nakumelo’s blog

関ジャニ∞のこと・新喜劇のこと・その他諸々、長い文章で語りたいときはこちらを利用しています。 Twitterアカウント→@EtoileMelimelo

四文字の感情


  
  「きょうと新喜劇」レポがまだ途中ですが、ちょっとここ数日、思うことが色々あったので、悩み迷いましたが、信頼できる方々に後押しもしていただいたのでこうして文章としてまとめてみることにしました。


   人によっては不快になられるような話題かもしれませんが……そのときはそっとプラウザバックをお願い致します。コメント荒らしたり晒すようなのはどうかご勘弁を。


  それでは……書かせていただきます。








   2月11日に、佐藤太一郎さんの元に男の子が誕生しました。そのベビーちゃんの写真を拝見したとき、「えっ!?」と驚き、そしてそのパパそっくりの二重の大きな瞳を見て「あぁやっぱDNAってすごいな!この子はまだこんなにまっさらだけど確実に太一郎さんの血を間違いなく受け継いでいるんだ!」と素直に喜びの気持ちでいっぱいで、すぐさまご本人に「おめでとうございます!」のリプを送りました。

  そのときは、心から嬉しかったのです。本当に。

  異変が訪れたのはそれから1日~2日ほど。心の片隅にぽこっと生まれた“それ”は最初こそ「いや気のせい気のせい」と振り払うことが出来ましたが、どんどんどんどん大きくなっていき、やがて事あるごとに“それ”を意識するように。そして同時に感じる罪悪感で、あっという間に心と頭はモヤモヤだらけに。
  

   こうしてブログという言葉や文章で表現する場を設けているのだから、“それ”についてこうして公開しようかと思いましたが、怖がりな私は炎上や批判を恐れ、なかなか実行には移せなかったのです。
   なにより“それ”を言葉にして目に見える形で自分で受け止めるのが怖かったのです。

  そこで、友人のなかでも特に冷静で信頼のおける数名にそれとなくそのことについて相談。その際、全員が一致して出してくれた答えは

「自分の気持ちを正直に書いたほうがいい」
「あなたが感じた“それ”の感情は結構みんな感じるものだから特におかしくはないからだいじょうぶ」

とのことでした。


   だから正直に思いきって書きます。








「さ  み  し  い」

  ずっと心を支配していた“それ”はこの四文字の感情でした。自分でもこんな感情を抱くなんてほんとに驚きました。


嫉妬とか失望とかもまったくないのです。太一郎さんが私にとって大きな支えの存在であるのは今でも変わりはないのです。
  それでも、いや、だからこそ、一番しっくり来るのが「さみしい」でした。

   太一郎さんがご結婚されてることは、夏あたりに出演されたラジオでポロっと話していたような覚えはあって、でもそれからそれらしき素振りも発言もないので、あんまり言いたくないのかなぁと思い、やがてそのことは意識しなくなりました。今思えばあやふやなままにしておきたかった自己防衛本能が働いたのかもしれません。

  そしてこの度お子さんが誕生したということで、間違いなく彼には奥さまと息子さんという家族がいるのだとしっかり判明したとき、あくまでも演者とファンという間柄ではあるのですが「私はもうこの人を憧れの目で見たり想ったりしちゃいけないんだ。だってもう旦那さんでお父さんなんだから……」みたいなことをどうしても考えてしまったのです。
 
  ファンが推しに抱く感情には少なからず数パーセントの「恋愛」のような感情もあり、それが自分が太一郎さんに抱いていたものにもしっかりあったのだと痛感しました。

  
  ジャニヲタを10年近くやってきたときは、自担たちには熱愛疑惑こそ数多くささやかれ噂されましたが、どれも「疑惑」のまま終わり、結局かつての自担たちは結婚を今もしないまま活動をしています。
  彼らのような「アイドル」はしばしば「疑似恋愛の対象」「夢を売る商売」として恋愛や結婚は賛否両論が飛び交います。しかし太一郎さんはあくまでも「芸人兼役者」なので、同じようにステージから夢を与えるお仕事には変わりないのに、そこだけは違うんだ、議論すら出来ないんだ、だからこんなことで悩んじゃいけないとなぜか勝手に諦めていました。
 
    そして新喜劇では一推しの茂しゃんをはじめ、アキさんや森にぃは既に結婚されており、茂しゃんアキさんはお子さんもいらっしゃいます。それは私が新喜劇の世界へ足を踏み入れたときからすでにそうでした。最初から「そうだった」のと今回新たに「そうなった」のは違うんだなぁと思いました。


  さてこれからどうするか。太一郎さんご本人を嫌いになったわけでも、奥さまやお子さんに嫉妬をしているわけでもない。これからもファンでい続けたい。でもはっきり「応援している。好きです」とまだ心から言える気力がないのです。

  いちばんてっとり早いのは佐藤太一郎企画を観に行って、生の舞台で熱量を感じて、出来たら太一郎さんご本人とちょっとでもお話出来たら、ずいぶん気も晴れてまた新たな気持ちで応援できたり楽しめるかなぁと思っていますが、次の企画が確か夏頃と聞いていますし、その間も他の公演やら仕事やら金銭的事情やらで太一郎さんが出演される公演へ行けそうにないのです。

  その間、せめて自分の気持ちをまとめてモヤモヤを晴らし、スッキリさせたいなと思い、こうして文章に書かせていただきました。

  次回の佐藤太一郎企画は出来るだけ参加の方向で、スケジュール調整や資金調達も進めていく予定ではあります。見守っていただけたら幸いです。



 


    



 






 






 
 



  

きょうと新喜劇7レポ①

  今年初の遠征は、京都は祇園の森にぃプレゼンツ「きょうと新喜劇7」!!

