nakumelo’s blog

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ひみつの茂造レポ④ ~バックステージと感想~

遡ること、本番約3ヶ月前の、1月………

 
森にぃの「きょうと新喜劇」を観劇した翌日の土曜日、早朝のあさあさ新喜劇も観劇した私は、帰宅前にお昼ご飯を食べに、例のコロラドさんへ。

  ソワソワしながらカレーを食べていると、やっぱりやって来ました茂しゃん!そして、後から遅れてやって来たのが、今回悪役カネヒラを演じ、さらには作家として製作にも関与している吉田佳さんでした。

  お二人とも、苦い顔で台本らしき紙の束とにらめっこ。佳さんはため息もついていました。

  席が近くゆえぼんやりと聞こえてきたのですが、どうやら普段のチーム辻本の本公演に関わる作家・演出家の方々がこの時期大流行していたインフルエンザでダウン。この「ひみつ」だけではなく、NGK祇園西梅田・さらにはこの頃行われていたルミネ新喜劇の台本も、このコンビでやっていかなくてはならなくなったようでした。

 
「まぁ、やらなしゃあない。進まなしゃあないけどな」


  茂しゃんのあのとき何度も呟いたこの言葉は、今でも鮮やかに甦ってきます。


 
さらに「ひみつ」観劇日当日。

  やはり友人とコロラドさんへ。そしてやって来る茂しゃん。先に佳さん以外のお二人の作家・演出家の方がいらしていました(後から聞いたところ、佳さんは4月は外部舞台も兼任していたようです)。

  ところが席について5分経たないうちに眉間にシワを寄せ怒りだす茂しゃん。たちまち激論モードになってしまい、その迫力に我々は圧倒され「これ一回お店出てちょっとよそ行ってまたあとでご挨拶しよう……」と仕切り直すことに。
 
 
  「俺はいいものを作りたいだけなんだ」

  帰り際にはそんな声も聞こえました。


   「前を向いて進む」
「いいものを作って届ける」


  その言葉通りの作品を、茂しゃんは、しっかり舞台から見せてくれました。お会いすればお声もかけてくれるしお写真やサインだって応じてくださる。でも彼のいちばんのファンサービスはやはり最高の舞台を作って観客に届けてくださることです。

    佳さんも制作だけではなく、あのカネヒラというとんでもないエネルギーを放つ悪役を演じるのは、とても大変だったようです。毎夜終演後にラーメンを食べに行かれているツイートをされていましたが、それでも痩せてしまうんだとも話しておられました。  それだけ全14ステージすべてにエネルギーを発して演じていたんだと思います。

  あいはらたかしさんも、去年一昨年と厳格な父親役が続いたので、「美しき謎」以来の某デラックスのようなはじけたオネェキャラがまた見れるとは……!!去年一昨年とのギャップがすごかったです。役者さんてやっぱりすごいなぁ。

  個人的に、ひとつ残念だったのが、アキさんと森にぃの出番がやや少な目だったこと。ただこれはお二人が4月にそれぞれ主催公演があり、練習が十分に出来なかったこともあるようです。それだけもうすっかり人気のお二人になりました。4年前なんてこのお二人は自分が出るときに自ら手をパンパン叩いて拍手を促していたほどだったのに!!今や出た瞬間に拍手と歓声が響くようになりましたものね。
   この件については終演後にホテルで手紙と共にしたためたアンケートに「来年は是非お二人もシリアス芝居パートに」と書いておきました。

  

  今回はこれまでと違い、茂造本人は出てきません。茂造そっくりのゲンゾウじいさんと、見かけこそ茂造でも中身はカズヤという別人格。

   それはまるで茂造が「変身」しているような……そう、タイトルの元にもなったであろう「ひみつのアッコちゃん」のように。

  これまでの茂造夜芝居シリーズは夢への挫折やトランスジェンダー児童虐待、DVやいじめや親子間の不和など現実的な社会問題をピックアップしていましたが、今回は輪廻転生という、藤子先生提唱のほうの「すこし・ふしぎ=SF」な要素がピックアップされました。そのうえで、これまで同様の現実的な問題も入れつつ、「人との絆」「希望をもって困難に立ち向かって前へ進む」という一貫したテーマは今回も健在でした。

   カズヤの魂はあのまま闇をさ迷うとしても、みんなを見守ることが出来るなら、それだけでも希望になるんじゃないか。そしてヨウコやユイ、そして工場のみんなはカズヤとの思い出や彼から受け継いだ志を胸に彼を忘れずに生きていってくれるんじゃないだろうか。目に見えたり直接触れられるものばかりが「真実」ではないんじゃないだろうか。
  「いつしか遠く離れても確かな絆は途切れない」という歌がありました。彼らには是非そうなってほしい。そうしたら……奇跡だっておこせるかもしれない、と。そんな風にも思いました。





  
 



 
 

 
 

ひみつの茂造レポ③

  カネヒラはイチノセと名乗り、工場社長であるサツキに近づき、結婚することによって工場を乗っ取ろうというハニートラップ的な作戦でこの工場の土地を奪おうとしていたのでした。

  その企みに気付き、戸惑いながらもなんとか引き留めなくてはと奮い立つ茂造。今現在この事実を知っているのは魂はカズヤである自分のみ。

  しかし、今はカズヤではなく茂造であることは、不利でしかありません。

  いよいよみんなが見ている前でイチノセがヨウコにプロポーズしようとしているとき、ひたすら慌てて引き止める茂造。しかし上手いこと反対意見が見つからず、やがてサツキを始め周りはイラつきだす始末。やがて「私の幸せを邪魔しないで!!」とサツキが泣き出してしまいました。怒った工員が茂造を追い出そうとします。それをオロオロしながら見ているしかないヨウコとユイ。

