nakumelo’s blog

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佐藤太一郎企画「お母さんいません」レポ③

ちょうどマイカとドイが二階から降りてきました。
ドイ__成長した息子の「リョウスケ」が目の前に現れ、思わず「リョウスケ!?リョウスケなのか!?」と声をかけるオチ。トイレに行っていたため彼の姿を今はじめて見たのです。

急に知らないおっさんに自分の名前を呼ばれ驚くドイ。そんな彼にオチは「見た目はタナカっておっさんだけど中身はお前のお父さんなんだ!ずっと会いたかった!!」と伝えます。にわかには信じがたいことに当然ながら怪訝な顔になるドイ。 



「もし仮に……仮にだよ?あんたが俺の親父だとしても、なんで今まで会いに来てくれなかったんだ?それで『会いたかった』なんて軽々しく言われても……」

「お母さんが……会わせてくれなかったんだよ……何度も何度も頼んだんだが………」


ドイの母親が頑なに元夫に息子を合わせなかった理由は、二人の離婚原因にありました。なんとオチは妻子ある身でありながら別の女性と関係を持つ__つまり「不倫」をしていたのです。
衝撃の事実に愕然とするドイ、そしてサワやマイカ。タイチロウは「そのひと、タイプやったの?どこまでいったの?」となかなかドストレートに聞いてくる始末。


ますます「ずっと会いたかった」がうさんくさいとドイが吐き捨てるなか、タイチロウはつぶやきます。



「こどものことをかんがえない、おやはいません。いつも、こどものことを、おもっています」


そしてオチは「せめてなにかしてほしかったことがあれば今ここで最大限の努力でやってみせる」と訴えます。

それに対するドイの答えは__「肩車」。幼い頃、友達が父親にしてもらっているのを見て、羨ましかったのだそうです。


「よし!わかった!!ここでやろう!!」


オチは息子の願いを叶えるべくスタンバイしますが、今のオチの体はあの腰痛持ちのタナカ。果たして大丈夫なのかという不安が客席全体から伝わります。


恐る恐るドイがオチの肩に足を掛け座る形に。そして立ち上がろうとした瞬間………オチの魂の入ったタナカの腰に激痛が!!痛みを緩和する「ツボ」もあるのですがこれを知っているのはナギコだけ。今はナギコの体にはサワがいるためわからず、とりあえずタイチロウが見よう見まねでやってみることに。


「………えいっ」

「ンギャァァァァ!!!」

「あっ、ずれてたみたい…こっち?」

「………あっ!!なんか、楽になった!!」


どうにかツボを発見し、痛みも和らいだところで改めて立ち上がるオチ。拍手喝采の会場。そして彼に肩車されたドイは、自分の身長よりずっとずっと高いところから見る光景に、幼い子供のように目を輝かせていました。


肩車が終わると、周りがふと暗くなり、オチの頭上に眩しい一筋の光が。どうやら未練を叶えることが出来たため、「お迎え」が来たようです。オチは最後に一気に想いを伝えます。


「俺はいつだってお前と母さんを見てるからな!!がんばれよ!!俺みたいになるなよ!!あっ、お盆には帰ってくるからな!!頼むぞ!!」


そしてフッと意識がなくなり、倒れ、次に目を覚ました瞬間……


「………あれ?皆さん、どうしましたか?……おや、どなたでしょう?初めまして……」


腰を擦りながら穏やかな口調で笑みを浮かべるその人は、タナカに戻って__つまりオチは完全に成仏して去っていきました。


先ほどとあまりにも違う態度で、さっきまでここにいたのは本当に自分の父親だったんだ、ずっと自分のことを想いながらいてくれたんだ、願いを叶えてくれたんだ、でももういないんだ、ほんとに死んじゃったんだという色んな想いが交錯していたのでしょう。ドイは泣き笑いを浮かべてうつむいていました。


この流れでナギコの体に宿っているのはサワだということをマイカにわかってもらおう!とタイチロウとサワは熱弁しますが、マイカは頑なに認めてくれません。


そんななか、険しい顔でやってくるサトコとそのサトコを慌てて追うマサヒロ。そしてサトコはマイカに向かってこう告げます。



「マイカ、この家を出て、おばさんと一緒に暮らしましょう」