  この開催数日前、私の住む茨城も含めた関東ほぼ全域が何年かに一度の大雪に襲われ、その脅威に恐れおののいているときに耳に入った「冬の京都はめちゃ寒い」という情報。そして天気予報では開催当日はしっかり京都は雪マーク。雪の驚異がすっかりトラウマになった関東人にとってはもはやたどり着くまでミッションインポッシブル状態。

  新幹線も全体的に遅れているため、夜公演にも関わらず普段の早番出勤並みの早起きと出発をし、オシャレよりか防寒を重視したファッションに身を包み、名古屋から先の地域の真っ白な田園風景にガクブルしながら、どうにか15時頃無事到着。空席を作ったら申し訳ないもんね。
  前回同様、前説でおなじみの質問「遠くから来た人いますか」で挙手して茨城出身だと大勢の前で個人情報を自ら流出し、そんなこんなで開演。

  お馴染みのホンワカパッパが鳴ったのに、開かない幕。そこへ、切羽詰まった表情の玉置クリリンくん登場。どうやら誰かに終われているようです。すると祇園花月特有の「花道」より、「待たんかいゴルァーー!!」という声が。
  颯爽とやって来たのは本公演でお馴染みの森にぃ演じる緑のスーツヤクザ森田!!今日も元気に借金の取りたてです。
   いつもの「〇〇万、〇〇万、合わせて〇〇万!!」のくだりが出来ないうえになんとか二人だけでやろうとしても結局グダグタだったり、手元にお金がないため借金の肩になりそうなものは金のエンゼル付きのチョコボールだの稲だのろくなもんがないクリリン
  しかし、あるものを渡すとそれまでずっとイラついてたヤクザ森田の顔がパッと輝きます。それはあるアイドルグループの人気メンバーのブロマイド。実はヤクザ森田はドルヲタで、その人気メンバーは推しメンなのでした。ニヤニヤしながらそのブロマイドを見ている隙に、クリリンは逃走。慌ててヤクザ森田が追いかけるところで、やっと幕が開きます。

  舞台は一見すると本公演でお馴染みの、階段のある旅館のロビーのような風景。しかし上手の上の方には「八坂高校 女子寮」の文字。さらに奥には男子寮へ繋がる通路。この女子寮はかつて旅館だったところを改装して造られたものなのです。
 
  クリリンを追ってこの女子寮へやって来た森田。「誰かおらんかー?」と声をあげると、奥から女性の返事が。現れたのは寮母のたまよさん。いつもなら目の前の男性に対して「ん~……好きぃ!!」となるような恋愛体質なのに、今回ばかりは「……なんか、素直に『好き』って言えない~(´ヽ`)」とのこと(笑)さらにそこからの「ぺろん、チーン、ドカーン!!」や「壁ドーンからの男なんてシャボン玉~♪」の一連の流れも、森にぃは慣れていないのか全体的にぎこちなく、たまよさん直々に指導を受ける場面も(笑) 
  そんなたまよさんのやや強行突破な愛情表現を振り切り、退散させると、森田のケータイに電話が。相手は森田が所属する団体の母体である「花月組」の者。すぐそこまで来ているから直接会って話したい、と女子寮へ次にやって来たのは、顔デカイならぬ高井兄貴。この兄貴が持ちかけてきたのは、成功すれば森田が花月組の一員になれるビッグチャンスにもなる組の一大ミッション。そのミッションに必要な用意をするため、森田は高井兄貴に連れられて行きます。

  さて、この女子寮に住む女の子は現在4人。そのうちの二人、まみちゃんとゆり蚊ちゃんは、この女子寮にお友だちを招待していました。上手側からやって来たのはクラスメイトのまさとくんとゆたかくん。二人は渡り廊下を挟んだ男子寮で生活しています。
 
  実はゆたかくんには片想いの女の子がこの女子寮にいるのですが、まだ帰ってきていない模様。それまで2階のまみちゃんやゆり蚊ちゃんの部屋で遊ぼうよ!と階段を上がろうとする男子二人を慌てて止める女子二人。 この階段は旅館経営時代に、「施設内を勝手に改造するバイトのおじいさん」が働いていて、そのおじいさんが改造をしたせいでこの階段は男性が上ると装置が発動して坂のようにスロープになってたちまち真下へ引きずり下ろされてしまうというのです。たぶんそのおじいさん私もよく知ってる人だな……
  
  さらに現在は管理人のたまよさんが手を加えてより厳重な仕掛けが施されていました。
  試しにゆたかくんまさとくんが登ろうと一段上がった瞬間、寮中にけたたましく鳴り響くサイレン。そして飛び出してくるたまよさん。彼らを見つけると持っていたほうきを柄を下にして壁に立て掛け、さらには「ぶぶづけ(京都におけるお茶漬け)食わしたろか~♪」と奇妙な動きのダンスで男子たちを追い払います。ほうきを立て掛けるのもぶぶづけを食べさせるのも、京都に昔から伝わる「招かれざる客を追い払うおまじない」ですね。
  この八坂高校は共学でこそあるのですが、寮だけではなく普段の授業も男子部と女子部に分かれて受けるほど、男女間の交際については厳しいのだとか。