   「そいつの本当の名前はカネヒラだ!!あの地上げ屋の仲間だ!!そいつがカズヤを殺したんだ!!」

「なんであんたがそんなこと知ってるんだよ!?」

  「それは……俺が……伊藤カズヤだからだ!!」

  「はぁぁ!?アホなこと言うな!!もう、出て行けっ!!」

  羽交い締めにされ追い出される寸前、茂造が一か八かの賭けで叫んだのはカズヤとして持っていたヨウコやユイとの思い出。リンダが「正体を明かしたらあなたはもう……!!」と止めるのも聞かず、一言一句はっきりと伝えていきます。


   ヨウコと初めてデートした祇園で、ヨウコが抹茶ソフトを舞子さんのお着物に付けてしまったハプニング。
 
  コブクロの「永久に共に」の歌詞を引用して「なんかそれ縁起悪いじゃないの!」と笑ってツッコまれながらも受け入れられたプロポーズ。

  陣痛に苦しむヨウコよりも大きな声でラマーズ法をし、看護婦さんに「おとうさんうるさい!!」と怒られたユイの出産。

  すべて、カズヤだからこそ知っている記憶でした。

 
  その正確さに驚くヨウコとユイ。そして確信します。この茂造は亡き夫・亡き父だと。思わず抱きしめ合う親子三人。そして工員たちもまた、それまでの茂造のやたら自分達のことに詳しい言動から、この人はカズヤ専務なんだと実感。ついにヨウコも涙ながらに「私はこの茂造さんが嘘をついていると思えない!!」と断言。
  まさかこんな展開は予想していなかったイチノセ。茂造に向かって怒りを込めて怒鳴り散らします。

  
「茂造さん、あんた、邪魔だ!!」


 
その「邪魔」という声と響きを聞いた瞬間、頭を抱えうずくまるユイ。脳内で何度もそれがリフレインし、だんだん甦ってくるあの日の忌まわしい記憶………そしてイチノセをじっと見つめ……


   「このひと……おとうさん、うった……おとうさんは、このひとが、ころした……」


  さらにタイミングよく刑事もやって来て、事件当日犯人が使ったと思われる車が修理工場から発見され、そこにあるドライブレコーダーを手がかりに犯人が「カネヒラ」という地上げ屋の元締めであるヤクザであることも特定できたとのこと。すでに逮捕に向けた手配も済んでいました。

   あと一歩のところで思わぬ邪魔が入り、怒り狂うイチノセ、もといカネヒラ。ついに本性を現すと、戸惑うサツキの手を振り払い、銃を振りかざします。
  「こんなことならお前もあのとき始末しておくんだった!!」と目を付けたのはユイ。彼女を人質に取り、逃走用の車を要求します。

  刑事がどうにか説得している間に、茂造が注目したのはカネヒラの真上にあるダクト。カズヤの亡くなる直前まで壊れたままで、劣化して大きな穴が空いていたのです。
  リョウスケを呼び出し、そばにあったボールを引き寄せ、ダクトの穴へ向けてシュートするよう指示する茂造。プレッシャーのなかリョウスケが投げたボールは見事穴の中へ!!そしてそのまま通気孔を通り、カネヒラの頭上へ落下!!驚き痛みを堪える間にユイを救出しました。
 
  すっかり怯えたカネヒラから銃を奪い、かつての自分の命を奪い、さらには周りの人間をも危険な目に遭わせた憎き相手に銃口を向け、頭に押し付ける茂造。このままいっそ殺してやろうとも一瞬思ったのでしょう、しかし、思いとどまり、「バン!!」と声に出しただけで実際には撃たず、そのまま警察に引き渡したのでした。

 
  ついに悲願だったカネヒラの工場乗っ取り計画からの死守を達成。しかし最大注意事項であった「伊藤カズヤとバレないようにする」の掟を破ってしまったため、もうこのカズヤとしての魂は輪廻転生を行えず、永遠に闇をさ迷うことになりました。
   リンダによれば、今のこの茂造として生きている状態も、もうあと僅かしかいられなくなったとのこと。残りの時間、みんなは精一杯のお別れをします。

  一人一人に優しく、力強く声をかける茂造。どの言葉からも、出会えて良かったと思う喜びと、これからの未来はどんな困難も強く前を向いて乗り越えてほしいという願いが込められていました。

  最後は、ユイとの約束であった「バージンロードを一緒に歩く」を、その場で真似事をしながらゆっくり、涙を流しながら、そして同じように泣きじゃくるみんなが見守るなか、行いました。


   「……時間です」


  リンダのその声で、決意したように前を向く茂造。もうその目に後悔はありませんでした。

  「待って!!あなた!!」
  「行かないで!!おとうさん!!」
  「専務ーー!!」

  みんなが叫ぶなか、突然轟く雷鳴、そしてふっと包まれた一瞬の闇。次の瞬間、もう茂造とリンダはいませんでした。

   ふと作業所へ繋がる入り口を見ると、そこには元の姿のままのカズヤが、優しく穏やかに微笑んで、みんなを見守っていました。


  さて、あの世とこの世の狭間では、また別の「現世への未練を断ち切れない死者の魂」がやって来ました。
  なんとそれは、ゲンゾウじいさんが仕掛けた「結婚を許してもらうための一芝居」に協力した際、拳銃で撃たれてしまった緑スーツの森にぃ!!おなじみの防弾ブラジャーも着けていたのに!!

