nakumelo’s blog

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歯根膜炎闘病記~疑惑、そして救済~

  やっと歯根膜炎という病名が判明し、諸悪の根元である膿を出していこう‼という作戦になりました。
  
  しかしこの「膿」ていうのが厄介で厄介で、ヨダレと血液と軟膏の悪いとこどりしたような独特の悪臭が漂うんです。それが前歯の真上にあるもんだから、ちょっと食事したりとか会話したりとかアクビしたり笑ったりとにかく口を動かすとダラーッと流れてくる。それが口の中なんだからその不快さたるや……
  寝ているときや仕事中も流れてきて、また寝不足の日が数日続きました。またタイミング悪くこの時期は他店舗との掛け持ちをしており、多忙&そのもうひとつの店には水道がない=膿が流れてきてもすぐにうがいが出来ないということで、疲労と不安でまたストレスが貯まっていきました。両親にはずいぶん心配をかけて時に八つ当たりもしてしまいました。
どうにか時間を見つけてKD歯科医に行き、日常生活や仕事に支障が出るから膿を出してくれませんか?と懇願するも、なんだか曖昧な態度を取られ、結局歯茎に一ヶ所穴を開けて、破裂跡と歯の裏の穴と合わせて出していこう、ある程度出たらまた来てねと言われ、抗生物質とお馴染みのロキソニンを渡されました。

  内科のお医者さんで貰った薬はボルタレン以外にも複数あり、効き目は抜群でしたが、その中には「音が半音低く聞こえるようになる」という副作用のあるものもあり、長い間の摂取は不安だったので、このタイミングでKD歯科で渡されたロキソニン抗生物質に切り替えました。さすがに膿が出ている今ならもうこの薬でもだいじょうぶだろうと一度は信じてみることにしたのです。
 
  しかしそれは見事に裏切られました。  再びあのしびれるような、そして時に電撃の走るような、あの激痛が、今度は奥歯へ関連痛となって発生したのです。さらに抗生物質を飲んでるのに、やはり膿は時間も場所も問わずに出てきて、うがいを一日数十回行い、ティッシュが手放せなくなりました。ゴールに近づいたと思ったのに振り出しに戻されてしまった。そんな絶望を味わいました。

  ここでついにKD歯科への不信感がむくむくと沸いてきました。痛み止めの薬が効かないことも話したのにちゃんと聞いてなかったのかまたロキソニンを出してきたこと、いつもほんの短時間しか診てくれないこと、説明が曖昧なこと、やたら「様子見」の期間が長いこと……遡れば初期のあの糸切り歯の痛みの段階でレントゲンでも撮ってくれてたら、また違っていたかもしれないのに、「虫歯もないし治療でいじったわけでもないから」とそれすらしてくれなかったこと。なんだかまた行っても効果があるんだかないんだかわからない治療と薬の支給をされ、時間とお金を無駄にするんじゃなかろうか……

  最初の痛み発生から二週間ほど経った日に、ついに思いきってセカンドオピニオンで少し遠いTN歯科(仮名)へお世話になるのことにしました。 そこは私のいとこも通っており、その様子を聞くと好印象なので、母に付き添ってもらい行ってみることに。
  朝の9時半すぎで既に数名の患者さんがおり、先生と歯科助手の方、そして看護士さんたちが世話しなく動き回ったり大声で声を掛け合ったりしていました。歯医者というとクラシックとかオルゴール調の曲がゆったり流れていてわりと静かなイメージですが、なんだかTN歯科は昼時のラーメン屋みたいな活気がありました。
  初診ということで色々とアンケートを書いたり看護士さんへ状況を話したあと、手の開いた先生が来てくれました。そして、「ずいぶん我慢して、大変だったね。でもここではしっかり検査して説明しながら治療をしていくから安心してね」「お母さんだってこんなの見てたら心配しちゃうよね」と私と母に労いの言葉をかけていただき、まずもうそれだけでずいぶん救われた気がしました。やっぱし心のどこかで「私の我慢が足りないだけなのか」とか思ってしまっていたので。 待っているときにチラッと様子を見ていましたが、患者さんやスタッフヘの「声かけ」を頻繁にされている方で、特に患者さんには「あとこことここを治せば痛くなくなるからね‼だいじょうぶだよー!」とポジティブな声かけをしているのが印象的でした。でもほんとそれだけでもすごく安心出来ます。
 
