踏むには出勤して現場に出るしかない→現場に出たら目の前のひとつひとつをこなすしかない とは頭ではわかっているのですが……


いっそもう辞めてしまったら……と思うことも何度もあります。それでも、心の片隅にある「せっかく司書になれたのだから」という想いがどうにか引き留めさせ、出勤時間になれば「とにかく、今日をなんとか乗り切ろう」とどうにかやる気を出し、いざ現場に出れば悪戦苦闘しながらも仕事をこなす、を繰り返しています。


今月を乗り越えたらまたなにか違うものが見えてくるかな?という小さな希望を握りしめ、また明日もどうにかこうにかやっていこうと思います。