  がっくりうなだれる彼の頭皮がカッパのおさらのようにピカピカ光っているところで、終演。


最後に、あと少し色々語りたいなと思います。




  
 

ひみつの茂造レポ②

   さて、現世ではカズヤの死から3ヶ月ほど経って百箇日法要も済み、少しずつですが工場のみんなは前を向き始めて協力しながら運営をしていました。

  ちなみにゲンゾウじいさんは、なんとカネヒラが外に向けて撃った一発目の銃弾をたまたまその場を通りかかったがために喰らってしまい、あっさり亡くなってしまっていました。遺影には白目を向いてふざけているとしか思えない変顔。こういう写真しか家になかったそうな……

  
  笑い声も少しずつ戻りつつある原田繊維工場に、この度新採用された茂造がやって来ます。しかしその中身は……亡くなったカズヤなのです。      
 
   懐かしさで思わず自己紹介の時涙ぐみ、長い付き合いだった工員たちのプロフィールもばっちり把握済み。愛しい妻や娘には思わず手を握りしめたりギュッと抱き締めたり……しかし周りからしたら「やたらみんなのことを調べ尽くしていて馴れ馴れしくて不気味なおっさん」にしか見られず、やや距離を取られる茂造。

   事件担当の刑事(濱田亮平さん)がやって来て、目撃者であるユイの記憶をどうにか呼び起こそうと、脳科学者を工場へ連れてきたのですが、それがパツパツの派手な競輪選手のような服装に、おかっぱの黒い長い髪。さらに名前が「佐村河内」というもうダメじゃんそいつみたいな疑惑だらけの専門家(アキさん二役)がやって来ます。
   専門家は「記憶を呼び起こすための儀式」と称して茂造に梅干しを食べさせ、二階から種を飛ばしてそれをゴミ箱で見事キャッチ!というどこかて見たことあるような一連の流れを「血圧上がるのに…」とリアルに不安げな茂造に二度も梅干しを食べさせ、さらにはユイにもゴミ箱キャッチをさせて会場を盛り上げつつ、結局手がかりになりそうな記憶はなにひとつ呼び起こされることなく佐村河内は去っていきました。何しに来たんだよ!

  
   ひとまず新人工員として働き始めた茂造。しかしそこで、カズヤとして生きて過ごしていたときにはわからなかった、様々な「ひみつ」を目撃することに………


   ヨウコとは幼馴染でもあったコウタ、実はかつてヨウコとコウタは交際をしていて、しかも今もなおコウタはヨウコには好意を寄せており、 なんと彼女にプロポーズ!!「前の仕事クビになったとき世話したの俺(カズヤ)だぞ!?」とぶちギレて飛びかかってぶん殴る茂造。しかしヨウコは快く承諾。そしてユイまでも「おかあさんとコウタにいちゃん、おとうさんがいないときランチ行ってたりしてたもんね」とさらりと二人の関係を承認していた模様。ガックリと肩を落とす茂造もといカズヤ。


  さらに茂造がこっそり目撃してしまった「ひみつ」がふたつ。
  
   ひとつは足を怪我して以来「足に力が入らない。だからもう選手として復帰はできない」と弱音を吐き、未だ車イス生活のリョウスケが実はとっくに完治していて、普通に立ったり歩いたり出来るという事実。さらには「いつでもまたプロへ戻るための練習が出来るように」と工場に取り付けてもらったバスケットゴールへボールを投げてみせますが、まったく入りません。茂造曰く「めっちゃヘタクソ 」
 
  婚約者のサヤカ(島居さん)と大喧嘩をしてまで「俺はもう立てない!」と嘘を言い通すリョウスケをひとり冷ややかな目で見つめる茂造。ついにはサヤカと別れると言い出すリョウスケに我慢ができずついに「嘘までついて一方的に別れるなんてサイテーだぞ!!」と一喝!!
  
  するとそこに「そうよ!!その通りよ!!ひどいわ茂造!!」とやってくる、某デラックスを彷彿とさせる金髪巨体オネェ(あいはらたかしさん)が乱入!! どうやらカズヤが憑依する前の茂造となにかしら関わりがあったようですが、まったく身に覚えがなくオドオドするしかない現在の茂造(カズヤ)。しかしリョウスケに強く言った手前無下にすることも出来ず、ひとまず話を合わせることに。
  どうにか「リンダ」という名前を当てずっぽうで導きだしたものの、「アタシを愛してるなら態度で示して!!」という無茶ぶりをかまされ、そこで茂造が体を張って行ったのは……ガチのキス!!!! 製作記者会見で言われていた見所のひとつ、「キスシーン」はここでした!!
 