 
  そんな女子寮に、このたび転校生が入寮することが決定。やって来たその女子生徒はやたら背が高くて三つ編みの……女装した森田!!なんと花月組からのミッションで「森田展子」という名でこの女子寮に潜入することに!!たまよさんに「どこかで会ったことなかったかしら?」と疑われつつ、なんとか入寮の挨拶を済ませます。
  高井兄貴によればこの八坂高校女子寮に花月組組長の隠し子である女の子がおり、その子の命を敵対する吉本組に狙われている危険性があるため、ぜひ森田に「展子」として最低でも一ヶ月ほどここにいて201号室にいるその隠し子を護衛してほしいとのこと。
 
   しかしただでさえ女装というハンデがあるうえ、冒頭にもあったように熱狂的なドルヲタでもある森田は「大好きなアイドルのライブに行けないなんてやだ!!」と断固拒否。高井兄貴もドン引くほどのヲタっぷりを見せつけます。
  こりゃ別の奴に頼んだ方がいいかなーと高井兄貴が代役を探し始めたそのとき、寮に帰ってきたひとりの女子。その女の子、安世ちゃんを見て驚きテンパり騒ぎ出す森田。なんとこの安世ちゃんは森田が大好きなアイドルグループのメンバーで、森田の推しメンなのでした!!
  さらに安世ちゃんが201号室の住人と知り、彼女が花月組組長の隠し子でもあるということが判明!!愛する安世ちゃんを近くで見つめ、守るため、代役を探そうとしていた高井兄貴のケータイを真っ二つに破壊し、「私がやるしかないんですねぇ!!はぁい!!」とやる気満々の森田。

かくして女子として女子寮で生活することになった森田。無事ミッションをクリアできるのでしょうか?


 

 





 

 

 

佐藤太一郎企画その20 「グッド・コマーシャル」レポ④


 
  サンタクロース・妖精・天使・神様・小説・アニメ・ドラマ・そして芝居……この世の中には実は「嘘」が満ち溢れていて、でもなかには世知辛い世の中で前へ進むための「夢」とか「生きがい」をくれる嘘だってある。嘘がすべて罪ではない。

  ある番組で占い師の方が「占いの結果に反して嘘を伝えたことがある」と話していたことがありました。
 
見るからに弱々しくいつ倒れてもおかしくないような状態で、家族に付き添われてやってきたその依頼者は、病院で余命あとわずかと診断され、やはり占いでももう幾ばくもない命と結果が出ていました。
 
それでも占い師さんが勇気を振り絞って「あなたはまだまだ10年くらい長生きできる!」と嘘の結果を伝えました。

数年後にやって来たご家族の方は「あのときの言葉が希望になり、7年も長生きしてくれた。だから旅行へ行ったり治療にも前向きになったりとたくさん思い出が作れた。占い師さんが嘘の結果を言ってくれたのはもちろんわかっていた。医者からもすでに宣告されていたから。でもそう言ってほしかった。だからここへ連れてきた。あなたは私たちに希望をくれた」と涙を流しながら感謝の言葉を述べたそうです。
 
今回の芝居を見終わった直後に思い出したのは、そんなエピソードでした。

  たった三人とは思えないテンポの良さと濃さ!!一言一句、小道具ひとつにまで張り巡らされた伏線!!(これらをすべて書ききることはさすがに不可能でしたが…)
  常に笑いと驚きが隠されていて、見ていて飽きませんでした!!このお話の原作を書いた西野氏は変人ですが天才です。そんでもってそれを舞台でここまで表現できる太一郎さん・野村さん・木崎さんもすごい!!

  今回の公演は、チケット販売直後こそ好調で、あっという間に約400席のうち4分の3程の席のチケットが売れたのですが、1週間後に200枚以上の大量キャンセルが出て、結局また半数以上の席が売れ残る事態に……恐らく転売目的の輩が大量発注→大量キャンセルを行ったものと思われるそうです。それでも太一郎さんはめげずに今回も手売りを頑張り、見事完売を成し遂げたのでした。

  今回のルミネ公演が成功したので、今後の佐藤太一郎企画は年一ペースで東京公演を組み込んでいくこと・さらに今回のキャストによる「グッド・コマーシャル」が大変好評であるため大阪再演が決定!!見事危機を乗り越え未来へ繋げることができました!!

  閉場後はロビーにいる太一郎さんと写真撮影&少しお喋り。関東で公演をやってくれて本当に嬉しかったことを伝えました。

  そして帰りの電車のなかでネットニュースを見ると、今回の大量キャンセルにも荷担していたであろう、前から問題になっていた某チケット転売支援サイトが正式に業務停止命令を喰らったことが報じられていました。なんという絶妙なタイミング。
  転売を憎み、闘った太一郎さんたちの熱量が生んだ奇跡かもな、と思いながら、電車に揺られて帰りました。





 


 






 





 

 

佐藤太一郎企画その20 「グッド・コマーシャル」レポ③

   思いがけない同中出身者同士の再会ですが、大人になった今はそれぞれ強盗・人質(&共犯者)・交渉人という役割がはっきりと分かれている三人。芥川と木下は、相変わらず権力と女子にめっぽう弱いホクロマンこと久保をなんとか味方にしようと、「外にいる奴等にお前が中学のとき隠し撮りしてたことバラしちゃうぞ!!」と脅しをかけつつ、交渉を始めることに。

   久保がなんとしてでも犯人確保のための交渉をしたいのは、ズバリ「出世」と「恋愛成就」のため。それならばと木下はこんなストーリーを提案をします。

  犯人は久保の交渉により、涙を流して反省・改心する→その様子を彼女に見てもらう→ついでに上司である警察には「誰も傷つけていないし反省しているから、彼の未来のために逃がした」とでも言っておく→万事解決!!度量の大きさを彼女にも上層部にも見せつけられる!!

