nakumelo’s blog

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宝塚観劇デビューした話 ~観劇・慕情編~

劇場近くの某ハンバーガー店で食欲を、キャトルで物欲を満たし、13時頃いよいよ東京宝塚劇場へ!!

入ってまず目に飛び込んで来たのがこれ!!

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大きなシャンデリア!赤い絨毯!!ゴージャス!!これだけでもうテンションが上がる!!


さらに公演楽曲を自動演奏するピアノまで!
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二階最後列ということでレンタルのオペラグラスを利用することに。チケットより高い5500円を請求され最初は「なんで!?」と思いましたが、5000円はあくまで保証料で終演後なにも問題なく返却できればキャッシュバックされるので、実質500円で借りれるということで一安心。
お話の内容を把握できるようパンフレットも買い、いよいよ客席へ向かいます。


2000人以上が入れる劇場だけあって、とにかく広い!大きい!そして音楽は生演奏ということで、オーケストラの音合わせの音色も聞こえます。開演5分前には、タイトルが大きく表示された緞帳が登場!!
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今のうちに、ということで緞帳を目安にオペラグラスを調節。かなり性能のいいものらしく、細かいところまでばっちり見えるものだったのですが……開演後、この性能の良さが仇となるハプニングが……


幕が開いてとにかく色んな方の表情を見たい!とあっちこっちオペラグラスで追いかけたところ、開始10分ほどで頭痛が……どうやら性能が良すぎるうえに目と頭をフル回転させたせいか、いわゆる「車酔い」のような「オペラグラス酔い」状態になってしまいました……情けない!!(つд;*)

新喜劇界隈に浸った5年間はNGK二階席でもろくにオペラグラスは使わず見れたので、久々に使ったオペラグラスは刺激が強すぎたようです。
というわけで、しばらくはオペラグラス無しの目と耳で観劇。それでも充分伝わってきました。


以下、ざっとしたあらすじです。


元々、宮本武蔵は「新免武蔵(しんめんたけぞう)」という名前で、宮本村というのどかな場所で、幼馴染みの又八・お通と共に、チャンバラごっこの好きなやんちゃ坊主として育ちました。
成長し、関ヶ原の戦いに参加することになった武蔵と又八。しかし思ったような成果を得られず、悶々とした日々を過ごしていた武蔵は、売られた喧嘩は買ってやる!のスタンスでしょっちゅう誰かしかと剣を交わすように。
ついに関所破りまでしてしまい、その血の気の多さを懸念した僧侶・沢庵により嗜められ、懲らしめられます。そして、沢庵は彼にこう命じるのです。


「お前のしてきたことは、いたずらに尊い命を奪ってきただけだ。そんなものは真の強さではない。技も心も鍛えてはじめて真の強さを得られるものだ。

野蛮な新免武蔵はここに死んだ。今日からお前は『宮本武蔵』として生まれ変わり、技と心を鍛えて精進して生きていきなさい!」


この説法に心打たれたタケゾウ改めてムサシは、ただやみくもに闘うのではなく、その地域でも名高い武士や剣豪の元を訪ね、精進を重ねていきます。そんな彼を想いながら過ごしていくお通……

武蔵がここまで剣にこだわる理由は、剣豪だった父の影響が大きいようで。その父をも打ち破ったある美少年剣士がおり、彼こそが後に武蔵にとって最大の目標でライバルとなる佐々木小次郎でした。


やがて運命の導きか、ふとしたときに出会う二人。そしてお互いに「必ずこいつと手合わせしてみせる」と誓いあう……


こんな感じですかね~


宝塚的なお約束の男役トップと娘役トップを中心にしたラブストーリーって感じではなかったですが、これはこれで見ごたえが。

大きな夢と大志を抱き、時に孤独になることもありながら、自分の信じる芸の道へ進む武蔵は、珠さまのトップスターとしての義務と立場を表しているのかなぁと思いました。

そして小次郎の美弥さんも、その独特の美しさと確かな存在感で武蔵をはじめとする多くの人々を魅了したという点ではぴったりでした。小次郎が剣の道を極めたように、彼女も男役としての道を極めたんだろうなぁと……