  結局リョウスケが嘘をついてまで頑なに歩けないと主張していたのは、もう一度プロの選手としてやっていける自信がなかったから。それならいっそ歩けないフリを続けた方がいいのかと思っていたそうです。しかし茂造渾身のキスのおかげもあったのか、正直に周りに気持ちを話し、ゆっくりでもまたプロ復帰を目指して頑張ると決意。実はサヤカも含めてカズヤ(茂造)以外の人間全員がこの事実を知っていて「本人の気持ちが変わるまで見守ることにして黙っていた」とのこと。またまた自分だけが知らなかった「ひみつ」の事実を知り愕然とする茂造。
 
   そしてあの巨体オネェ・リンダの正体は、なんと「あの世とこの世の狭間」で契約を交わした天使だったのです!!あのときあんなに小柄でかわいらしかった天使も、現世で生活するために憑依出来る体を探したのですが、このオネェな巨体しかなかったとのこと。あまりの変貌ぶりに茂造はドン引きですが、ともかく茂造のサポートとして工場で共に生活できることになりました。

 
  そしてもうひとつの「ひみつ」は、原田繊維の力仕事担当・テツロウ。茂造が目撃したのは、彼が誰にも見られないようにどこからか仕入れた紙袋から大慌てで取り出したのは……注射セット!!震える手と荒い呼吸で怪しげな薬が入った注射器の針を腕に刺すその姿に、「警察24時」的なアレかと怯える茂造。

  元々謎めいた部分が多いキャラだったテツロウ。現場を見た茂造が疑惑の目を向けるなか、突然やって来た一人の女性(金澤芳江さん)により、思いもよらなかったテツロウの正体が明かされます。


    「やっと見つけたわ!!『サユリ』!!」
「……その名前で呼ばないで!!俺はもうその名前と女は捨てたんだ!!」
 

  このやり取りに唖然とする茂造他工員一同。

  実はテツロウは、いわゆるトランス・ジェンダーであり、女性の「サユリ」として生まれながらも性自認は男性で、自分らしく生きるために「テツロウ」と名乗り、男性として過ごしていたのです。
   母親には思春期の頃にこの性の違和感を打ち明けたものの、気のせいだと冷たくあしらわれたのがショックだったと苦しそうに打ち明けるテツロウ。そんな恥ずかしい格好はやめてくれと訴える母親。しかし、茂造や工場のみんなから、テツロウがどれだけこの工場での支えとなってくれているか、悩みながらも自分らしさを模索する彼の生き方は恥どころか誇りであると懸命に訴え、ついに母親も認めることに!!長い間親子にあった壁がついに壊されたのでした。涙を流し、母に駆け寄るテツロウ……


  「本当にありがとう……“お父さん”!!」

「えっ!!!??? (゚皿゚)」

  なんと母親だと思っていた人も本当は父親だったというワケアリトランス・ジェンダー親子だったようです。父と娘改め母と息子はお互いを受け入れ支えていくことを約束しました。
  ちなみに茂造が目撃したあの注射器にはいわゆる違法薬物ではなく、男性的な筋肉質の体型を維持するためのホルモン剤だったこともこの後発覚し、ひと安心。

  

  後日、社長のサツキから嬉しい報告が。カズヤの百箇日法要後あたりからお付き合いを始めたイチノセという男性を工場へ連れてきます。どうやら結婚も視野に入れている模様。
  やって来たその好青年を歓迎する工員たち。しかし茂造だけはその青年の顔を見るなり青ざめます。

 
  イチノセは、かつての自分__つまりカズヤを銃殺した、カネヒラだったのです。



 




 

 


 
 
 

ひみつの茂造レポ①

  今年のGW茂造特別夜芝居は、記念すべき10周年。そして今年は、これまでのシリーズとは毛色の違う、「すこしふしぎ=SF」なお話。

 
  舞台はとある山奥にある原田繊維工場。
   ここでは原田サツキ(たまよさん)が先代である亡き父の跡を継ぎ、ベテラン作業員のコガ(要冷蔵さん)・力仕事に自信のあるテツロウ(平山さん)・バスケットボール選手も兼任しながら怪我により車イス生活を送っているリョウスケ(井路端さん)・まだ少年らしいあどけなさの残るコウタ(キタノの大冒険さん)・大島さん・サツキの妹のヨウコ(村崎真彩さん)・その彼女の娘で小学4年生のユイ・そしてサツキの夫でユイ(子役の池田羽香ちゃん)の父親であり、さらには原田繊維の専務でもある伊藤カズヤ(鈴木康平さん)と共に力を合わせて切り盛りしていました。


  実はこの伊藤カズヤが、今回のお話のもうひとりの主人公でもあるのです。カズヤは仕事熱心で知識も豊富。従業員たちからの信頼も厚く、愛妻家で娘を溺愛するパパでもありました。


  さて、原田繊維ではこの度新しい従業員を雇うことになりましたが、その従業員が初日からさっそく遅刻というお馴染みの展開。そしてやって来たのは茂造じいさん!!……によく似ているけれど、髪もジャージも赤い「ゲンゾウじいさん」。とはいえ言動はとにかく茂造そっくりです。

  ここからしばらくは茂造新喜劇ではお馴染みの、「アキさん森にぃコンビのカラフルヤクザが借金取りにやって来る」「大島さんが恋人の友梨ちゃんとの結婚を反対される」「その結婚を許してもらうための芝居をみんなで実行するが失敗に終わる」などの一連の流れはきっちり実行。このあとの展開に向けてのウォーミングアップといったところでしょうか。
  ひとまず大島さんは無事友梨ちゃんのお母さんであるサキさんに結婚を承諾され、さらには借金も立て替えてもらえることに。そして結婚を機に退職することになりました。

  