  そんなうまくいくかな…的なストーリーですが、久保はノリノリ。早速彼女に送るための「犯人が泣きながら久保の交渉を聞いている」という写真を偽装し、それと共に「中継を見て!」というメールを送ることに。
 
  と、ここで問題発生。スマホとLINEがすっかり主流になった昨今ですが、久保が愛用しているのはいわゆるガラケー。そしてこれまた懐かしいゆるキャラまりもっこり」のストラップ付き。これで写メールを送ろうとするのですが、この部屋の立地からはその機種だと電波がかなり弱いため、メール送信が出来ない!!
   そこで苦肉の策で、窓から手を伸ばして出来るだけ電波の強い瞬間を捕らえて送るというかなりの荒業を行うことに。久保は小柄なので、芥川が替わりに窓へ手を伸ばすことに。窓の狭さやら電波の悪さ、さらには腕への負担などでしっちゃかめっちゃかになりながらも、すべての苦労が報われるゴールへの一歩して、なんとかメールを送ろうともがく芥川と久保。


  そんな先輩二人を見て、木下の胸の中に何か熱いものが込み上げてきます。一度は諦めた夢が、もうすぐそばまで来ているような……今ならば心から「アクション!」の呪文が言えるような……何か新しい景色が見えるような……そんな予感でした。

   そんなこんなで、やっとメール送信を完了させた芥川と久保。安心しきって三人でビールを飲んで祝杯を挙げます。そのとき外から鳴り響く巨大なヘリコプター音。なんとそれは芥川の実家の近所の米軍基地からやって来たものだったのです!!

  たかだか立て籠りでなぜ米軍まで出てくるの!?と大パニックの三人がテレビを点けると、衝撃の事実が。
   なんとメールを送るために外へ出していた久保のガラケーの「まりもっこり」を目撃した警察が、とある世界的テロ組織のシンボルマスコットにそっくりだということで、この人質立て籠り事件にはテロも絡んでいる!!というぶっ飛び解釈でそ米軍に協力を要請したのでした。
  さらに報道特別番組のスタジオにはコメンテーターとして芥川がゴーストライターを担当した小説家が文化人枠で出演しており、これまで中継された犯人(つまり芥川)の声を「どこかで聞いたことある気がする」とまで言い出す始末。いよいよこの部屋に警察が踏み込み、芥川の正体とそこに荷担した二人の企みもバレてしまうのも時間の問題!!今度こそ絶体絶命大ピンチ!!

  絶望感から呆然とする三人。一旦コマーシャルに入る番組。ボーッと画面を見つめる久保。そこに入ってくる一本のコマーシャル。

  「ショートムービーフェスティバルの締め切りは今日まで!!ぜひあなたの想いを映画にぶつけてみませんか?ご応募お待ちしてまーす!!」


  その一本の、数秒のコマーシャルで、何かを思い付いた久保。泣きじゃくる芥川と木下に、彼は語りかけます。

  「世界一の嘘を知っているか?『嘘をついてはいけません』と教えてきた私たちの親が、私たちについた最大の嘘。サンタクロースだ。サンタクロースは実際にはいない。でも、親がサンタクロースの嘘をついてくれたから、私たちにとってクリスマスは楽しみな日になった。いい子でいるきっかけになった。その嘘を罪だとは、私は思わない。夢を見せて、未来を作る嘘だって、この世界には確かにあるんだ」

  わけがわからない、という顔できょとんとする二人に、久保が語る起死回生のアイデア。それは先ほどのコマーシャルにあった「ショートムービーフェスティバル」に絡めたもの。
 
  ビールを飲みまくり、木下や久保の私物である眼鏡やコンタクトがあること、そしてこれまで外の警察とのやり取りが支離滅裂だったことを利用し、「これまでの騒ぎはすべてショートムービーフェスティバルへ応募する映画の撮影。その撮影を見て警察が事件と勘違いした。しかし我々は酔っぱらったうえに視力も悪い状態で撮影をしていたため、こんな騒ぎになっているとは思わなかった」というストーリーをでっち上げよう、という計画です。あまりにも荒唐無稽なストーリー。それでも、誰も傷つけず誰も法に触れずに逃げきるためには、これが今の自分に思い付く精一杯の嘘だと久保は言うのです。
 
  そんなんできるわけないやろ、とふてくされる芥川。しかし木下は、この数時間の間にこの二人の先輩と起こしてきた嘘と言う名の奇跡があるから、「アクション!」の呪文をしっかりと言える予感がするから、この一発逆転の大勝負に乗ると決意。やがて芥川も覚悟を決め、ここまで来たら最後までやりきると決めます。

  とはいえやることは山積み。「フィルムフェスティバルに向けて映画撮影をしていた」という嘘を完璧に突き通すため、映画撮影をしていた形跡を作り出す必要がありました。映像やら脚本やらを用意しなくてはなりません。しかしそこで、この三人がこの場所に集まったからこそ実現できた奇跡が次々と起こります!!

  カメラとか専門機材ないよ!?
→なんとこの部屋の押し入れにカメラ他撮影機材がギッシリ!!
「ADは家を倉庫替わりに使われてるんで、こんなんもあるんですー!」

  でもこのカメラでどうやって撮影すんの!?
→盗撮すらやってのけた久保がいるじゃないか!!当然カメラの知識も豊富!!
「撮っておくれと、泣いてるぜ!!」

  脚本とかないと怪しまれない!?
→部屋にあったパソコンでリズムよくキーボードを叩き、これまた小気味良いワードを並べてそれっぽいプロットをガンガン仕上げていく芥川!!きちんと「人質」というワードも入れこみ、一連の騒ぎが撮影の一部だと思わせるようなストーリーを作成!!
「こんなんいかがでしょーかっ!!(ッッターーン!!)」

 
  誰がこの映画を撮るんだ!?現場を指揮して演出出来るような奴なんか……
→メガホンを持った映画監督志望の木下が豹変!!オネェ口調でキビキビと二人に指示を出していきます!!
「どうせやるなら大賞狙うわよ!!」
 

   夕日の光が窓から差し込む部屋で、木下監督演出のもと、芥川製作のストーリーを彼自身で演じて、久保がカメラで撮影するということに決定!!