  そしてここで衝撃的な事実を告げられます。現在服用中の薬を知りたい、とのことでお薬手帳でKD歯科医から支給された抗生物質のページを見せました。そしてそれを見てコンマ数秒で先生が放った一言。


「あぁ!これだと全然効かねぇわ‼このあとうちで別のお薬出しますんで、もうこれ飲まないでください。」


    KD歯科が私にとってはヤブだという疑惑が確信へ変わった瞬間でした。


  私、効果のない薬にお金払って、それを毎食後忘れず飲んで、効かなくてイライラして……ていうお金と時間をダブルで無駄にしていたんですね……ということは正しいお薬を出すための診察も、やはり間違っていたということで……何やってんだよKD歯科!!!

  そしてTN歯科では先生だけではなく歯科助手の方がほとんど付きっきりで簡単な処置や検査、そして説明間までしてくれました。この「説明」が「今のなくさんの歯と歯茎はこんな状態でこう悪くて、だからこういう治療をしていく」「おうちで出来る改善方法はこれとこれとこれ」みたいに具体例を出してくれたことが、当たり前のこととはいえほんとにわかりやすくてありがたかったです。

  膿はすぐには出しては貰えませんでしたが、代わりに新しい抗生物質と、「痛くなったときだけ飲むように」と、以前内科でいただいた救世主ボルタレンを何錠かいただき、今度はどんな治療をするかの説明を聞き、次回予約をして帰宅。
 
  不思議なもので心が落ち着くと痛みも少し和らぐ気がしました。内科のお医者さんでもそうだったのですが、プロの立場の人に「自分の話を聞いてもらえて理解してもらえた」「的確なアドバイスをもらえた」というのはすごく安心材料になって、それだけでもかなり負担も不安も軽くなるんだなぁということがわかりました。確かなんかこういうの心理学用語でもありましたよね。
 
  もしかしたらKD歯科とTN歯科は技術だけ見ればさほど変わりなく、KD歯科も、今後もう行くつもりはないので真意はわかりませんが、次に訪れたとき第二段階の治療をするつもりでいたのかもしれません。  それでもTN歯科との圧倒的な差はやはり患者に対する「聞く・見る力」と「伝える力」でした。
今後どうするかも説明は特になかったし、挙げ句効果のない薬を支給というのは言い替えればきちんと私の歯や歯茎の状態だのカルテだのレントゲン写真だのを見てないし、たぶん私の訴えも大して聞いてなかったんじゃないか、そう思ってしまうのです。
  あと先生がきちんと見聞きして伝えてくれる病院ていうのは、看護士さんやスタッフさんも同じように対応してくれるんだなってのもわかりました。TN歯科はもちろん、最初に歯根膜炎の可能性を教えてくれた内科の先生のところも、やはしスタッフさんが最初にしっかり話を聞いてくれましたし、全体的に感じがよかったです。逆に言えばKD歯科はいつも電話予約のときに受付の看護士さんが「もう少し声張れません?」てぐらいボソボソ話してたし、なんだか返事も「あっ、はい…」みたいな曖昧な感じが多かったです。そう考えると受付で冷たく門前払いくらったあの外観のゴージャスな病院なんて受付スタッフであの対応の悪さならお医者さんはもっともっとキツい対応されたんじゃなかろうか。そう思うとゾッとします。
  お金の問題だけでなく、病気の時ってほんとに不安で実質的な痛みだけでなく精神的にもかなりダメージを受けている状態なので、その不安を聞いてどうすればいいかを教えてくれるだけでずいぶん負担が軽くなるんだということを身をもって知りました。

  今回の件で、通院・治療中少しでも疑問を感じたら早めのセカンドオピニオンを実行した方がいいこと、そして「いいお医者さん」の基準は技術だけでなく「よく話を聞いて、状態を見てくれること」「わかりやすく説明して伝えてくれること」が出来る人、ということを学びました。
 
  現在もまだ治療中ですが、今月末と来月と立て続けにNGKへ行けることになったので、思いっきり笑って美味しいものを食べれるように、しっかり治してもらおうと思います。