  しかし借金取りとはまた違う、かなり怪しい雰囲気の二人組(cheeさん・入木さん)がやって来ると、運命が少しずつ動き出していきます。
  二人はこの工場の土地が欲しい、そしてこの土地には新しく処分場を作りたいと持ちかけてきました。
  しかし上質な繊維を作るためにはこの山の澄んだ湧き水が必要なこと・亡き父の志を受け継いでみんなで頑張っていること・処分場が作られればこの山の自然破壊に繋がることなどから、サツキとカズヤが先頭に立ち断固として反対。特にカズヤは豊富な知識を生かして専門用語を並べ立て、地上げ屋を圧倒していきます。
  途中ぶちギレた弟分がナイフを振り回し、緊迫した場面もありましたが、カズヤは必死でみんなを守り、ついには追い返します。とはいえ黄色や緑のスーツのヤクザのような陽気さは全くない連中のようなので、今後も注意は必要です。

   そのころゲンゾウじいさんは、とある海辺の墓地に来ていました。そこには「茂造の墓」と文字の彫られた墓が。茂造は、ゲンゾウじいさんの孫であり、たった一人の身内だったのです。
  茂造は仕事熱心な漁師ゆえに嵐の日におじいちゃんの忠告を振りきり漁に出てしまい、結果船は沈没して行方不明となってしまったのです。
  40歳の若さで旅立ってしまった孫を嘆き悲しむゲンゾウじいさんの泣き声が響き渡ります。

  一方、地上げ屋二人はボスである龍神会のヤクザ・カネヒラ(吉田佳さん)に土地買収の失敗を責められ、殴られていました。あの工場の土地はかなりの価値があるため、絶対に買収して処分場を建設し、大金を得たいのでした。
  二人からの話を聞き、どうやらその「弁の立つ専務」が最大の難関だと悟ったカネヒラ。弟分に「その専務が一人のときを狙え。どんな手を使ってもいいから、そいつを消せ」と命令。

  まさか命まで狙われているとは知らないカズヤは、一人事務所でパソコンとにらめっこ。明日にはヨウコとの結婚記念日も控えていて、食事の約束を取り付けていました。

  そこに現れる弟分を見て驚くカズヤ。弟分はすっかり気が動転しており、土下座をしてまで土地の売却を懇願しますが、やはり追い返すカズヤ。そこにやって来たカネヒラ。弟分では手に終えないと判断し、自らの手で始末することに決めたのです。
  カネヒラが胸から取り出したのはビストル。そして響き渡る2発の銃声。一発は窓を突き破り外へ、そしてもう一発は……見事にカズヤの心臓に!!

 
「やっぱりお前は邪魔だ。こうなったら別の方法でこの土地を奪ってやる」

 
  こう言い残しカネヒラが去ると同時に、銃声を聞き付けて作業場から飛び出してくる作業員やヨウコたち。しかし既にカズヤは事切れていました。カズヤの亡き骸を抱き締めて泣き叫ぶヨウコ。
 
  そして実はこの事件には目撃者がいました。それは、二階から一階の事務所を見下ろしていたユイでした。しかしお父さんが殺される現場を目の当たりにしたショックで、記憶が失われてしまいました。

 
   亡くなったカズヤの魂は、肉体を離れ、あの世とこの世の狭間の深い闇の中をさ迷っていました。なんとかしてあのカネヒラからみんなと工場を守りたいカズヤですが、そこに現れた天使(子役の岸田結光ちゃん)曰く、もうかつての肉体にこの魂を宿すことはできないとのこと。
しかし現世に強い未練の残るままでは天国にも行けず、そのまま来世にも生まれ変わることなく永遠にこの闇にさ迷い続けることになるのです。
 
  それでも、たったひとつだけ、現世に戻る方法があります。
それは、「他人の肉体を借りること」。すでに魂が召された空っぽの肉体を使えば、カズヤも別人の姿で現世に戻ることが出来るのです。幸いにも、その空っぽの肉体がひとつあるとのこと。

  みんなを守れるならと、天使と契約するカズヤ。そしてそのカズヤの魂が入ったのは……ゲンゾウじいさんの孫であり、沈没事故で行方不明のまま死亡した茂造の体!!

  
「こんなシャクレの中年太りの体なんか嫌だ!! 」
  「これしか合致する肉体はないのです!我慢しなさい!」


   天使はカズヤを「辻本茂造」として原田繊維工場で住み込みで働けるように事を運び、さらにはサポートをするため近々自分も人間の姿を借りてやって来ると伝えます。

そして「茂造」として生きている間に、自分がかつての「伊藤カズヤ」とバレた場合には、その魂は輪廻転生の流れから外され、来世に生まれ変わることなく永遠に闇をさ迷うことになるという最大の注意事項が。

  かくして茂造のようで茂造ではない男の、人生やり直しミッションがスタート!!


   「どんなことがあっても人が死ぬことはない」という新喜劇の伝統的概念を最初からぶっ壊し、さらには主人公が茂造の姿でありながら中身は違うというこれまでにない超展開!!  レポはまだ続きます!!

 

  
  

すばるくんのこと

   ジャンル移籍した者とはいえ、今回のこの発表には率直に驚き、そして寂しさと切なさが込み上げてきました。
  私がエイターから新喜劇という新しい趣味の道へ心置きなく移籍できたのは、彼らはきっと変わらないでずっとあのメンバーでよぼよぼのおじいちゃんになってもバカやってくれるよと過信していたから。
  たまに帰れば「おぅおかえり!たこ焼きでも食うか?」と気さくに声をかけてくれるふるさとのような存在でいてくれたから。
  すっかり茶の間ファンになってしまったけれど、たまに見かければ相変わらず楽しそうに歌ったり踊ったり喋ったりしていて、全然雰囲気が変わらずあのまんまだったから。


  自分がそうだったように、人は変わっていく。ましてや一般の人では見られないような景色を幾つも見てきた彼なら、なおさら。そこから感じて、考えることも。そして見つける夢だって。