 
「いいかいあんたたち!!ハッピーエンドは、汗で買いな!!泥臭くいくわよ!!」

  「オウッ!!」

「よーーい、アクションッッ!」


  ストーリーも役者もカメラも動いてひとつの「嘘」という名の「物語」が始まる呪文をついに木下が声に出すことが出来たところで、一瞬まばゆくライトが光り、次の瞬間暗転し、舞台は終幕。

  最後にあと少しだけ、色々語ろうと思います。




 


 






 





 


 

佐藤太一郎企画その20 「グッド・コマーシャル」レポ②

   レポ①はこちら→http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2017/12/17/132634


  もうこの部屋にそう長く立て籠れないし立て籠る必要もないと確信したゴーストライター強盗はど天然人質の木下にも脱出の協力を要請。
  
先程警察に身代金と共に要求した「逃走用のバイク」は実はカモフラージュ。真の脱出ルートはこの木下の自宅の庭にあるのです。
   木下の自宅の庭は手入れをだいぶ怠っているため草木が生い茂り、外からは様子がかなり見えにくくなっていること・そして今でこそ使われていないものの、下水道へと繋がるマンホールがあることが、小説家がこの家を犯行現場に選んだ理由でした。そのために本来なら水道局員しか持てない下水道マップまでどうにかして入手したほど。
  その発想と行動力に感心する木下。そして何の気なしに笑顔でこう言います。
 
   「あのマンホール、僕の両親が中の穴は塞いで、マンホールそのものはレトロで趣きあるんで取っておいてあるんですよねぇ~」


  この木下くんは肝心なことをすぐ言わない悪い癖があるようで。おかげで小説家さん、発狂しながらせっかく手に入れた下水道マップをビリビリに破いて泣き出してしまいました。オロオロしながらも、自分に生きる希望を取り戻してくれたこの小説家のために、木下はあるアイデアを思い付きました。

  警察は、「この家の住人」が人質に取られていることは知っていますが、その人質の正確な人数までは恐らく把握していないのではないか、つまり、人質が木下ひとりだけではない可能性だって生み出すことが出来る。そのため、小説家も「人質のうちのひとり」のふりをして警察に保護されればいい!!というのです。小説家はそのアイデアを採用することに決定!

  どうにか脱出できそうな案にひと安心したのか、気をよくした小説家と木下は部屋にあるビールで乾杯!!ここではじめてこの小説家が「芥川」といういかにも文学に携わっていそうな名前だと判明。この芥川、実は木下と同じ市内の、米軍基地のすぐ近くに住んでいる者で、しかも同じ市内=同じ中学の卒業生ということもわかってきます。
 
  同中ということで一気にテンションが上がり、母校のマニアックな思い出クイズに突入。そのクイズのなかで、芥川の同級生で木下にとっては卓球部の先輩でもあった「久保」という生徒のことが話題に上がります。
  ざっとその久保の特徴を挙げると

  ・いつも先生のご機嫌とりをしているスネ夫的ポジション
  ・埼玉から来たのに東京出身と偽り「~じゃねーし」というワードを多用
  ・カメラに詳しく撮影時には「撮っておくれと泣いてるぜ!!」という台詞を言う
  ・そのカメラ技術を生かし、女子水泳部の隠し撮りをした
  ・顔にやたらでっかいほくろがあり、それはピノキオの鼻の如く嘘をつくたびに大きくなるという噂
・そのためあだ名はホクロマン

  かなり強いクセを持つ久保の悪口でゲラゲラ笑っていると、ずっと外で待機している警察が、あまりにも動きを見せない強盗にイラつき、ついにネゴシエーターを投入することに決定!!今から部屋に向かわせると宣言されます。
  こうしちゃいられない!!と一先ず服を着替えることから始めようとする二人。木下は自分の着ていたジャージを脱いでパンツ一丁になると、それを芥川に着せようとします。
  次に芥川の目元を隠そうとしますが慌てていたせいで、芥川がテーブルへ置いていたサングラスが破損。ないよりましだろうと木下が部屋から見つけた目だけを隠せる仮面を差し出します。そしてそれとワンセットだというやたらぶっとい赤いローソクも用意されます。ADをやっているだけあって色んな道具がこの部屋には物置き替わりで置いてあるのでした。
   やがて近づいてくる足音。ネゴシエーターが部屋にやって来ます。とりあえず電気を消して木下はあの自殺用ロープに手をかけ、その傍にあの仮面をつけて立つ芥川。そして開くドア。走る緊張。

  
  やって来た交渉人(祗園・木崎さん)はグレーのスーツに身を包み、木下や芥川と比べるとわりと小柄で眼鏡をかけ、なかなかの美男子なのですが、その顔が正面を向くと、なんとでっかい黒子が!!そう、この交渉人こそ、大人になった久保だったのです!!

