nakumelo’s blog

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「茂造の美しき謎」 観劇レポ(ネタバレ注意)

いつもの新喜劇とは違う。とにかく泣ける。“辻本茂雄”は役者なんだと思い知らされる―――そんな前評判を聞いていた、GWの祇園花月特別芝居「茂造過去シリーズ」。7年目の今年は「美しき謎」。
  以前にも書きましたが、この茂造シリーズのレポの切なく美しい涙を流す茂しゃんを見て、あっという間に虜になってしまった私。たとえ遠くとも次の日仕事でも行かねばならない!てことで見て参りましたよ、初日・最前列・センターというこの上ない神席で!!

 


※まだ公演自体は2週間近く続くので、ネタバレOKな方だけご覧くださいませ。









  一幕の新喜劇は、もうほんといつもの茂造新喜劇て感じ。お馴染みのネタは一通り入ってました。お話自体は、「夏の終わりの大決心」と「ILOVEトライアングル」をミックスしたような展開。
  鍵となるのは仲直りさせるための芝居で強盗役になった森田さんが、なんと本当に強盗として指名手配されていたこと。 妻のたかおみゆきさんは赤ちゃんも身籠っていますが、リストラされて再就職も見つからず、家族を守れない焦りから犯罪を犯してしまったのです。
  やけを起こして人質をとる森田さん。茂造の活躍により見事捕らえられますが、警察に連行される前、茂造は強い口調で語りかけます。

  「ワシと約束してくれ。出所したら、今度こそ必ず家族を守る、こんなことはしないって。 罪を犯して苦しむのはあんただけじゃない。あんたの奥さんと子供も、この先苦しんでいくんや」

  これまでと違う茂造の一面に困惑する一同。実は茂造とホテルで一夜を過ごすような密接な関係だったという従業員のサキさんが、彼から聞いたという茂造の過去を語ります………


時は遡り、平成6年。
茂造は、ニューハーフショーパプの「ラ・ファミーユ(フランス語で「家族」)」のオーナ兼ママとして働いていました。ママということで女装をしているのですが、以前レギュラーの新喜劇で演じていた「辻林都」をもっとメイクを派手にした感じと思っていただけたら(笑)
ファミーユにはチーママ兼振り付け師のサリー(アキさん)、ウララ(たまよさん)をはじめとするニューハーフダンサー(あいはらたかしさん・OSAKA翔GANGSの皆さん・和田さん・松村さん)、刈り上げ頭にやたら派手なTシャツと無口無表情という不思議キャラ・トヨコ(平山さん)、司法試験合格を目指しながらボーイとして働いているヨウスケ(伊賀さん)・茂造が里親として引き取ったユウタ(詩くん)がいっしょに暮らしながらショーパプを運営していました(ちなみに女性が演じていても
ダンサーは皆ニューハーフという設定)。 
  和気あいあいと笑いの絶えないファミーユのメンバーですが、性同一性障害を両親に理解してもらえないユウタや、最近できた恋人との夢を描くも実はお金をだましとられていただけだったというエリナなど、心の中には深い悩みや悲しみ・もどかしさを抱えていました。それぞれの壁にぶつかり、苦しみ、涙するとき、必ず茂造は優しく抱き締め、その涙を受け止めるのでした。「茂造ママ」と呼ばれているせいもあってか、そのときの茂造の表情が女性的で柔らかくて、ほんとうに茂造はこのお店のメンバーにとって「母親・親代わり」の存在なんだなと思えました。