   もう「ONE」のあの歌詞にあるような、暗闇で一人怯えてすべてを遮断して息を潜めて生きているすばるくんはいないのです。ちゃんとまっすぐ前を向いて、自分の気持ちをしっかり声と言葉にして、自分の足で一歩ずつ進み、自分の手で夢を掴んでいく。
 
  そして……10代の頃から、嬉しいことも悲しいことも一緒に分かち合ってきた仲間たち。彼らもギリギリまで引き留めたと話していました。でもすばるくんの意思は固く、それならばと送り出し、見守り、そして新たな気持ちで頑張っていくとも、話してくれました。

  会見でいちばん見ていてしんどかったのは横山さんでした。すばるくんの挨拶を聞いているときから涙をどうにか堪えようと必死なのが伝わってきて、その後「今日という日が来ないでほしいと心から思った」というそのシンプルな一言は胸に重く響きました。愛する子供をやむを得ず手放さなくてはならなくなった親、涙を流しながらコメントする彼からはそんなイメージがありました。

  忠義(自担だったので呼びすてなのです)はまだ納得できないという雰囲気が表れていましたが、そのぶんファンの多くも抱いたような疑問__例えば「国内で、そして関ジャニ∞のままその夢は追えないのか」「それはこれまでの仲間やファンと別れてでも叶えない夢なのか」などをガンガンぶつけてくれて、「すばるくんは自分勝手な決断をした。けれど、そんな彼をなおも嫌いになれない自分がいた」というのも、かなりファンと近い想いを抱いてくれて、すごくありがたかったです。


  エイトみんなが、「オブラートに包む」なんてことをせず、不器用なほどに率直な想いを決して凝ってはいない言葉で、けれどはっきりとそれぞれで伝えてくれたのが、私は本当に嬉しかったし、だからこそ寂しかった。ほんとにほんとに関ジャニ∞は7人から6人になるんだ。すばるくんは関ジャニ∞からもジャニーズからも日本からもいなくなっちゃうんだって。

  ジャンル移籍した私でこの喪失感なのです。現役エイターさんはなおのこと心が苦しくて涙が止まらなくて納得できなくてどうしたらいいか分からない方も、ほんとにほんとにたくさんおられると思います。
とにかく焦らず、自分の気持ちにしっかり向き合って、本気で泣いて怒っていいと思います。なにか別の趣味に打ち込むのもいいと思います。納得するためにかかる時間も前を向く速度も悲しみを和らげる方法も人それぞれ。
でもみんなエイトとすばるくんが、すばるくんと共に歩いてきたエイトが、大好きなのは変わらないんです。それでいいんです。

  
   個人的には最近グッズ整理を始めており、いくつか手放してしまったものもあるのですが、エイトレンジャーのお人形とか、七色のマジカルバンドとか、FC会員証とか、すばるくんデザインのエイターバッジとか、そういうのは手元においておくことに決めました。
理由はふたつ。ひとつはすばるくんがいた証を残すこと。そしてもうひとつはミュージカル「アニー」の主人公アニーが、両親にまた会えることを夢見て片割れのロケットのペンダントをずっと持ち続けたように、いつかまたすばるくんと会えるためのお守りにしようと思います。

  すばるくんが、海も空も越えた場所で、その歌声を響かせてくれること。何かの形でまた会えることを信じています。


 




 

 
 

きょうと新喜劇7レポ③

  レポもこれでやっと終了!……だといいな(笑)

   急遽映画撮影に参加することになった展子の役は、安世ちゃん演じる主人公が働くスナックのホステス役。基本的に台詞はなく、相手役の瀧見さんがリードしてくれるのでどうにかやれそうです。そして早速衣装へ着替えに行きます。

  それと入れ違いにやって来た大物俳優。
それはなんとあの津川正彦!!………になんとなーく似た、西川のりお師匠!!今回のシークレットレジェンドゲストです。会場からは歓声があがりました。
  そして展子が着替えた衣装は、ヤクザver.を彷彿とさせる緑のスーツ!!いよいよ中途半端な女装の見かけになってきましたが山本監督は「これが海外にウケるんだ!!」と自信満々。よくわかんねぇな海外ウケって (゚ヽ゚)
 
  そして女子寮の仲間や男子寮のゆたかくん・まさとくんも見守るなか、いよいよ撮影開始。店で喧嘩をしたヤクザ忠志とそこで出会ったホステス安世の恋、さらに安世と生き別れになった父のりおとの再会という、古きよき日本の任侠と人情に溢れたストーリーなのですが、そこで店のホステス役の展子に与えられた芝居は「店の隅っこで瀧見と抱き合う」などほんとにこの役必要なの?というようなビミョーなものばかり。
  さらには「瀧見とディープキス!!」というとんでもない指示まで出される始末。嫌がる展子に対し瀧見はすっかりノリノリで思いっきり唇を押し付けるガチキスを披露!!撮影前にちゃんとブレスケアしたというわりになかなか独特の口臭らしく「ウ゛ォェッ (゚н゚||)」という危険な悲鳴をあげていた展子。それでも安世ちゃんのため、頑張って我慢しました!
  その体当たりの演技もあり、無事撮影は一発OK。これなら今回の映画祭もきっと大賞が狙える!とご機嫌な山本監督。やっぱよくわかんない海外ウケ……(´ヽ`)

   休憩にしよう!とのりお師匠が現場を去る際、ものすごく絶妙なタイミングでなんと展子のおさげカツラを取り外し、そのまま出ていってしまうハプニング発生!!そのため素朴な女子高生展子はあっという間に元のヤクザ森田に早変り。ほんのり頬にお化粧したおっさんが急に現れ、大騒ぎになる現場。追い込まれた森田は思いきってすべての事情を話します。呆然とする安世ちゃんと、ざわつく周りの人間。
  と、そこにやって来た高井兄貴。ついに吉本組が仕向けたヒットマンを見つけたのです。そのヒットマン二人組の写真を見てさらにざわつく全員。そこにはまさとくんとみどりお姉さまの顔が!!なんとこの二人は「父娘」のヒットマンだったのです!!母と息子じゃないのか!!