  久保はパンイチで紐に括られていてる木下、そしてその傍にいる仮面をつけた芥川、さらには床に放置されたぶっといロウソクを見て、完全に「マニアックなプレイの真っ最中」と勘違いしている模様。しかし二人はそのでっかい黒子と「じゃねーし」という口調ですぐこの男がさっきまで話題に上がっていた久保だということを確信。同級生と後輩だということを告げ、さらに同中のよしみと「もう人質に取る必要も身代金もいらないからとにかくどうにかして逃がしてくんない?」と交渉を試みますが……

「それはできないな!!このミッションを成功させれば出世が約束されてるし、いい感じになってる彼女にもプロポーズするつもりだ!!だからなんとしてでもこの事件を解決する必要がある!!」


果たしてこの久保を味方にすることは出来るのか!?年をまたいでレポは続きます!!








 

 

 


 


 

佐藤太一郎企画その20 「グッド・コマーシャル」レポ①

   今年3回目の佐藤太一郎企画は、なんとルミネでの東京公演!!ずっとアンケートに「関東でもやってください」と頼んできてよかった!!
  演目は企画のなかでも屈指の名作と言われている「グッド・コマーシャル」!!なにかと世間をお騒がせのキングコング西野亮廣氏作の小説が原案のお芝居だそうです。

   舞台の上には既にセットが出来上がっており、そこはかなり年季の入った和室。上手には小さな窓付き。畳の上にはいくつか段ボールが置かれており、壁には「アメリ」や「ロボコップ」といった名作映画のポスターとともに、なんとも意味深な言葉の掛け軸が……
 
  【縛られてからが勝負】
   【叩かれても笑い続けろ】
    【その痛みを体に刻み込め!】

   ……部屋主はドMなのかな?と一抹の不安を感じながら、部屋入り口である下手の上を見つめると、なんと輪の形に結ばれたロープが天井からぶら下がってる!!あの形は、そう、あの行為をするための……


  開演と共に舞台は暗くなり、そのロープだけがぼんやりした光に吊るされると、そこにやって来たのは太一郎さん演じる、この部屋主の木下。とあるテレビ番組製作の下請け会社でADとして激務をこなしている青年。
  木下は思い詰めた顔で椅子の上に立ち上がり、例のあのロープの輪に自身の首をかけようとします。が、直前で「これ絶対苦しいもん!!」と諦め、それならナイフで…と腕に刺そうとしますが、やはり「絶対痛いもん!!」と断念。でももう生き地獄にはいたくない。悩む木下。

   そのとき、突然部屋に入ってくるニット帽とサングラスの男(プリマ旦那・野村さん)。彼の手には……ピストル!!
  驚く木下に、大人しくするよう促すと、グラサン男は窓を開け、外に向かって叫びます。

  「おいよく聞け!!俺はここの住人を人質に取った!!このピストルがあれば一発でこいつはあっという間にあの世行きや!!」

  なんとグラサン男の正体は強盗!!木下は人質になってしまったのです!!……が、あるワードを聞いて目を輝かせる木下。さらに窓の外に向かって叫ぶ強盗。

  「身代金一千万と逃走用のバイク用意せぇ!!でないとこいつを殺す!!」

  「おねがいしまっす!!」

  「!?  Σ(゚ヽ゚)」


  人質からの思いがけない反応に慌てて窓を閉め、振り返り木下を見つめる強盗。木下の目には怯えや恐怖はなく、キラキラと希望に満ちており、強盗の手にあるピストルを見つめます。

  「……そのピストルで撃ってくれたら、僕は、苦しまずあっという間に死ねるんですよね?よかった、これでやっと死ねる……さぁ!!一発ぶち抜いちゃってください!!」

   人質の斜め上過ぎるリクエストに強盗は大混乱。部屋を見回すと、あの輪っか状に括られたロープ、そして果物を剥くためではない目的で置かれたナイフを発見。さらにテーブルには一枚の紙があり、そこにはこんな文面が……

  【先立つ不幸をお許しください】


  やっとこの人質がよりによって自殺志願者だと理解する強盗。どうやら殺すつもりなど最初からなかったようで、いくらなんでもそりゃだめだと木下を説得しますが、木下は聞き入れず「お願いだから殺してください!!」と懇願するばかり。
  仕方なく強盗は取引を持ちかけます。「お前を楽に死なせてやるために、お前も俺の言うことを聞いてくれないか?」と。承諾する木下。

  一先ずは外にいる警官に①強盗に人質に取られた②人質は身代金一千万と逃走用のバイクを要求している③要求に答えないと人質である自分は殺される、ということを伝えてくれと指示する強盗。張り切る木下。①と②は無事に言えたものの、③の最後で「僕は殺してもらえません!」と余計なワードを言ってしまったがために台無しに。ぶちギレる強盗。しょげる木下。 

   そもそもなんでお前そんなに死にたいわけ?と強盗は聞き出します。
部屋に飾られた名画のポスターからもわかるように、映画が大好きな木下は、映画監督を夢見ていました。監督となって、その一言で役者もスタッフも一斉に動き出して物語が始まる「アクション!!」という魔法の呪文を唱えてみたかった、と言うのです。
   そしてそのための勉強として映像製作に携わる会社に入ったのですが、実際にはTV局からの孫請けのような形の仕事ばかりで、特に下っ端の木下は長年ADとして毎日毎日、本人曰く「馬車馬のように」働かされていたのです。昼夜を問わない激務による疲れと、いつまでたっても夢に近づくことのできない絶望感から、ついには自殺願望が芽生えてしまったのでした。
  