  そんな茂造には、二十歳になるアスカ(島居香奈さん)という娘がいます。女装してオネェ言葉の茂造も、彼女の前ではヅラをとり男言葉になり、「父親」としての顔を見せます(メイクと服は女装したままなのでヅラをはずすと坊主頭のとんでもない風貌になる(笑))。  親子仲はかなり良好。
  そんなアスカとヨウスケは実は恋人同士であり、ヨウスケが司法試験に合格したのをきっかけにお店で結婚式をすることになります。
  ウエディングドレスに身を包んだアスカの隣にいる茂造は、男性の姿でタキシードをビシッと決めて登場。あのオネェ姿を見たあとなので、余計に男前に見えます。  いくらヨウスケのことは信頼してるとはいえやはり娘を取られるのが悔しいのか、睨み付けたり、誓いの言葉やキスを邪魔したりします(笑)
  結婚式も終わり、親子二人きりになると、アスカは父への手紙を読みます。 そこには、いつも自分を大切に守ってくれた父への感謝・その職業ゆえにからかわれたこともあったけど、揺らぐことはなかった信頼・そして、父が娘を宝と思っているように、自分も父を宝のように思っているということが綴られていました。
つい先日、祇園花月のズッコケコーナーで茂しゃんが、「二十歳になる娘からサプライズで手紙をもらった。“お父さんは特別な仕事をしているから、これまで色んなことを言われたけど、お父さんが頑張っているのを見て、そんなのは関係無いって思った。いっぱい笑わせてくれてありがとう”て書かれてて、号泣した」と話していたのをフォロワーさんから聞いていたのですが、このときの経験が活きているのかな?とも思えました。

  幸せほんわかムードのなか、突然ある男が茂造を訪ねてきます。高山(要冷蔵さん)というその男は茂造とアスカの間にある真実を知っており、その事実をアスカにバラされたくなければ今日中に大金をよこせと脅してきます。大金をすぐには用意できないと言う茂造に腹をたてた高山は、みんなが見ている前でアスカを人質に取り、言い放ちます。

  「茂造とお前は血の繋がりのない赤の他人だ。 お前の本当の父親は俺の相棒で、茂造に殺されたんだ」と。

  自分と茂造は実の親子だと二十年間疑い無く信じてきたアスカは、衝撃の事実にショックを受けます。娘を解放するよう土下座をしながらも助けを乞う茂造を見ても、もう不信感しか芽生えず目を合わせることも触れることも出来ないアスカ。
  その後、高山の借金取りのヤクザも乗り込んできて事態はさらにパニックになりますが、実はそのヤクザの幹部であったというトヨコの活躍もあり、なんとかその場は収まります。茂造をかばって銃で撃たれたトヨコはなんとか一命をとりとめ、高山は警察へ逮捕されたのでした。

   しかしアスカに芽生えた茂造への不信感はまだ残っており、ここを出ていくとまで言い出します。そこで茂造は、二十年間ずっと隠してきた「謎」を打ち明けます。


  元々、茂造は捜査一課の刑事でした。 アスカは本来、茂造の親友の娘として誕生したのですが、妻を亡くし、多額の借金と赤ん坊を背負ったその親友は心を病み、高山とともに犯罪に手を染めてしまったのです。刑事として、友人としてふたりを必死で止めようとした茂造。親友は茂造の言う通りに拳銃を渡そうとしますが、それを阻止しようとする高山と揉み合いになり、銃が暴発し、親友は命を奪われたのです。そして茂造は刑事を辞め、元々兄がやっていたファミーユを引き継ぎながらアスカを我が子として育てたのでした(母親については、アスカが生まれてすぐ離婚したということにしてあった)。
  最初こそ罪滅ぼしのつもりだったかもしれない。でも、いっしょに過ごすうちに、この小さな命は俺が何がなんでも守らなきゃって思えたんだ。真っ直ぐな言葉と眼差しでアスカに語りかける茂造。その熱い想いとこれまで一身に受けた愛情を思い出し、これからも茂造の娘でいたいと涙するアスカ。そしてそんな娘を、茂造は力強く抱き締めるのでした。
 

   今回、この芝居の中の大きなテーマに「過去は振り返らず前を向いて生きていく」というのがありましたが、時に忌まわしく心の中に巣食う過去とどう向き合うのか、と考えたとき、それは「許す」ということなのではないかな?と思えました。
  自分のことを理解してくれなかったこと・自分のことを騙していたこと・見下されていたこと……そういったことですら「許す」ことで、受け入れ、新たな愛や夢が生まれて、前を向いて進んでいけるのかな?と思ったのです。それこそ「許してやったらどーや」てとこですかね?難しいことではあるけどね。
 
  まずは一旦、ここまで。落ち着いたらまた感想を書きます。