   バレたら仕方ない!!と傍にいたまみちゃんを人質にとるヒットマン二人。瀧見さんの体を張った渾身のカエルギャグも不発に終わり、忠志さんの「パパに言いつけるぞ!」という圧力にも屈せず、現場は緊迫した状態に!
  こうなったら俺が相手になったるわ!!と自ら一歩前に出る森田。そしてその森田に向けて放たれる銃弾!!そしてその銃弾を弾くために森田が差し出したのは……ゆたかくん!!そして彼のやや出っぱった前歯は見事に銃弾を弾き返していくのでした。
 
  そのとき、花月組の若頭、「暴れ新幹線」こと伊賀兄貴が白と青のスーツで登場。一通りその横顔についてイジられておりました。なかには「車内販売のアイスがめちゃめちゃ固くてすくえないからなんとかして!」なんてクレームも(笑)
  
  横顔新幹線な伊賀兄貴が伝えたのは、これまでずっと対立状態だった花月組と吉本組はこの度兄弟の盃を交わし、電撃的和解が成立したという大ニュース!そして両組長がここへ来ているというのです!
  吉本組組長はこの日のもうひとりのレジェンドゲスト・上方よしお師匠!!自転車のサドルを彷彿とさせる独特の髪型でバッチリキメていました。そしてよしお組長がヒットマン父娘に「堅気さんに手を出すな!」と一喝してくれたおかげで、まみちゃんは無事解放されました。
 
  そしてほどなくして花月組組長も到着。なんとそれは……先程まで撮影に参加していた大物俳優のりお師匠!!実は役者は世を忍ぶ仮の姿で、組長ver.ではカツラを装着していました。そしてのりお組長からさらなる事実が告げられます。
 
  「会いたかったよ、我が……息子よ!!」
 
  「ん……?…息子!? (゚ε゚)」

 
  組長が駆け寄ったのは、安世ちゃんではなく、その後ろにいたゆたかくん!!よくよく話を聞くと「八坂高校の寮の201号室にいる生徒」という情報だけで、男子か女子かまでははっきりしていなかったのでこういう勘違いが起きたようです。そして女子寮の201号室は安世ちゃんですが、男子寮の201号室はゆたかくんだったのです。
 
  念願の父との再会が勘違いの為果たせず落ち込む安世ちゃんですが、彼女の顔を見て反応したのは吉本組のよしお組長。そして彼女の母の名を聞きハッと気づきます。なんとよしお組長はかつて祇園組に在籍しており、そのとき恋仲になった女性が安世ちゃんのお母さんだったのです。つまり、安世ちゃんは花月組のりお組長の娘ではなく、吉本組よしお組長の娘だったのでした。

  ついに夢を叶えた安世ちゃん。さらに同じような生い立ちのゆたかくんにシンパシーを感じ、正式にお付き合いをすることに。
  そしてミッションをクリアした森田は約束通り正式に花月組の組員に昇格!!……のはずでしたが、

  「お父さん、あいつは僕を棒でシバいたりいけずしたり挙げ句は銃の盾にしたりしてさんざんひどい目に遭わされたんです!!絶対昇格なんかさせないで!!」


  組長の息子であるゆたかくんにこれまでの悪行をチクられたことで、昇格どころかヤクザをクビになってしまいました。
  これからどうしたらいいんや……と嘆く森田。そこに「私たちがいる!」と響く声。

振り向くとそこには、冒頭でヤクザ森田に恋をしたたまよさんと、キスシーンで共演したことによりなにかに目覚めた瀧見さんが!!
  二人の求愛から逃げ回るところで、舞台は終演。


  二ヶ月もかかってしまったレポですが、個人的には森にぃがここのところレギュラー出演しているチーム辻本公演での経験を活かしてくれてくれているようなストーリーになっているのが嬉しかったです。
  この「きょうと新喜劇」シリーズの好評を受けて、ついに4月にはNGKで主催公演が決定している森にぃ。こちらもどうか大成功しますように!!


 

 


 


 


 
 

 

きょうと新喜劇7レポ②

   色々あって空白期間が開いてしまいましたが、レポを再開いたします!