  そんな木下は今度は強盗に、なぜこんな大がかりな事件を起こしたのかと聞きます。強盗は元々は普通の生活を送っていた一般人でしたが、元々文章を書くのが好きだったので、ふとした思い付きから小説を執筆。出版社へ応募したところ、編集部から連絡が来て、本を出版することに。   
  しかしそれは本人名義ではなく、有名なある作家の名前を借りて。つまりゴーストライター契約を持ちかけられたのでした。
  その作家と作品名を聞き驚く木下。なんとその作品は増刷を重ね何万部も飛ぶように売れ、実写映画化も決定している今話題の大ヒット作なのです。よく見るとセットの本棚にその本が並べられているのを後から発見し、細かいところまで良くできているなぁと感心しました。
   しかし契約時に交わした取り決めにより、本来執筆した強盗が貰える印税は「初版の」売上の数%。なのでどんなに増刷しても映画化となっても印税も手柄も有名作家のもの。そうとは思わず大金が入り込むと思い込んで浮かれてギャンブルに明け暮れ、気づけば一千万円という多額の借金を抱え、ここまできたら死ぬ気でやってやろうとこの計画を立て実行したのでした。

   木下もその作品は読み終えており、特にラストシーンの「長い旅から帰ってきた主人公に母親がいつもと変わらず夕飯を振る舞ってくれる」ところがたまらなく好きだと本当の作者である強盗に興奮ぎみに感想を述べます。しかし作者曰く「あの作家が勝手にカットしやがったけど、本当はもう少し長いラストシーンだった」とのこと。
  
  その夕食を終えたあと、主人公は母親が自分がいない間も毎日一人分多く、つまり家出をした自分の分も夕飯を作ってくれていたことを知ります。それを受けて母親に「もう自分は大人なんだから自分の食事くらいなんとか出来る。無理して一人分多く作る必要ないよ」と話しますが、母親は笑ってこう答えます。
    
「お母さんが作っていたのは“一人分多く”じゃなくて、“家族全員分”なの。だから必要ないことないのよ」

そこに強盗作者は「この世に必要のない人間などいない。必ずなにかを成し遂げ果たすためにこの世に生まれ存在している」というメッセージを込めたのでした。

  気づくと木下は俯き、体を震わせていました。そして顔をあげると、その大きな瞳からは滝のような涙が!!(ほんとに太一郎さん涙流してるのがよく見えた)  大好きな作品の本当の作者からのメッセージに心を打たれ、死ぬことをやめしっかり夢に向き合って生きる!!きっといつか「アクション!!」と叫んでみせる!!と決心します。それを聞いて安心する小説家強盗。いい作品書いて良かったね!


  生きる希望を取り戻してくれたお礼に木下が強盗小説家に渡したのは一枚の紙。仕事で大量買いした宝くじがあり、そのなかに当選した枚数はいくつあるか数えておけと命じられたようなのです。
  そのなかに一枚、見事当選したものがあり、その金額は……

 
  「さすがに一等ではないんですが、一千万円はあるはずです!これよかったら受け取ってください!!」

   ……なんで早く出さないの、
それ!!! (゚皿゚)


  いよいよ人質をとってまで強盗した理由がなくなったゴーストライター小説家の顔は真っ青!!表には待機する警官や野次馬が大勢おり、さらにはテレビ中継まで始まってしまいました。
  さらに警察は、いつまでたっても動きを見せない犯人に業を煮やし、ある人物にすべてを託すことを計画していました。


  この密室から、果たして強盗小説家は脱出できるのでしょうか!?続きます!!
 


 

 

7・8・9月観劇レポ


お久しぶりです!今回は夏から秋にかけての観劇レポをダイジェストでお送りいたします。

【7月→FILL-IN~娘のバンドに親が出る~】

   新喜劇が誇るスーパー座長の内場さんが外部舞台の主演に!しかも東京でやる!!そんでもってドラムまで演奏しちゃう!!  そんな気になることだらけのこの舞台に普段はチーム辻本推しの私も行ってみることに!というのもゴールデンウィークに行われた東京グランド花月に内場さん推しの友人に誘われ、古きよき伝統を重んじる正統派のチーム内場公演にすっかり魅了されていたのでした(笑)
 
  勘当した娘が突然の事故死、しかし涙も悲しみも湧かない仕事人間の幸吉が、ひょんなことから娘のルーツを探る旅に。そこで娘が仲間とバンドを組み、ドラマーとして活動していたことを知る。さらにさらに、そのバンド仲間の一人から焚き付けられ、自分が娘の代わりにドラマーとしてバンドへ加入することに!!

   仕事以外は無気力&無関心なダメダメ親父なのに、どこか憎めないのはやはり内場さんが持つ「程よく力の抜けたオーラ」がそうさせるのか、気づけば幸吉の不器用ながらも懸命にドラムを学ぶ姿に目が離せなくなっていきます。
  仕事一筋の幸吉にとって、「人生の『主食』である仕事以外のすべての物事は無用で無意味なもの」とまで極端な考えだったのですが、このバンド加入をきっかけに「音楽は人生における、楽しみや出会いを増やしてくれるような『おかず』のようなもの」ということを学んでいきます。
  この「おかず」という表現が大変面白いもので、実はドラムの演奏方法のひとつの通称でもあるのです。さらにこの「おかず」という演奏方法の別名がなんと「フィルイン」!!さらにさらに「FILL-IN」は訳すると元々は「埋め合わせる」という意味!!つまり「FILL-IN」とは「ドラムを通して娘との空白時間とバンドのドラムパートを埋め合わせて、さらには人生のおかず的要素を学ぶ」という意味がこのタイトルに込められているのですから原作者の後藤大王の発想力には脱帽です。