お通のさくらちゃんも、きっと武蔵をずっと一途に思い続けていたように、珠さまと共に献身的に尽くしてくれるんじゃないかな?って思わせてくれました。


本来れいこさんが演じる予定だった又八は、風間さんが見事にチャーミングに演じてくださり、舞台に笑いを生んでくれました。特に小次郎のフリをしてチヤホヤされているときに、まさかのご本人登場パターン……これ新喜劇で見たことあるやつ~!!ってテンション上がりました(笑)


30分ほどの休憩のあとはショーの「クルンテープ」。タイがテーマだけあってとにかくキラキラ&鮮やか&エキゾチック!


美弥さんが「銀橋」と呼ばれるオーケストラボックス前にある宝塚独特のステージに来たとき、頭痛も治まったのでオペラグラスでガン見。ピンクとフリルのお衣装を着た美弥さんが、数時間前見た入待ちのときより数段数倍輝いていて、それがオペラグラス越しとはいえ間違いなく目の前にいて……体が震えました。ほんとに妖精さんみたいだった。

美弥さんのことは同じ茨城出身ということで「こんな綺麗な人がこの田舎の県から生まれたの!?」と驚き知っていましたが、ついにそのお姿を拝見できることになろうとは……しかも退団直前ということで、私にとっては最初で最後の男役・美弥るりかの姿が見られたわけです。想像以上の中性的オーラ……この目で確かめられてよかった。


珠さまは体格もそうなんですが、やっぱりオーラも大きくて、そして柔らかい。トップスターとして称賛だけでなく誹謗中傷も決して少なくないだろうなというのは予想がつくのですが、それすらも受け止め、力に変えるようなオーラがこの人にはあると。あぁこういう人がトップになるよなそりゃ……と改めて納得。


個人的には男役さんメインの躍りのとき、開演前に通りで見かけた、目が大きくて笑顔が素敵なジェンヌさんをオペラグラスで発見。男役さんにしてはやや小柄ながら一生懸命笑顔で踊る姿が印象的でした。家に帰ってすぐ「おとめ」で調べたところ「蘭尚樹」さんということが判明!新人公演では小次郎役にも抜擢されており、これからが楽しみな若手さんのようです。


こんな夢のような幻想的な世界が、美しくて洗練された空間が、本当にあったんだ!と感動しました。


でも舞台が美しければ美しいだけ………ここにれいこさんがいないことが後からじわじわと寂しくなってしまいました。


ルキーニとしての彼女に惹かれて約2ヶ月。ここまで行動を起こさせて、ここまでさまざまな感情にさせるほど、れいこさんは、月城かなとという男役は、私のなかでもう大きな存在になってしまいました。知ってしまったから、何もなかったことにはもうできないほどに。


観劇してから数日後、この「夢現無双」の残りの公演も、さらには夏の日本青年館で開催予定の「チェ・ゲバラ」も、れいこさんはやはり治療と療養優先で全公演休演と発表されました。

大好きな先輩である美弥さんを舞台から送り出すことも、「チェ・ゲバラ」の主演で歌劇団理事、さらには初代ルキーニでもある轟さんとの共演も叶わなかったれいこさん。どんなに悔しくて寂しいだろうと想像すると本当に苦しいです。

そして、もしこのままれいこさんに会えなかったら、その姿を見れぬままになってしまったら……なんてつい考えては、必死に頭を振り、「絶対れいこさんは帰ってくるし私はれいこさんと会える!!」と自分に言い聞かせています。

SNS上でも、れいこさんがイメージキャラクターを務める加美乃素さん発信の「ファイトれいこちゃん」のハッシュタグの元、たくさんのファンの方からの励ましと希望を信じる声が伝わってきます。みんなが彼女を待っています。


番狂わせも理不尽も不公平も、きっと乗り越えてくれる。私も乗り越えられる。


がんばれ、れいこさん
がんばれ、月組
がんばれ、わたし!