「転校してきた女子高生・展子」として潜入し、組長の隠し子かつ推しメンアイドルの安世ちゃんを守ることになったヤクザ森田。
 
   女子寮には安世ちゃん・まみちゃん・ゆり蚊ちゃんの他にあと一人、最年長のみどりがいました。「17歳の高校三年生」と自己申告していましたが、最大のオブラート「大人っぽい」でも包み込めないようななかなかのお年の召した見た目……ともかく、4人の女の子たちと生活していくことになります。
  
  早速展子の部屋に行こうとみんなで階段を上がると、例のトラップが発動し、鳴り響くアラーム。どうやらしっかりと生物学的な性別を判別する機能まであるみたいです。みどりは「空襲警報や!!」と年代が一発でバレるようなパニックを起こしたりと一瞬騒ぎになりましたが、なぜか「この展子が男なのでは?」という疑いは誰一人思い浮かばなかったらしく、アラーム機能が壊れているかもしれないから一先ず停止させておこうということになり、展子は無事二階へも行き来できるようになりました。

  二階の部屋へ荷物を置き、再びロビーへ戻ろうとする展子、階段の踊り場で見かけたのは、こっそり戻ってきたゆたかくん。ゆたかくんはスマホに向かって、こんなことを話しています。
 
  「今日こそ俺は安世ちゃんを射止める!!これで組での俺の評判も上がるやろ!!」

 
  観客にしたらこれは先程の出来事とリンクして「安世ちゃんに告白してクラスでの評判を上げる」ということなのだとわかるのですが、それを知らない展子は「射止める=射殺する」「組=吉本組」だと恐ろしくタイミングのよい勘違いをし、この出っ歯の輩が吉本組が仕向けた暗殺者だと確信。こっそり下へ降り、手近にあったマキザッパを手に取ると、これでもかとゆたかさんをシバキまくります。
  ゆたかくんの叫び声を聞いて飛び出してくるたまよさんや他の生徒たち。「この人、安世ちゃんの命を狙った殺し屋よ!!」とゆたかくんに馬乗りになり大騒ぎする展子。

 
周りの説得で誤解こそ解けたものの、ゆたかくんが展子に抱いた印象は最悪。さらに展子もといヤクザ森田にとってもゆたかくんは大好きな推しアイドルに気安く近寄る男という点で、警戒すべき対象になってしまいます。
  安世ちゃんとゆたかくんがちょっとでも仲良くしようとすれば大きな音を立てたり会話のなかに入って邪魔したりと「いらんこと」ばかりする展子。そのたびに「かんにんえ♪」とかわいらしく京都弁で謝るのですが、かえってゆたかくんの怒りは増すばかり。 
 
  とうとう安世ちゃんが席をはずした途端に大喧嘩になる二人。「痛い目見せたろか!!」と展子が取り出したのはお馴染みマキザッパ、さらにゆたかくんのシャツをひっぺがす!!とここまできたら「あれ」が発動されるわけで、当然湧く会場。
  しかしたまよさんのときと同様、展子はこのお約束展開にあまり慣れていないため、せっかく脱ぎかけたシャツをまた着せたり、「爪先・顎・脇」のタイミングが合わないなどかなりグダグタ。ドリルはやはりあの眼鏡のおばちゃんがしっくり来るのかもしれませんね……(笑)
 
   ゆたかくんを追っ払ったあと、入れ違いに安世ちゃんが戻ってきました。なんと安世ちゃん、世界的に有名な監督がパリの国際映画祭に出品する作品の主演に抜擢されているのですが、その監督が「海外にウケるから」という理由で日本らしい趣があるこの旅館跡地の女子寮で撮影を行うことになりました。
 
  センターの人気メンバーなうえに、映画の主演までやっちゃうなんてすごい!!と自分のことのように喜ぶ展子。
  ふと展子は「安世ちゃん、アイドルしながら学校にも通って、映画まで出て……なんでこんなに頑張れるの?」と素朴な疑問をぶつけてみます。そこには安世ちゃんなりの深い理由がありました。

 
  「私はね、母子家庭で育ってきて、お父さんのことはほとんど覚えてないの。お母さんはお父さんは私が生まれる前に死んじゃったのよって話してたけど……ほんとは私知ってるの、それが嘘だって」
「……」
  「お父さんは、祇園組っていうヤクザの一人だったみたい。今はその祇園組自体無くなっちゃったらしいんだけどね。色々あって別れちゃったんだって」
「!!!」
「今はもうどこにいるか、生きてさえいるかわかんないけど……せめて私が元気で頑張ってるよってテレビや映画で見てもらえたらって思ってるの」
  「そうだったんだ……」


  親子の絆を信じて頑張る安世ちゃんに、展子は「だいじょうぶ!!絶対お父さん見ててくれるよ!!展子がついてる!!展子も応援する!!」とエールを送ります。そして撮影準備を始めるため安世ちゃんが部屋に戻ると、すぐさま高井兄貴にこのことを伝え、調査してもらうことに。

  やがて女性ながらやたら貫禄のある山本監督・ハンサム俳優の忠志さん・小柄でなんとなくカエルのような顔立ちながら女性から大人気のトレンド俳優瀧見さんなどのご一行が到着。
なんとそのなかに冒頭で取り立てに失敗したクリリンが!!どうやらADとして普段は勤務しており、この映画がヒットすれば高額のギャラが貰えるのでこれを借金返済のアテにしていたようです。取っ捕まえたいのをなんとか堪える展子。

  さらにこの撮影にはもう一人、大物俳優が来るらしく、彼を待っている間に撮影準備をしているとある緊急事態が。なんと出演女優の一人が移動中に事故に遭い、撮影に挑めないというのです。色んなスケジュールの都合で今日のこの時間しか撮影ができないため現場は大騒ぎ。急遽代役が必要となります。
   ふと安世ちゃんの傍らにいる展子と目が合った山本監督。そこに「なにか惹かれるもの」を感じ、ぜひ展子に代役をお願いしたい!と出演オファー。演技なんかしたことないと困惑する展子ですが、安世ちゃんからもお願いされ、引き受けることに!!

  どんどんパワーアップするミッションのハードルを、展子は乗り越えられるのでしょうか?