  バンド演奏をする大舞台で力強く、そして流れるようなリズムでドラムを叩き、そのドラムセットを通して仲間と見る景色に、「こんな楽しい世界を知った自分の娘は幸せな人生だったんだ!!」と同じ景色を見られたことで心からの幸福を感じる幸吉。それに合わせるように一体になる会場。
  しかし、演奏が終わったあとに待っていたのは「同じ景色は見られても、もう娘と自分がこの同じ瞬間を生きることは出来ない。なぜなら娘は死んだから」というとっくに訪れていたはずなのに忘れていた残酷な現実。幸吉は妻に抱き抱えられ、バンドメンバーに見守られながら、今は亡き娘の名前を呼び続け、子供のように泣きじゃくったのでした。
  
  程よい力加減で、しかし目線や表情にまでひとつひとつ丁寧に神経を行き届かせて表現する演技はさすがスーパー座長。3ヶ月ほどでドラム演奏を習得する集中力の高さも、本番前日リハが当たり前の新喜劇で鍛えたものかと思われます。

  そんな内場さん、この記事を書いている10月現在、朝ドラ「わろてんか」の出演が決まっています。今年は新喜劇の舞台を飛び出し、映画やドラマや外部舞台など演技のお仕事が増えた内場さん。活躍の幅が増えるのは嬉しいことです。とはいえ、落ち着いたらまた新喜劇の本公演にも戻ってきてね!まだまだ新喜劇には内場さんの存在が必要なのです!!


  【8月→きょうと新喜劇】

  森にぃが定期的に開催しているこの公演、ずっと気になっていたのですが第六回目にしてついに初参戦!!
 
  これまでは「元祇園の芸妓・のぶ代」や「京都の坊主・ノブリン」などオリジナルキャラで物語が進行しましたが、今回はチーム辻本の本公演で今やすっかりお馴染みの「緑スーツのヤクザ・森田」で登場!!このヤクザ森田が兄貴分の黄色スーツのイケメンヤクザ・アキさんと共に借金取りと麻薬密売現場の取り押さえに奮闘する物語になっておりました。
  ゲストには京都出身の大御所・くるよ師匠も登場!!パステルカラーでモコモコしたわたあめみたいなお衣装で登場し、なんとこれは今回初めてお披露目した新作!これには森にぃも大感激!!
  お話も、京都にちなんだ地名やお寺がキーワードとして出てきたり、冒頭さらっと触れた部分が実は……な伏線になっていたりと、丁寧に練り込んで作り上げたものとなっていました。あの緑のカッパヤクザさんなかなかやりますぞ、といつも彼をいじくり倒すあの青ジャージのおじいさんにも見せたかったほどです(笑)
  やっぱり森にぃは頭の回転はかなり早いし発想も豊かなんだなぁと実感。

  個人的に驚いたのは刑事役のレイちゃんがうっかり重要な小道具であるケータイを忘れたとき、たまたまテーブルに前から置いてあった別のケータイ(その前に出た演者が持ち帰り忘れたもの)をうまーいこと使ってそのシーンを切り抜けたこと。カーテンコールでネタばらしされるまで、わりと前のほうの席なのに気づかないほど自然にこなしていました!!こういうのは場数を踏んでないと出来ないアドリブですものね。さすがです。
  あと同じく刑事役のゆり蚊ちゃん、チェンバル語ネタで思い出しました。よく「爆笑レッドカーペット」とか出ていましたね!  (゚皿゚)ガッグワッガッギャッ!!←(チェンバル語でおもしろかったよ!のつもり 笑)

 
  【9月→エンタメ新喜劇】

   NGT改装前の最後の日、エンタメ新喜劇に行って参りました。
  相変わらず大人気なこの公演は3DAYSなうえDVD化も決定!
  お話の内容としては、アキさんが映像に残して初めての人にも心に残るようにという願いからか、ほぼ第二弾のリバイバルのような内容でした。確かにメッセージ性がものすごく強い作品なんですよね、これ(ストーリーなど詳しくはこちら→http://nakumelo.hatenablog.com/entry/2016/02/25/110635) 。相変わらず動きはダイナミックかつパワフルで、でも見せるところや伝えたいことはしっかり演技で見せてあたたかい気持ちにもさせてくれました。

  終演間際には桑原レジェンドがどんどんと進化を続けるアキさんを讃え、そんなアキさんを見出だし名コンビとして新喜劇の舞台を盛り上げている茂しゃんへ向けての賞賛のお言葉をいただきました。
  
  最近の新喜劇はなんだかめまぐるしく環境が激変し、正直ついていけないかもと思った瞬間も多々ありました。
  そんななかでも茂しゃんやアキさんはマイペースで変わらずに現場主義で、特に茂しゃんが芸能生活30周年の今年は各地の色んな会場で公演をしてくれました。関東にもコントSPを含めたら今までよりずっとずっと来てくれるようになりました。
  そういう地道で基本を忘れない活動を認めてくださる方がいて、しかも舞台でしっかりとファンに向けて言葉にしてくださったことは、とても救いになりましたし、こちらまで誇らしくなりました。
 
 
  恒例の閉幕後の写真撮影会は、DVD予約の特典として行われました。もちろんDVD欲しかったので予約して参加!!
アキさんと写真撮影後、握手をしたとき思いきってずっと言いたかったことをお伝えしたのですが、あのザワザワしたなかで私のたどたどしい声と言葉を、わざわざ体ごと傾けて耳を近づけて聞いてくださったこと、そしてそれに対して笑顔で「ありがとう」と答えてくださったこと、本当に嬉しかったです。

  「アキさん、絶対、座長になってください!!」とこのときお願いしたことが実現するその日を、私は、どんなに時間がかかっても待っています。