茂造の覚悟!レポ④
コウスケとアカリの距離は縮まっていき、体育祭では父兄参加の親子二人三脚では一位を取るほどに!
無垢で明るいアカリにだんだんとコウスケも惹かれているようで、あの灼熱のようなぎらついた瞳に、時折ふっと柔らかい日だまりのような眼差しが射し込むようになりました。
アカリにとってはどこか影がありぶっきらぼうではあるものの、優しくかっこいい(中学生にとっては)おじさんが自分に構ってくれることがとても嬉しい模様。
しかしアカリの両親であるリョウタとナオコは複雑そう。なにやらアカリとコウスケの間にはなにか感じるものがあるようで……
そんなある日、ヘラヘラと薄ら笑いを浮かべたカワハラ(あいはらたかしさん)なる男がやって来ると、「よくもまぁまた顔を見せに来れたな!?」とリョウタとカンベは激昂。実はこのカワハラ、かつてはこのあさの旅館で働いていたのですが、売上金を横領した挙げ句姿をくらましたのでした。
あのときは仕方なかった、と悪びれず開き直っている挙げ句、カワハラはまた金を貸してほしいと要求してきます。しかも300万円という高額。貸すわけないだろ!!と突っ返すリョウタ。
「……そういえばコウスケくん、帰ってくるらしいなぁ。コウスケくんはお前ら夫婦のこと……」
「あいつはとっくに知ってるよ。俺とナオコが結婚したことはな。なんなら一緒に働いてるしさ」
「えっ……そうなのか……」
どうやらコウスケが服役中に彼に秘密で結婚したことを秘密にすることを条件に揺すろうと思っていたようですが、当てが外れてがっかりするカワハラ。
しかしアカリを見かけたことでカワハラは再びニンマリ。どうやら彼が知る秘密はまだあるようで……
「あの子は、本当に、リョウタ、お前の子か?」
「………」
「コウスケくんが逮捕された時期とあの子が生まれた時期……同じくらいなのは……」
「出ていってくれ!!もうここには来るな!!」
「話してほしくなかったら……頼むぞ」
カワハラをなんとか追い出し、怒り心頭のカンベ。顔を歪めるリョウタ。不安がるナオコ。
「知られてはいけないんだ……アカリが……本当はコウスケと血が繋がった娘だというのは!!」
次の瞬間、勢いよく落ちるロビーの壁。そこには仕事をしていたはずの茂造たちが!!なんと全部聞かれてしまっていました。仕方なく真実を話すことにしたリョウタ。
ナオコが元々コウスケと未来を誓いあった恋人なのは全員承知の通り。コウスケが投獄されたのとほぼ同時期に、ナオコの妊娠が発覚。将来の不安で精神的にボロボロになったナオコを放っておけずに相談に乗っていたリョウタは、ナオコとお腹の子を守ることを決意。ナオコと結婚し、生まれたアカリを養子にすることになったのです。
この事実はつい最近まで獄中にいたコウスケはもちろん、アカリも知らない。
リョウタはアカリを実子として14年間大切に育ててきたものの、コウスケとお互い心を許しあっているのは、もしかしたら自分にはない血の繋がりという絆の力かも……と複雑な思いを抱えていた模様。
それでもなお、愛する娘と、そして立ち直りつつある親友を、そしてみんなのいるこの旅館も、全部守っていくという固い覚悟で、リョウタはカワハラには屈しないと決意します。それを受け、茂造たちも協力することに。
一方問題のカワハラは、お決まりコースでかなり危ないところからお金を借りていたようで、ただでさえ高額な借金が法外な利息まで膨れ上がってとんでもないことになっていました。過激で暴力的な取り立てに追い詰められたカワハラは最後の砦とばかりにアサノ旅館へ駆け込みますが、リョウタは断固拒否。それを聞いた取り立て屋からはついに究極の支払い方法を命じられます。
「この場で死ね。お前の生命保険で払ってもらう!!」
ナイフを付き出す取り立て屋。騒然とするロビー。しかしここで死にたくないカワハラが暴れだし、なんと取り立て屋からナイフを奪い、さらに最悪のタイミングで、騒ぎを聞き付け様子を見にきたアカリを人質に!!
「お前のせいだ!!お前が素直に金を貸さないから、こんなことに……」
アカリにナイフを突き付け、わめくカワハラ。怯えるアカリ。リョウタと同じように前へ向かっていったのは、コウスケでした。
「アカリを離せ。その子は関係ないだろ。大人の事情に巻き込むな!!」
「いいのかコウスケ……お前の娘なんだぞ!その娘が親友のせいでこんな目に遭ってるんだぞ!!」
「俺の娘……?どういうことだ!?」
「この娘は、あんたとおかみの子なんだよ!!おかみはあんたが逮捕されたすぐあとに妊娠したんだよ!!時期からしてあんたの子だろう!!」
「!!!」
番狂わせはまるでドミノのように一度起きると続くもので。ついにコウスケとアカリに「二人は実の父娘」ということがバレてしまいました。呆然とするコウスケとアカリ。
ひとまずは、アカリを助け出さないと。そこで動いたのは、我らが茂造!!
「カンベさん!……100円貸してくれ」
「今!?」
「アカリちゃんを助けるためなんだ!!頼む!!」
「……ほらっ、持ってけ!!」
カンベから借りた100円で茂造が向かったのは、やっぱり自販機。そしてその100円を投入して出てきたのは……
「カンカーーン、ヌンチャク!!」
缶と缶をくっつけて作った、ヌンチャクを振り回す茂造。そのヌンチャクが当たった場所は、スタッフを呼び出すためのベル。チン!と音が鳴ると同時にカワハラとアカリがいる上手側の壁から現れたのは、ゲンサクじぃちゃん顔の形の巨大なトラップ!!それに驚いたカワハラが腰を抜かした隙に逃げるアカリ。
「よくも……よくもアカリを!!お前は絶対許せんッ!!」
烈火のごとく怒り狂ったコウスケは我を忘れてカワハラに殴りかかります。元ヤクザだけあってとんでもない威力の拳を容赦なく打ち付けるコウスケ。しかし彼はまだ仮釈放中の身。トラブルを起こせばまた獄中に戻らなくてはならないため、リョウタが体を張って必死に止めます。
そこへ騒ぎを聞き付けた警官が到着。さらにオオクマ刑事もやって来て、カワハラを連行。しかしやはりコウスケは暴力沙汰を起こしたということでもう一度連行されることに。ただ、正当防衛が認められれば、罪は少し軽くなるかもしれないということでした。
その前に、きちんと話しておかなければならないことが……